「深夜食堂」 安倍夜郎 小学館
土佐町立図書館の2階にコミックコーナーがある。 そこで出会ったこの「深夜食堂」。今、絶賛ハマっている。
下調べなしにふらっと入ったお店が当たりだった感覚に似ている出会い方だった。 映画やドラマにもなって海外にも人気がある作品だそうだが、私は知らなかった。
にぎやかな繁華街の路地裏にあって、深夜0時から朝7時までの営業。 メニューは豚汁定食にビール、酒、焼酎だけ。(ちなみにビールは1人3本まで。) あとはマスターがお客の食べたいものをつくってくれる。 お客の頼むメニューは意外と素朴。
だけど裏には濃厚な人生のドラマがある。それを温かく見守る店主と常連がひとつのコの字カウンターを囲み、頼んだメニューに舌鼓を打ちながら、その『時間(とき)』を味わう。 傷ついた鳥がそっと羽を休めるとまり木のような存在の店。 こんなお店に出逢えたら、すごくその人生はラッキーなように思う。
緊急事態宣言発令下、一番気になるのはこの店に通う常連たちの行き場だ。 こんな時だからこそ、息つける「場」が必要なのにね。