土佐町役場・産業振興課の一番の若手、式地涼くん。もうすぐ20歳。
土佐町生まれ土佐町育ち、土佐町にいて町のために働きながら、休暇にはアメリカに行ったり外にもアンテナを立てようとしているところが頼もしくもあります。
あと10年、20年もするとこの世代が引っ張る時代になるのでしょう。
著者名
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土佐町の現在の人口です。(2017年6月末時点・土佐町公式サイトによる)
注:土佐町の総人口が3,997人(2017年4月末時点)から4,001人(6月末時点)に増加したことに伴い、当プロジェクト名も「4,001プロジェクト」に変更になりました。
“4,001プロジェクト”は土佐町に住む人々を、全員もれなく、写真家の石川拓也が撮影する計画。
念のため書いておくと、「全員もれなく」…あくまで目標です。
土佐町の人口の増減によって、タイトルもたまに変わります。 (敬称略・撮れたときに不定期更新)
「WOMEN 」 Saul Leiter スペースシャワーネットワーク
ソール・ライター(1923-2013)はアメリカ・ニューヨークの写真家です。2006年シュタイデル社から出版した写真集「Early Color」によって、83歳にして「衝撃の世界デビュー」を飾ったと言われています。
ちょっと本から話が逸れますが、ドキュメンタリー映画「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」も日本で公開された際に大きな話題になりました。この映画は、個人的に懇意にしていただいている翻訳家・柴田元幸さんが字幕を担当されていて、何年か前に東京の六郷でコーヒーをご一緒した時に、柴田さんが「今こんな仕事をしているんだ」と教えてくれた思い出があります。
この本はそのソール・ライターが親しかった女性たちをモノクロで撮影したもの。決定的瞬間でもなく派手な演出もない写真ですが、日常の愛おしさが溢れている写真集です。
写真は、しばしば重要な出来事を取り上げるものだと思われているが、実際には、終わることのない世界の中にある小さな断片と思い出を創り出すものだ ーソール・ライター
「稼ぐまちが地方を変える」 木下斉 NHK出版新書
机上論ではなく経験者の行動の下に書かれた、とても説得力のある良書です。
「地域おこし」「地方創生」「地域再生」などなどのワードで昨今語られることの多い地方振興系の活動。あんまりこういったワードで括るのは好きではないんですが、日本全国で頑張っている人たちは多くいますよね。
書かれていることの多くが、目からウロコが落ちたり、自分の考え方と一緒だったり。箇条書きで少し紹介してみます。
不動産オーナーたちが連携を組んで地域を良くする
地域再生や振興は、日本ではなぜか地域の役場や役所が担うべきものと認識されていますが、欧米では不動産オーナーがチームになって取り組むこととされています。地域全体が良くなっていくことで、オーナーたちが所有する物件の価値が上がる訳で、とても合理的な形だと思いました。
本気の人間が2、3人集まれば物事は変わっていく
逆を言えば、口だけ調子の良いことを言う人間が100人集まっても、会議や宴会の繰り返しで終わってしまうということ。リスクを取り汗をかく人間が、3人でもいればそれでスタートはできる。
小さく始めて大きく育てる
机上で壮大な事業を考えていても現実は何も進まないので、まず自分が(もしくは少人数の仲間が)できることを一歩ずつやっていく。小さくて正解、という考え方。
評論家になってはいけない
著者は職業柄いろんな地方で講演を依頼されることも多いそうですが、いわゆる「良い話を聞きたい」という依頼は断っているそうです。地方の方々が本気で動こうとしているときに、一緒に汗をかいてやっていきましょうと手を取り合うための講演だけを受けているそうです。共感。
以上、これ以上ないくらい粗い抜粋、そして記憶力の低下から言葉遣いは正確でないかもしれませんが、「地域おこし」という場の、ある意味最前線にいる身としては、多くを気付かされると同時に勇気ももらえるような一冊でした。
「日本一「ふざけた」会社のギリギリセーフな仕事術」 シモダテツヤ 中公新書
「この本を書くために平仮名とカタカナを覚えました。」
そんな書き方で始まる、日本一ふざけた会社バーグハンバーグバーグの社長・シモダテツヤ氏の仕事論。
最初から最後まで一貫したふざけかた。このセンスは個人的には大好きです。
自分の仕事にもふざけかたが足りないなぁと思わせてくれる本書ですが、「ギリギリセーフな仕事術」というタイトル通り、ふざけるのって意外と微妙なさじ加減が重要で、今のご時世一歩踏み外すととんでもない問題や炎上につながるものでもあるわけで、誰にでもできることではないよなぁとも思います。
でもどこからも文句が出ないような無難なやり方もおもしろくないし、かと言って誰かを怒らせたいわけでもないし。そんな境界線上を行ったり来たりしながら仕事している方は、職種に関わらず多くいるのではないでしょうか。
もちろん著者もそのうちの一人で、実践している悩める同士といった肩ひじ張らない語り口が楽しい一冊です。
うっかりすごい時間が経ってしまってお恥ずかしい限りなんですが、
昨年の冬の入り口頃の話です。
パレットサインってなに?という方には、まず以下の記事を‥
というわけで、改めて廃棄寸前のパレットをたくさんもらって来ました。ちょっと欲張りすぎたか。。。
そしてシルクスクリーンの版を使用して、一枚一枚作ります。
今回作ったのは、
どんぐり、とさちょうものがたり、土佐町、そして土佐山アカデミーの4種類。
実際にやってみると、パレットに印刷するというのは布に印刷するよりも難しい。
シルクスクリーンは、「平面ならなんでも印刷できる(水の表面以外は)」というぐらい、インクを変えれば何にでも印刷できるようなシロモノなんですが、パレットがこう見えてきれいな平面ではなかったりします。ビミョーな段差がありますからね。
それでも多少のカスレや乱れは味のうち、とジャンジャン強行していきます。なんせパレット全てが廃棄前のリサイクル品なので、ここでサルベージしないことには燃やされる一歩手前なのです。粗くても使うベシ。
版をこうして固定して作ります
どんぐりの看板ができました
今回作ったパレットサイン、土佐町の置けるところ、置かせてもらえるところに少しずつ出していきます。いつか目に留まったら、「ああ、あれか」と思い出してくださいね!
「今日から俺は!!」 西森博之 小学館
あんまり説明することもないのですが、ぼくが中高生あたりで連載されていたヤンキー漫画「今日から俺は!!」。
最近ドラマになっていて「今頃!?」と思っていたのですが、チラッと見てみたらドラマも面白かった。マンガと同じところで笑いました。
これは田井のローソンで見つけて懐かしくなってつい買ったもの。
短ラン、長ラン、ボンタン、金髪‥‥通りで目が合えば「メンチ切った」と殴り合いとか、考えてみればとても不思議なこのカルチャーは現在の中高生には理解できるのでしょうか?
そういえば「今日から俺は!!」以外にも、「ビー・バップ・ハイスクール」「ろくでなしBLUES」「クローズ」「湘南純愛組!」などなど、80年代〜90年代はヤンキー漫画が豊作の時代でした。
完全に前田太尊気取りの同級生もいた記憶があります。彼にとっては黒歴史かも……笑
『「ありえない」をブームにする つながりの仕事術』 佐谷恭 著 有限会社ソーシャルキャピタル
どのレールを選ぼうか、と進路に悩んでいる若者にもぜひ読んでほしい一冊。「選びたいレールがないんだったら自分でレールを敷いてしまえ」というような著者の生き方は目からウロコが落ちるかもしれない。
著者の佐谷恭は、世界初のパクチー料理専門店「パクチーハウス東京」を作り、現在の日本のパクチーブームを巻き起こした張本人です。
「パクチーハウス東京」…この店名にピンと来た方は…そうです、土佐町の集落・黒丸で2017年夏に開催された「1日だけのパクチーフェス in 黒丸」をとさちょうものがたりと共同開催して、黒丸をパクチーまみれにしてくれたあのパクチーハウスです。
その佐谷さん、2018年3月に予約が殺到する人気店の状態のまま、パクチーハウス東京を閉店しました。その後に出した本書によると、パクチー料理専門店を開くと言った時も「狂っている」と言われ、人気店のまま閉じると決めた時も「狂っている」と言われたそうです。ウケる…笑
でもこれはもう仕方ない。佐谷恭という人の中で確固とある「仕事をする目的」が、一般社会から見るとおそらく理解不能なんだろうから。ただ自身の感覚に忠実で純粋なだけなんですけどね。
自身の感覚を貫いて、いわゆる「世間」を見事に押し切っちゃってる人はぼくの友人に何人かいますが、佐谷恭もそのうちの一人です。
その佐谷恭がパクチーハウス東京閉店後に書いた「仕事論」。評論家の机上の話ではなく、実際に行動し、今も行動し続ける人の言葉には体を張った説得力が備わっているものだと改めて感じます。
こちらは「1日だけのパクチーフェス in 黒丸」の模様です。
以前からお知らせしていたように、現在土佐町では「土佐町が目指すべき幸福」の形を顕にすべく、その第一歩目とも言える住民幸福度アンケートの内容を作成中です。
土佐町役場の各課にも意見を求め、よりバランスの取れた、少しでも本質的な部分に迫れるようなアンケート内容にするための作業が進行中です。
土佐町独自のアンケートが仕上がり、実施を行うタイミングも徐々に近づいて来ています。アンケートというのはたいがい面倒くさいものだということを重々承知のうえで、土佐町の今後10年を作っていく上で大事なステップ、実施の際にはみなさまのご協力をぜひお願いいたします。
この欄では、これまでブータンのGNHを中心に紹介してきましたが、今回はそういった話からさらに一段、階段を下に降りたいと思います。
つまり、
この二つはほぼ同じ意味ですね。
当たり前のことですが、土佐町役場は他の自治体と同じく、様々な仕事を行なっています。
自治体として基本的に必要なことから、時代に合わせた新規事業まで、それはもう本当にいろんな種類の業務があるわけです。
根本的なことを敢えて言えば、そういった事業のそれぞれを、人手もかけて税金もかけてやる目的というのはなんでしょう?
表面的な目的のことを言っているのではありません。根本的なところまで降りていって考えれば、おそらく目的はひとつだけ。どんな種類の事業であっても、目的はたったのひとつなのです。
それは
町の住民の幸せのため
ということ。
言葉を変えれば、「より住民が幸せに住める町にすること」が税金を運用している役場の唯一の目的であるとも言えるでしょう。
以下は幸福度による国づくりを進めるブータンに伝わる法典の言葉です。
もし政府が人々の幸福を創造できないとしたら、政府が存在する目的はない
If the government cannot create happiness for its people, then there is no purpose for government to exist.” – Legal code of Bhutan (1729)
政府(役場)は全住民の幸せのためにある。このことに異論のある人は、そうそういないでしょう。(いたらぜひご一報を!)
ただ、ここで問題になるのは「では全住民の幸せってなんなのサ?」という疑問。
そう、住民幸福度アンケートというのは、その疑問の解答を得るための手段なのです。「土佐町にとって、幸せとはこういうことだ」という土台をみんなで確認しましょう、そういう目的のもとやっていることなのです。意外性のないオチで、どうもすいません。
そうやって得た解答。「土佐町はこういうことを幸せだと思う」という解答を、今度は全ての事業や施策や行動に当てはめて考えてみる。
もしかしたら、やることが習慣化して目的を見失っているものがあるかもしれない。もしかしたら、やること自体が目的と化しているものもあるかもしれない。「住民をより幸せにする」という目的から外れて、お金(経済)の問題に終始しているものもあるかもしれない。
いったん表面的な部分から階段を降りて、より根本的な価値観を当てはめてみる。そのためのアンケート調査です。
土佐町に昔から伝わる民謡「土佐柴刈り唄」。相川の池添博喜さんは、この歌の伝承者です。農作業もひと段落した11月、池添さんにお願いして相川の棚田の風景の前で「土佐柴刈り唄」を実際に歌っていただきました。
その動画はまた改めて公開したいと思いますが、この写真もその時に撮影させていただいたものです。
朗々と歌い終わった池添さんの晴れ晴れとしたお顔が印象的でした。
余談になりますが、この時はお祭り用の赤いハッピで歌っていただいたのですが、地元相川に伝わる「土佐柴刈り唄」のために作られたという黒いハッピを探し中です。なにかご存知の方がいたらぜひご連絡ください!!