石川拓也

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

石川拓也

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「日本一「ふざけた」会社のギリギリセーフな仕事術」 シモダテツヤ 中公新書

 

「この本を書くために平仮名とカタカナを覚えました。」

そんな書き方で始まる、日本一ふざけた会社バーグハンバーグバーグの社長・シモダテツヤ氏の仕事論。

最初から最後まで一貫したふざけかた。このセンスは個人的には大好きです。

自分の仕事にもふざけかたが足りないなぁと思わせてくれる本書ですが、「ギリギリセーフな仕事術」というタイトル通り、ふざけるのって意外と微妙なさじ加減が重要で、今のご時世一歩踏み外すととんでもない問題や炎上につながるものでもあるわけで、誰にでもできることではないよなぁとも思います。

でもどこからも文句が出ないような無難なやり方もおもしろくないし、かと言って誰かを怒らせたいわけでもないし。そんな境界線上を行ったり来たりしながら仕事している方は、職種に関わらず多くいるのではないでしょうか。

もちろん著者もそのうちの一人で、実践している悩める同士といった肩ひじ張らない語り口が楽しい一冊です。

 

 

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とさちょうものづくり

パレットサインいろいろ作りました!

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うっかりすごい時間が経ってしまってお恥ずかしい限りなんですが、

パレットサインをたくさん作りました!

昨年の冬の入り口頃の話です。

パレットサインってなに?という方には、まず以下の記事を‥

パレットサインを作ろう! その2

 

というわけで、改めて廃棄寸前のパレットをたくさんもらって来ました。ちょっと欲張りすぎたか。。。

そしてシルクスクリーンの版を使用して、一枚一枚作ります。

今回作ったのは、

どんぐりとさちょうものがたり土佐町、そして土佐山アカデミーの4種類。

実際にやってみると、パレットに印刷するというのは布に印刷するよりも難しい。

シルクスクリーンは、「平面ならなんでも印刷できる(水の表面以外は)」というぐらい、インクを変えれば何にでも印刷できるようなシロモノなんですが、パレットがこう見えてきれいな平面ではなかったりします。ビミョーな段差がありますからね。

それでも多少のカスレや乱れは味のうち、とジャンジャン強行していきます。なんせパレット全てが廃棄前のリサイクル品なので、ここでサルベージしないことには燃やされる一歩手前なのです。粗くても使うベシ。

版をこうして固定して作ります

どんぐりの看板ができました

 

 

今回作ったパレットサイン、土佐町の置けるところ、置かせてもらえるところに少しずつ出していきます。いつか目に留まったら、「ああ、あれか」と思い出してくださいね!

 

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私の一冊

石川拓也

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「今日から俺は!!」 西森博之  小学館

あんまり説明することもないのですが、ぼくが中高生あたりで連載されていたヤンキー漫画「今日から俺は!!」。

最近ドラマになっていて「今頃!?」と思っていたのですが、チラッと見てみたらドラマも面白かった。マンガと同じところで笑いました。

これは田井のローソンで見つけて懐かしくなってつい買ったもの。

短ラン、長ラン、ボンタン、金髪‥‥通りで目が合えば「メンチ切った」と殴り合いとか、考えてみればとても不思議なこのカルチャーは現在の中高生には理解できるのでしょうか?

そういえば「今日から俺は!!」以外にも、「ビー・バップ・ハイスクール」「ろくでなしBLUES」「クローズ」「湘南純愛組!」などなど、80年代〜90年代はヤンキー漫画が豊作の時代でした。

完全に前田太尊気取りの同級生もいた記憶があります。彼にとっては黒歴史かも……笑

 

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私の一冊

石川拓也

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『「ありえない」をブームにする つながりの仕事術』 佐谷恭 著 有限会社ソーシャルキャピタル

どのレールを選ぼうか、と進路に悩んでいる若者にもぜひ読んでほしい一冊。「選びたいレールがないんだったら自分でレールを敷いてしまえ」というような著者の生き方は目からウロコが落ちるかもしれない。

著者の佐谷恭は、世界初のパクチー料理専門店「パクチーハウス東京」を作り、現在の日本のパクチーブームを巻き起こした張本人です。

「パクチーハウス東京」…この店名にピンと来た方は…そうです、土佐町の集落・黒丸で2017年夏に開催された「1日だけのパクチーフェス in 黒丸」をとさちょうものがたりと共同開催して、黒丸をパクチーまみれにしてくれたあのパクチーハウスです。

その佐谷さん、2018年3月に予約が殺到する人気店の状態のまま、パクチーハウス東京を閉店しました。その後に出した本書によると、パクチー料理専門店を開くと言った時も「狂っている」と言われ、人気店のまま閉じると決めた時も「狂っている」と言われたそうです。ウケる…笑

でもこれはもう仕方ない。佐谷恭という人の中で確固とある「仕事をする目的」が、一般社会から見るとおそらく理解不能なんだろうから。ただ自身の感覚に忠実で純粋なだけなんですけどね。

自身の感覚を貫いて、いわゆる「世間」を見事に押し切っちゃってる人はぼくの友人に何人かいますが、佐谷恭もそのうちの一人です。

その佐谷恭がパクチーハウス東京閉店後に書いた「仕事論」。評論家の机上の話ではなく、実際に行動し、今も行動し続ける人の言葉には体を張った説得力が備わっているものだと改めて感じます。

 

こちらは「1日だけのパクチーフェス in 黒丸」の模様です。

パクチーハウスがやってきた!

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土佐町のものさし

④ そもそもなんのため?

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この連載「土佐町のものさし」は、現在進行形の旅の記録。
時代とともに変化していく世界の価値観(=ものさし)の大きな流れの中で、土佐町の人々が、土佐町のためにこれから作っていく「土佐町のものさし」を探し求めて歩く旅の記録です。

 

以前からお知らせしていたように、現在土佐町では「土佐町が目指すべき幸福」の形を顕にすべく、その第一歩目とも言える住民幸福度アンケートの内容を作成中です。

土佐町役場の各課にも意見を求め、よりバランスの取れた、少しでも本質的な部分に迫れるようなアンケート内容にするための作業が進行中です。

土佐町独自のアンケートが仕上がり、実施を行うタイミングも徐々に近づいて来ています。アンケートというのはたいがい面倒くさいものだということを重々承知のうえで、土佐町の今後10年を作っていく上で大事なステップ、実施の際にはみなさまのご協力をぜひお願いいたします。

 

この欄では、これまでブータンのGNHを中心に紹介してきましたが、今回はそういった話からさらに一段、階段を下に降りたいと思います。

つまり、

そもそもなんのためにGNHをやるのか?

そもそもなんのために幸福度調査アンケートをやるのか?

この二つはほぼ同じ意味ですね。

 

当たり前のことですが、土佐町役場は他の自治体と同じく、様々な仕事を行なっています。

自治体として基本的に必要なことから、時代に合わせた新規事業まで、それはもう本当にいろんな種類の業務があるわけです。

根本的なことを敢えて言えば、そういった事業のそれぞれを、人手もかけて税金もかけてやる目的というのはなんでしょう?

表面的な目的のことを言っているのではありません。根本的なところまで降りていって考えれば、おそらく目的はひとつだけ。どんな種類の事業であっても、目的はたったのひとつなのです。

それは

町の住民の幸せのため

ということ。

言葉を変えれば、「より住民が幸せに住める町にすること」が税金を運用している役場の唯一の目的であるとも言えるでしょう。

以下は幸福度による国づくりを進めるブータンに伝わる法典の言葉です。

もし政府が人々の幸福を創造できないとしたら、政府が存在する目的はない

If the government cannot create happiness for its people, then there is no purpose for government to exist.” – Legal code of Bhutan (1729)

 

政府(役場)は全住民の幸せのためにある。このことに異論のある人は、そうそういないでしょう。(いたらぜひご一報を!)

ただ、ここで問題になるのは「では全住民の幸せってなんなのサ?」という疑問。

そう、住民幸福度アンケートというのは、その疑問の解答を得るための手段なのです。「土佐町にとって、幸せとはこういうことだ」という土台をみんなで確認しましょう、そういう目的のもとやっていることなのです。意外性のないオチで、どうもすいません。

 

 

そうやって得た解答。「土佐町はこういうことを幸せだと思う」という解答を、今度は全ての事業や施策や行動に当てはめて考えてみる。

もしかしたら、やることが習慣化して目的を見失っているものがあるかもしれない。もしかしたら、やること自体が目的と化しているものもあるかもしれない。「住民をより幸せにする」という目的から外れて、お金(経済)の問題に終始しているものもあるかもしれない。

いったん表面的な部分から階段を降りて、より根本的な価値観を当てはめてみる。そのためのアンケート調査です。

 

 

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4001プロジェクト

池添博喜 (相川)

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土佐町に昔から伝わる民謡「土佐柴刈り唄」。相川の池添博喜さんは、この歌の伝承者です。農作業もひと段落した11月、池添さんにお願いして相川の棚田の風景の前で「土佐柴刈り唄」を実際に歌っていただきました。

その動画はまた改めて公開したいと思いますが、この写真もその時に撮影させていただいたものです。

朗々と歌い終わった池添さんの晴れ晴れとしたお顔が印象的でした。

余談になりますが、この時はお祭り用の赤いハッピで歌っていただいたのですが、地元相川に伝わる「土佐柴刈り唄」のために作られたという黒いハッピを探し中です。なにかご存知の方がいたらぜひご連絡ください!!

情報求ム!!!

 

 

 

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土佐町ポストカードプロジェクト

2018 Dec.

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大渕


 

冬の夜。ダムのほとりから見た大渕の写真です。空気はキンキンに冷えて体の芯から凍りつきそうな夜でしたが、その分この季節の夜空は澄みきって星空が本当に近く感じます。

星座には全く詳しくないものの、時間とともに回転していく星空を見ていると、自分とこの世界が大きな輪の中に生きていることを実感します。

文字通り、誰もが回転する循環の中にいるんですよね。

 

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私の一冊

石川拓也

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「みんなでつくる総合計画」 チーム佐川著 学芸出版社

 

「まず地域がするべきことは、住民みんなで未来を描くことだ」

日本の地方自治体は10年に一度、「10ヶ年総合計画」を作成します。この総合計画に則って、続く10年を町や市が一丸となって前進していく…。と言葉で言うのは容易いですが、それはなかなかな理想論。

現実では多くの自治体で、ある意味「総合計画のための総合計画」になってしまっていることは否めないようです。つまり、多くの人に読まれ現実的な行動や施策に影響を与えていくというよりは、「作ることが目的」になってしまっているということですね。

そういった総合計画業界(そんな業界ないですが)の状況の中、佐川町が挑戦したのは「本気で住民に読まれる総合計画」。そしてその後に続く行動のひとつひとつが町を作っていくことだ、というスタンスですね。

この本は高知県の佐川町が2年間をかけて「総合計画作り」に取り組んだ過程と結果を読みやすくまとめた一冊。

みんなが本気で読んで考える総合計画にするには、みんなが参加して作る。もちろんそれが王道なのですが、この「みんなが参加」ってけっこう難しいんですよね。予定合わせて人を集めるのも難しい。全員が同様の本気度を保つのも難しい。

僕のような写真という一人メディアを職業にしている人間からすると、この「みんなで作る」という行為の大変さは本当によくわかります。佐川町のコアメンバーの方々は地味な汗をたくさんかかれたんでしょうと脱帽する思いです。

さて、土佐町。

土佐町の10ヶ年総合計画(土佐町では振興計画と呼ぶそうです)は2019年度に作成、2020年度より開始です。もうそのための布石である「住民幸福度アンケート」の作成が始まっています。

「自分の町は自分で作る」そう考えるみなさんの積極的な参加がカギを握るタイミングが近づいてきています。

 

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4001プロジェクト

宮元千郷 (宮古野)

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先月「土佐町ポストカードプロジェクト」で撮影させていただいた宮司の宮元千郷さんです。12月初旬の高峯神社の神祭の際に、神事を終え一旦下まで降りてきていた宮元さんにお願いして撮影させていただきました。

登山道のように険しく長い参道を一緒に登ってこの場所まで戻っていただきました。感謝です。

宮元さんは土佐町の宮古野にご在住。代々、この近辺の神社を司る宮司の家系の方です。以前、高峯神社の記事を作る際にも大変お世話になりました。

ぜひ、以下の記事も併せてお読みください。

 

2018 Nov.

土佐町の大神様 髙峯神社 前編

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私の一冊

石川拓也

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「美しい川」 高橋宣之 小学館

「水が透明であるという喜びを知っていますか」

尊敬すべき先輩写真家・高橋宣之さんの写真集です。

ご存知の方は特に高知には多いと思いますが、高橋さんは仁淀川を撮り続けている写真家。「仁淀ブルー」という言葉はこの人の仕事から生まれました。

この本も川の美しさを冷凍保存のように切り取った写真で構成されています。一枚一枚の写真の美しさもさることながら、「川を撮る」という場合の、視点のバリエーションの豊かさに驚かされます。

言ってみれば、あるときは虫の眼になり、あるときは魚の眼に、鳥の眼で撮られたものもあります。そう考えると、この本自体がひとつの生態系を成しているようにも感じます。

「川」とひと言で言った時に、これほど豊かな撮り方がひとりの写真家の内部で息づいている。そのこと自体が真似のできることじゃないよなぁ、とため息の出る思いです。

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