土佐町土居地区旧メイン通りの脇を現在も用水路(通称「かまち」)が流れています。
ボンネットバスが大きな顔をしてメイン通りを駆け抜けていた頃、「かまち」の両岸は石垣で築造され、手入れの行き届いたとても風情のある景観でした。
ホタルの飛び交うポイントもあり、6月頃には近所の子供たち数人でよくホタル狩りに出かけたものでした。
夕刻、懐中電灯・思い思いのホタル狩りグッズを携え、高学年のお兄さん・お姉さんの後を意気揚々と出発です。
そして「今日こそはかまちに足をとられないぞ!」と念じます。
低学年の私にとってはホタルをゲットするよりも困難な誓いです。
案の定、毎回膝から下はビショビショで帰宅。
姉の虫かごで黄緑色の幻想的な光を放っているたくさんのホタルを横目に、祖母に促されお風呂場に直行です。
日没後の妖しい気配に少しワクワク気味だったテンションは、こうして現実へと引き戻され、蚊帳の中へ、夢の中へ、記憶の中へ・・・。
私の思い出の引き出しに大切にしまわれています。