土佐町小学校2年生の生活科の授業には「町たんけん」という単元があります。町内のスーパーや施設、商店などを訪れ、働く人の様子を見たり話を聞く活動です。事前に行きたい場所を話し合い、訪れる場所を決め、子どもたちは探検に出かけます。
2024年1月29日に行われた「町たんけん」。
子どもたちの中には、白髪神社に行ってみたいというグループがありました。担任の蔭田晴敬先生は「白髪神社の境内を散策し、由緒を聞きたい」と白髪神社宮司の宮元序定さんに相談すると、宮元さんはもちろん!と快諾。白髪神社は探検先の一つになりました。
宮司の宮元さんから、もしよかったら取材に来ませんかと編集部にご連絡をいただきました。常々「子どもは地域の宝です」と話していた宮元さん。学校や保護者の方の許可をいただき、取材させていただきました。
土佐町小学校2年生、白髪神社にやってきた
白髪神社と土佐町小学校は宮古野地区にあります。
左 大きな杉の木の元に白髪神社はある。右 四角の長い建物が土佐町小学校
近くには保育園もあり、子どもたちが保育園児の時には白髪神社周辺を散歩し、マラソン大会では神社の前の道を走ったり。子どもたちにとって白髪神社は、いつもそばにある馴染み深い場所です。
まずは本殿へ
先生と一緒に7人の子どもたちがやってきました。
挨拶をして、本殿の中へ。
脱いだ靴の先は、本殿へ向けて置きます。
本殿の中に入りキョロキョロしながら、どこか緊張した面持ちの子どもたち。宮元さんが太鼓をたたくと背筋がしゃんと伸びます。
白髪神社の由来
まずは白髪神社の神様にご挨拶。宮元さんは白髪神社の由来を話してくれました。
「ここは白髪(しらがみ)神社といいます。「おしらがさん」とか「しらが」という人もいます。昔は白髪大明神と呼ばれていました。
滋賀県琵琶湖の北に滋賀県で一番古い神社、白鬚(しらひげ)神社があります。湖の中に赤い鳥居がある神社で、白髪神社の神様はこの白髭神社からきています。
昔、滋賀県に森近江守(もりおおみのかみ)という人がいました。その人は白髭神社から預かった宝物を持って、本山町汗見川の奥、冬の瀬という所にやってきました。そして冬の瀬の一本杉の元に、宝物をしずめました。
しばらくすると、宝物をしずめた所に白髪大明神のご神像が舞い降り、森近江守に「長磯村(現在の土佐町森地区)を開墾しなさい」と告げました。森近江守は長磯村を開墾し、森村を作りました。森村はここ宮古野地区から地蔵寺地区までをいいます。
そして、奥宮と呼ばれていた冬の瀬からこの場所を本宮と定め、白髪神社が建てられました」
「おしらがさんができてから、今年で1076年目です」
「え!1076歳っていうことか!すごーい!」と子どもたち。
「白髪神社の神様は天狗さんです。約7mくらいあって、鼻は1m。目は赤くて悪い神様を寄せ付けない、すごい力がありますよ」と宮元さん。
「でかっ!」
思ったことをすぐ言葉にできる子どもたちがとても素晴らしい。微笑ましいです。
(後編に続く)