2022年4月

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

山門由佳

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「エルマーのぼうけん」 ルース・スタイルス・ガネット  福音館書店

息子が先日、保育園を卒園しました。 赤ちゃんの頃から、よく泣き、よく暴れ、あれやこれやと注文の多い子どもであるため、一緒に暮らすのもひと苦労。汗。しかしながら【保育園】という場所があったからこそ、安心して仕事に打ち込めたのはもちろん、なにより母である私の精神衛生を守っていただきました。 保育園がなかったら…今頃わたし、きっと‥?!?!?!  想像するだけでゾッとします。

なので、保育園という場所、保育士の先生方々は、わたしにとって女神・神様の如き存在、土下座して拝みたくなるほどに感謝をしております。 母子共々、心身共に護っていただきました。

こちら『エルマーのぼうけん』は、息子が年長クラスで生活発表会の作品に選ばれた本でした。『エルマーのぼうけん』を先生に読んでいただいた日、目を輝かせ帰って来て、「エルマーって知ってる?」と初めて絵本以外の本に興味を持ったことに成長を感じ、嬉しく忘れられない一冊となりました。

エルマーは勇敢で賢く優しい男の子。 乱暴で好奇心は強いのに、こわがりという矛盾している息子にとって、エルマーはどんな問題にぶち当たっても果敢に打ち勝っていく姿にたくさんの勇気をもらったことでしょう。

これからはじまる小学生の息子のぼうけん物語。 エルマーのように心優しくも勇敢であれ!と母は祈っております。

 

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Photography, Writing, Exploration!

Imagination —> Preservation —> Immortality: Part 2

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Sticking to the subject of imagination, preservation and immortality…Japanese folklore! Back in January, I was introduced to Kappas in Shimanto-cho at the Kaiyodo Kappa Museum!

At first glance, I thought Kappas were turtles! I asked to learn more about them and was told that they are often described as water spirits, demons, reptilian human-like creatures who live near rivers all over Japan. They can be evil, mischievous and kind to humans. According to a variety of online sources, Kappas are wise, super strong and are known to have other cool abilities. They even love to sumo wrestle! The dish-shaped depression on their heads holds water and this area is known to be the source of much of their strength. Kappas enjoy eating cucumbers too!

I won’t ruin the fun of learning more about them…

The Kaiyodo Kappa Museum is grand in size and in its design. Looking at it reminded me of Laputa, the immense castle featured in the Studio Ghibli film, Castle in the Sky. According to the brochure, the museum was built using Shimanto cedar logs, red soil and other natural materials. Each of the three interior floors is home to kappa sculptures that have been created by artists in Japan and from all over the world who submitted their creations for the Grand Kappa Modeling Prize. Describing these sculptures as beautiful and fantastic is certainly an understatement! The total number of Kappa sculptures in the museum reaches up to approximately 1,700!

Inside the museum’s brochure reads the following quote:

”Every Japanese person has a Kappa living in their heads…no one has ever seen a Kappa, but everyone in Japan knows what they are. Kappa lives in the imagination.” 
– Osamu Miyawaki, Curator of Kaiyodo Kappa Museum

The Kaiyodo Kappa Museum is open annually from November 1st to the end of February. I hope to visit one last time before the end of the month. The site stands as a wonderful example of how so many great artists are working to preserve a unique aspect of Japanese culture…

 

創造・維持保存・不滅といった題目を考え続けている‥それは日本の民俗文化のことだ!

去る一月に、四万十町にある海洋堂かっぱ館で、初めてカッパのことを知った。

最初、カッパは亀のことかと思った!

話を聞くにつれて、カッパは水の精霊であり、時に悪魔のようであり、日本中の川に棲むヒト型爬虫類的な生物であることがわかってきた。

彼らは邪悪にもなるし、イタズラ好きで、時に人間に親切でもある。

オンラインで調べたところによると、カッパは賢く、非常に力が強く、他にもさまざまな能力を持っている。スモウまでする!

皿のような頭のくぼみには水が溜まり、この部分が彼らの力の源であると考えられている。そしてキュウリを食べる!

カッパのことはこのぐらいにしておこう‥。

 

海洋堂かっぱ館は、サイズにおいてもデザインにおいても巨大である。それを見て私はラピュタを思い出した。スタジオジブリ作品にあった巨大な城、空に浮かぶ城である。

パンフレットによれば、かっぱ館に使用されているのは四万十の杉、赤土、それから他の自然素材なのだということ。

各3階のフロアはカッパ像の家となっていて、日本中、世界中のアーティストがグランド・カッパ・モデリング・プライズ(訳注:カッパ造形大賞)を狙って送ってくる。

これらの像を「ビューティフル」とか「ファンタスティック」なんて言葉でいくら表現しても足りない! かっぱ館のカッパ像の数はだいたい1700体までいってるそうである!

パンフレットから以下の言葉を引用する。

すべての日本人の心の中にはカッパが棲んでいる‥誰もカッパを見たことがないが、誰もがカッパが何かを知っている。カッパは想像力の中に生きている。 ー宮脇修館長

海洋堂カッパ館は毎年11月1日から2月の終わりまでの開場らしい。今月の後半にもう一度訪れたかったのだが。

この場所は、多くのアーティストたちが日本独自の文化を保存するためにしている活動が見れる素晴らしい一例である。

 

 

 

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私の一冊

川村房子

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「幹事のアッコちゃん」 柚木麻子 双葉社

この本はアッコちゃんシリーズ3作目。読むと元気になる小説と言われます。気軽に読めて、次の日に繰り越しても続きがすぐに思い浮かびます。

アッコさんは「東京ポトフ&スムージー」の会社社長で、本名黒川敦子。おかっぱ頭で見上げるような大女。つい歌手の和田アキ子さんを思いうかべてしまうけれど、とろけるような笑みを浮かべるとつい引き込まれてしまう。

今回は、忘年会の幹事役をまかされ、文句ばっかり云いながら、昔からのやり方に従わざるを得ないと思っている、妙に冷めた男性新入社員を「今日から4日間私の忘年会に参加なさい」と誘う。そのなかでプロデュースの極意を授けていく。可愛くて、やさしく包容力のある女性。

他に「アンチアッコちゃん」「けいこのアッコちゃん」が掲載。背中をバシッと叩いて導いてくれます。

 

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みんなのアルバム

最後の運動会

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「たばこの火つけ」「剣」「上を向いて歩こう」「号砲一発」…。なにやら興味深い名目の下に、お馴染み「リレー」「綱引」の文字が見えます。これは、早明浦ダム建設時にダムの底に沈んだ大河内小中学校、最後の運動会の写真です。写真の裏側には「S42.10.1」と書かれています。

写真を見せてくれたのは、土佐町に住む山師・濵口幸弘さん。写真は濵口さんのお父さんが撮影したものです。

 

大河内小中学校

大河内小中学校は、土佐町の「上津川」「下川」「井尻」「古味」「柚の木」地区の子どもたちが通う学校でした。古味地区に生まれ育った濵口さんもこの学校に通っていました。幼い時から「この地区はダムの底に沈む」と聞きながら育ち、地区内には「ここは湖面になる」という標識が立てられていたそうです。濵口さんは「ここにはおり続けることができん」という思いがずっとあったと言います。

近い将来、自分が立っている場所がなくなる。いつもそのことを頭のどこかで意識しながら暮らす。それはどんな感覚だったのでしょうか。

 

最後の運動会

当時、運動会は子どもたちだけではなく地域の人たちも参加する一大イベントだったそうです。大河内小中学校がダムに沈む前の最後の運動会、地区別対抗戦も大いに盛り上がったことでしょう。

昭和41年から43年に、ダム建設側の水資源機構と土地の持ち主との間で交渉が行われたとのこと。この運動会もその最中に行われていたことになります。

こちらも同じアルバムにあった一枚。パン食い競争でしょうか?1枚目の写真の種目表の中の「上を向いて歩こう」がこれにあたるのでしょうか?

 

こちらの写真の裏側にも同じ日付が入っていました。朝礼台に立った人が見えます。体操をしているのでしょうか?これは子どもたちだけ写っているようですが、子どもたちだけで100人位いるようです。かつての子どもたちや地区の人たちは、今、どうしているのでしょう。

 

仮に、自分ではどうすることもできない「決定事項」があるとして、それが自らの意思に沿う沿わずなど関係なく「決定事項」として目の前に出された時、人はどう行動するのでしょう。自分だったらどうするか?どんな思いを抱くのか?

そういったことを考えさせられた写真でした。

 

濵口幸弘さんの場合

 

 

 

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土佐町 x 土佐あか牛

黒潮町 x カツオのたたき

北川村 x 田舎ずし

土佐市 x ウツボのたたき

 

高知県観光ポスター、今年も撮りました

今年の高知県のテーマは「食」!ポスターも高知県の「食」とそこにまつわる人々が主役です。

撮影地と食品名は上から順に、

● 土佐町 土佐あか牛ローストビーフ

● 黒潮町 カツオのたたき

● 北川村 田舎ずし

● 土佐市 ウツボのたたき

です。撮影にあたっては、各地域の方々にご出演いただき、料理も用意していただき、大変お世話になりました。この場をお借りして改めて感謝をお伝えしたいと思います。

 

土佐町の方々にポスター届けました

本当は全部の地域の方々に届けたかったのですがそういうわけにもいかず、土佐町で撮影に出演いただいた方々には石川がポスターを手渡して回りました。写真を撮り忘れてしまった方もいて全員ではないのですが、記念にポスターを手にパチリ。

 

 

真ん中に写っている川井高広さん。土佐町の牛生産者さんです。

相川の澤田みどりさん。花のハウスにて。

石原の窪内久代さん。ポスターの右下に写っています。

さめうら荘料理長・溝渕龍也さん。

農協の竹政さん。左下に写っている方。

 

土佐町のポスターはさめうら荘の協力で

ポスターの後列上段にさめうら荘料理長の溝渕龍也さんが写っています。写真のローストビーフは溝渕料理長の手によるもの。この撮影が実現したのも、さめうら荘のありがたいご協力があったからこそでした。

難しい条件のもと、プロの技を見せていただいた溝渕シェフにも改めて感謝を伝えたいと思います。

 

今年の高知県のテーマは「食」

このポスターの「人熱々料理」が伝えようとしているもの。それは高知の「食」の美味しさや新鮮さはもちろんのこと、そこに携わる人々の熱々と言っていいほどの愛情です。ですからここに写っていただいたのは、生産者さんから料理人、販売する人まで、その「食」が「食べる人」の手に渡る全ての過程で関わる方々を網羅しようという試みでした。

そんな熱々の愛情をかけて届く各地の料理、「食べに行ってみたい!」と少しでも思っていただけたら心よりうれしく思います。

 

プロデュース:吉富慎作(土佐山アカデミー) デザイン:森澤良典(Full Design) 写真:石川拓也(合同会社 風)

 

 

高知の新休日2021

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私の一冊

川村房子

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 「居酒屋ぼったくり」 秋川滝美 星雲社

最近、それを目当てに探しているわけではないのに、料理を含めて行きかう人情…、そんな本に巡り合います。

両親が亡くなって、妹の薫と店を継いだ美音。「ぼったくり」という店名は父親がつけた。「誰にでも買えるような酒や、どこの家庭でも出てくるような料理で金を取るうちの店は、もうそれだけでぼったくりだ」という。そんな自嘲めいた台詞の裏には、いつだって父の料理人としての吟じが隠されていた。

そこに通ってくる常連さんは、丁寧に心をこめて作ってくれている家庭料理の数々だと知っている。そして全国のうまい酒。口に含んだとたん笑みがこぼれる。

店を営む姉妹と客たちの話題は、酒や料理や誰かの困りごと。悩みを抱えて暖簾をくぐった人は美味しいものと、人情に癒されて知らず知らずのうちに肩の力を抜く。居酒屋「ぼったくり」はそんな店である、と文中に書かれている。

心のあたたまる一冊です。

 

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4001プロジェクト

濵口幸弘 (古味)

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さめうらを記すに登場していただいた濵口幸弘さん。

早明浦ダム建設当時には現在よりも下方にお家があり、現在のご自宅はその当時移ってきた場所に建っています。

幸弘さんの仕事場は「山」。

先日の記事にもあったように、その名刺には「100年の森林(もり)作りをめざす山師」と書かれています。

山のお仕事をする方々が多いのも土佐町のような町の特徴で、僕も土佐町に来て初めてお会いするような方々でした。

皆さん驚くほどなんでもできる人たちなんですよね。森林のこと、狩猟、畑、機材のメンテナンスや修理など、「そんなこと自分でできるんですか?」と思わされたことしばしばです。写真を撮影したこの日も、幸弘さんは車のタイヤ交換をされていました。

写真の奥には積まれた薪。さらに奥の作業場の中には狩猟用の罠や、林業関連の機材やらがたくさん。

その生き方・暮らし方には学ぶべきことが凝縮されているという確信があるのですが、日々の仕事に流されて実施に学ぶところまでなかなか来れていないというのが僕の実情です。

 

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私の一冊

西野内小代

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「里山のシイナのほぼ片づけ日記」 里山のシイナ PHP研究所

数十件の物件の中から長野県飯田市にあるこの古民家に出会い、自分たちの居場所として片づけ始めた記録(YouTube)の総括です。

宅地→約300坪、建物→4棟、農地→約3,100坪

「タダでいいので、この荒れ果てた状態で引き取ってもらえないか?」という売主さんの提案のもと、この物件を手に入れたそうです。

それからほぼ1年半片付けの日々。その日常の様子をYouTubeに投稿して主な収入源としている30代のご夫婦が出版された本です。

奥さんは元庭師、建築関係の資格も有する。建築関係の仕事やホームページの作成等の依頼をサイドビジネスとして副収入を得る。ご主人はとにかく機械いじりが得意、なんでも修理してしまうし、分解なんて御手の物。工務店での仕事の経験もあり、ご実家が木工店だったらしく、木工家具屋として独立していくことを目標としてこの古民家を購入。

自分探しをしてきたご主人と、パイオニア精神旺盛のパワフル奥さんという印象のこの30代のご夫婦の前向きで根拠ある姿に共感を抱き、チャンネル登録をして応援している。そして本まで買った次第です。

 

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メディアとお手紙

おたよりの紹介

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「とさちょうものがたり」が始まってから、お手紙やはがき、メールなど、編集部へたくさんのお便りをいただいています。今まで届いたお便りはすべて大切に読ませていただいています。なかには文通のようにはがきでのやりとりが続いている方も。心を寄せてくださっている方がいるということは、私たち編集部にとって大きな励みとなっています。

 

3月のある日、編集部に一通の手紙が届きました。高知市のHさんという方からでした。

Hさんは「とさちょうものがたり ZINE09」を手にした感想を綴ってくださっていました。09号は、とさちょうものがたり編集部の鳥山が、土佐町の5組の方たちの生き方を描いたエッセイ集。その中に、16歳で志願して海兵になり、従軍した筒井政利さんのお話があります。Hさんは、ご自身のお父さまと筒井さんの姿を重ね「もっと父から話を聞いておけばよかった」と感じたそうです。

 

【高知市 Hさんより】

とさちょうものがたり編集部のみなさま

先日、大学生の二男と初めて土佐町に行きました。 以前は幡多に住んでいましたので、土佐町はほんと縁のない地域でした。

先日の高知新聞で三樽権現の滝を見て、 春休みに帰省してごろごろしていた息子を誘って行ってみることにしました。

水の綺麗さに感動して心が 洗われたような気持ちになり、来て良かったと心底思ったことです。

数日後、 とさちょうものがたりという冊子を目にして、 あっ土佐町だと思い手に取ってみました。

まず、 編集長の石川さんのはじめのことばに魅かれ、素晴らしい取り組みだと思い読み進 めることができました。

「地図の記憶」 筒井政利さんの記事を読ませて頂いている時、自然と涙が流れてきました。父に聞けなかったことを筒井さんが話して下さっているように思えたのでしょう。

読みながら、つらい経験を語り伝えて来てくださった筒井さんに感謝の気持ちでいっぱいになりました。それと同時に筒井さんにどうかこれからもお元気でいてくださいとお伝えしたい気持ちになりました。お伝え頂けたら嬉しく思います。

私の父は、生きていたら96歳になります。 53歳の時闘病の末亡くなってしまいました。私はその時17歳でした。

父が10代で志願して戦争に行ったことは聞かされていました。その時は、どうして自分 から志願したのだろう、まだ戦争に行かなくてもいい年なのにと思ったことでした。けれど 父と深くそんな話をすることもありませんでした。

父が亡くなってから、いっぱい話を聞いておけばよかったと思うことがたびたびありました。ですから、今回筒井さんの記事を読ませていただきその思いが通じた気がしたのです。

父も海軍に所属していて、まさに筒井さんと同じ戦争体験をしてきたのだと思います。筒井さんのお言葉の一つひとつが胸にささります。 聞かせて頂きほんとうにありがとうございます。

今の世界情勢に筒井さんも胸を痛められている事と思います。 一日でも早くウクライナ に平和が戻ってくることを祈ります。世界中に戦争がなくなることを願ってやみません。

編集者の石川さん鳥山さん素晴らしい取り組みをありがとうございました。

これからもどうぞ多くの人たちに言葉のたねを。

 

編集部は、Hさんから届いたお手紙を筒井さんの元へもお届けしました。筒井さんは目を細め、本当に喜んでくださいました。

一冊の本を通して、筒井さんの歩んできた人生とHさんの人生が重なる不思議を感じます。

人間には、その人生を歩んできた人だけが語れる「言葉のたね」が詰まっています。筒井さんが語ってくれた「たね」が、Hさんの元へ届き、Hさんの懐でちいさな芽を出した。人間のことばは、人間に届く。このお手紙は、そのことをあらためて実感させてくれました。

 

Hさんのお手紙にあった、「今の世界情勢に筒井さんも胸を痛められている事と思います。 一日でも早くウクライナに平和が戻ってくることを祈ります。世界中に戦争がなくなることを願ってやみません。」。

きっと世界中の多くの人たちが同じ思いを共有していると思います。少しでも早く誰もが安心して暮らせる世界を取り戻せますように。

そして、もう二度と、Hさんのお父さまや筒井さんが経験した戦争を繰り返してはならない。そう強く感じています。

 

Hさん、お手紙をありがとうございました。とさちょうものがたり編集部は、Hさんからの「言葉のたね」をしっかり受け取りました。

 

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私の一冊

西野内小代

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「伝わるちから」 松浦弥太郎 小学館

日常のさりげない行動・言動・振る舞い等についての心構えを、平易な言葉だけれども真正面から凛として説いてくれる。
日々を充実して晴れやかに暮らす極意を教わる、しかも柔らかく諭してくれる。
柔らかい印象を受けるのは、むやみに漢字を使っていないからだと気が付いた。

心に留めておきたい言葉に出会った。
「今日もていねいに」

 

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