石川拓也

土佐町のものさし

【番外編】ブータン・GNHレポート No.4

 土佐町の新しい指針を作る過程を追う「土佐町のものさし」、今回は【番外編】として、GNHの産みの親であるブータンのGNHの現状を、とさちょうものがたり編集長である石川がレポートします。

 

4.  ブータンの食事

 

ブータン料理って、日本ではなかなか馴染みのないものですよね?

チベットとインドに色濃く影響を受けながら、ブータンも独特の食文化を育んできました。

今回は、ブータンの人々が普段食べている食事を紹介したいと思います。

 モモ

上の写真は「モモ」と呼ばれる「チベット餃子」です。

たいていのお店にはミート(豚)とチーズの2種類があり、ブータンの人にとってはファーストフード的に気軽に寄って食べていくスタイルです。

皮は厚めでもちもち、美味しいです。


上の写真はブータンの典型的な食事です。

ブータンでは大抵このようにご飯とおかずがドドドン!と置かれていて、脇に置かれた食器を各自が持って自分の皿に好きな量を取っていく形です。

ブータン料理はトウガラシが大量に使われるのが特徴です。僕自身は辛いのがあまり得意でないので、トウガラシの塊はできるだけ出会わないように気をつけていました。

がさつな人が盛り付けたがさつな皿。

ブータン料理のイメージを傷つけてしまってないか心配です‥。

先に書いたように、ブータン料理は各自が皿を持ち盛り付けていくスタイル。

どうあっても繊細な盛り付けができないこの皿の主は、ご想像の通りわたしです。。。ブータンの人々すみません。

左上に見えてるのは「ダル」というスープ。インド料理でもありますが、ブータンのダルはまろやかで美味しいです。

上はブータン西部にあるシュラブッチェ大学を訪れた際に食べさせていただいたランチ。

盛り付けはさっきのよりかは、こっちのほうがマシでしょうか。ここで食べたランチは非常においしいものでした。

 

 チュルカム(乾燥チーズ)

上の写真は「チュルカム」という乾燥したチーズ。乾燥してるだけあってかなり固いです。

移動の道中、田舎の峠にあった小さな商店で店先にたくさん吊るされて売られていました。

これはブータンの伝統的なおやつ。ブータンの人はみんなチュルカムを口の中でコロコロ転がしながら1、2時間楽しむようです。

 

店頭にチュルカムが干されている、の図。ちょっと干し柿みたいですね。
味はあんまりしないです笑

ブータンに滞在中は、ほんとに大量のお茶を毎日飲みました。

空気が乾燥していることもあり、そして高度に順応するための水分補給ということもあり、食事時には何杯ものお茶を飲み、食事時でなくてもチャンスがあれば何杯ものお茶を飲み。

おそらく2019年2月前半の「ブータンお茶摂取量(個人の部)」では相当イイ線行ってるはずです。誰か集計してくれないかな。

写真はふつうの紅茶ですが、ダントツで一番よく飲んだのはミルクティー。ブータンのミルクティーはミルク多めのコク強めです。インドのチャイに近い印象です。

 

食事をしている最中に周りをウロウロしていたブータンの猫

 

私の一冊

石川拓也

「FACTFULNESS」 ハンス・ロスリング著 日経BP社

これは誰にでもオススメの非常におもしろい本。久しぶりに貪るように読書しました。

著者のハンス・ロスリングはスウェーデンの医師であり公衆衛生学者です。

彼は世界の人々の「事実に対する根拠のない誤解」と戦うことに人生の多くの時間を費やしました。

ロスリング氏曰く、データを丁寧に見ていくことで、世界について事実ではないことが当たり前のように信じられている状況がわかる、とのこと。

そのためにロスリング氏はありとあらゆるところで世界についての質問を人々に投げかけていきます。例えば以下のようなもの。

◯質問 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%

◯質問 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%

答えはここでは書きませんが、ぜひ本書を開いてほしいと思います。ロスリング氏が投げかけるこういった質問に対する正解率は、回答者の学歴や職業に限らず、チンパンジーが回答するよりも低いのだ、と彼は言います。

つまり、世界について正しい知識を持っている人はとても少ない、ということ。

その傾向と原因、そして正しく世界を見る方法を、丁寧かつシンプルに詳述したのがこの本です。

月並みな言葉になりますが、目からウロコが落ちました。

今回の私のこの紹介で、どれほどこの本の魅力が伝わるか甚だ自信はないのですが、ぜひ読んでみてください、と言える一冊です。

 

土佐町ポストカードプロジェクト

2019 Mar.

土佐町小中学校

 

田井の自宅と、職場である土佐町役場の間に、土佐町小中学校がある。

この季節、車で通ると国道に面した一角に桜が花を咲かせ、春の到来を教えてくれる。

山間のこの町では、特に朝晩はまだまだ肌寒い日が続いているけれど、しつこい冬ももうすぐ終わるという実感にホッとする。寒いのツライですよね。

始業式までは春休みだから、朝から野球部がグラウンドで練習中。桜に近いところではまだまだ体の小さい子が球拾い。一年生かな?

4月になり後輩ができたら、今度は彼がグラウンドの中央に行くんだろう。後輩から先輩になる、そんな境目の一日。

 

 

土佐町のものさし

【番外編】ブータン・GNHレポート No.3

 土佐町の新しい指針を作る過程を追う「土佐町のものさし」、今回は【番外編】として、GNHの産みの親であるブータンのGNHの現状を、とさちょうものがたり編集長である石川がレポートします。

 

3.  インスティチュート・オブ・ウェルビーイング Institute of wellbeing

 

 良くあること学院

 

ウェルビーイング(wellbeing)という語は、日本語でぴったりな言葉を見つけるのがなかなか難しいのですが、「良くあること」「健康で安心な状態」を指します。

なので「福祉」や「幸福」と訳す場合もあるようです。

ここではあえて強引に「良くあること学院」とでも訳しましょうか。「いや、それムリ‥」というブータンからの声が聞こえてきそうです。やっぱりそのまま「インスティテュート・オブ・ウェルビーイング」でいきましょう。

 

 

 ミッション

インスティテュート・オブ・ウェルビーイングは、ブータンの首都ティンプーから車で40分ほどの、山間地帯にあります。

周囲は瓜二つと言えるほど土佐町の自然にそっくり。ブータンをもう少し水っぽくして苔っぽくしたら土佐町の風景になりそうです。

土佐町の風景に似ていませんか?

インスティテュート・オブ・ウェルビーイングは、ブータンの国策であるGNH(国民総幸福度)の思想に則って、青少年の育成に努めている機関です。

さらに具体的に言えば、薬物やアルコール依存に陥った青少年を更生させることがミッションの大きな部分を占めています。

そのため、ここに一定期間居住できる居住棟があり、私たちが訪問した日にも数十人の若者が共同生活を送っていました。この日はちょうど家族デーに当たり、遠方の家族がここに住む方々を訪れていた1日でした。

 

奥の建物が居住棟

 

 

 ダショー・ペマ・ティンレイ

 

ここの学院長は、写真にも写っているダショー・ペマ・ティンレイ氏。

「ダショー」というのはブータンにおける尊称で、国王から授与されるものです。「最高に優れた人」を意味します。なのでファースト・ネームではありません。イギリスでいうところの「ナイト」みたいなものでしょうか。

ペマ・ティンレイ氏はブータンの最高学府であるブータン王立大学の学長を務めていた人物で、退官したのち請われてインスティテュート・オブ・ウェルビーイングの学院長をされています。

ダショー・ペマ・ティンレイ氏

ちなみにティンレイ氏が着ているこの着物に似た民族衣装、男性は「ゴ」女性は「キラ」と呼ばれ、ブータンでは日常の普段着として町でもよく見かけます。

正確に言えば、よく見かけますというレベルではなく、ほぼ皆さん民族衣装を着て町を歩いてます。特にブータンの公務員は、就業中の民族衣装の着用を義務付けられているということです。

 

話を戻します。

インスティチュート・オブ・ウェルビーイングのミーティングルームで、ダショー・ペマ・ティンレイ氏にGNHについてお話を伺いました。

左:ダショー・ペマ・ティンレイ氏 右:京大東南アジア地域研究研究所・安藤和雄氏

 

 人間を理解する

以下はダショー・ペマ・ティンレイ氏のお話から。

GNH(国民総幸福度)の本質とは、言い換えれば「人間を理解する」ことです。

自己を見つめ、人間を理解し、より良い人間になること。より良い人間になろうとすること。それがより良い家族を作ることにつながります。そしてそれがより強いコミュニティーを作ることになり、それは国の繁栄と平和で安定した国際社会を作ることになるのです。

その全ての始まりは、一個人が、自分自身に対してリーダーシップを持つことから始まると考えます。

ブータンは仏教国だからGNHが可能なんだという指摘がありますが、それは誤りです。

実際にはどんな宗教であれ、宗教に関連がなかろうが、人間が生きていく上で「人間を理解する」ことは大変重要なことなのです。

 

先ほども書いたように、インスティテュート・オブ・ウェルビーイングの大きなミッションは、薬物やアルコール依存を患う若者たちの更正にあります。

現在ブータンでは、主に外国から入ってくる薬物に依存する若者の数が急増し、社会問題となっています。

インスティテュート・オブ・ウェルビーイングは、そういった問題を抱えた若者たちを一定期間ここで共同生活させ、運動や畑仕事を含む規則正しい生活を送ることによって薬物依存を断ち切り、再び社会に戻すことを活動の目的としています。

仏教国のブータンらしいのは、そこに「自己を見つめなおすため」の瞑想の時間があること。

これはGNHの目的とも深く関連することだと思うのですが、「自己を見つめなおす」「人間(=自己)を理解する」ということは、個人レベルから世界規模の視点まで含めた全ての基本である、というのがGNH・ブータン政府・仏教などに共通した姿勢であるでしょう。

そこに「仏教」はブータンの場合、とても大きな要素として機能しているのですが、この【「自己を見つめなおす」ということが全ての基本である】という考えは、仏教に限った話では決してないことですし、さらに言えばティンレイ氏の言葉にもあるように宗教に限ったことでもないと思います。

ブータンと違い、政教分離の原則のある日本では、施策の根本に宗教的な考え方を置くことはありません。

なので一つの具体的な施策が、「人間を理解する」という深い階層からスタートすることは、実はあまりないんじゃないかというのが、日本に育ち生きてきた個人として思うところです。

ただやはり、大小問わず全ての自治体や政府の目的には「人間のため」という根本があるはずで、だとすれば「人間を理解する」ということはそのスタート地点で実は必須なことなのではないでしょうか。

 

僕自身、個人的にも「人間を理解しているか」と問われれば、そんなに立派な答えを返せる自信があるわけでもないのですが、それでも可能な限り根本的なところから自己や自分の人生や仕事を問い続ける、ということはやっていきたいと考えています。

 

パロで出会った少年僧

 

私の一冊

石川拓也

「BHUTAN A SKETCH BOOK」Doug Patterson Tarayana Foundation

 

今年2月、ブータンにGNH(国民総幸福度)の勉強をしに行ったときに見つけた本です。

発行元のTarayana Foundation(タラヤナ・ファウンデーション)というのはブータン最大の社会事業組織 (NGO?)です。視察に行き話も伺ったのですが、実に様々な分野での事業を、驚くほどの少人数で行っています。

ブータンの各地方にプロジェクト・マネージャーを置き、現場で必要としている施策を、主に外国のファンドの資金により実現していく。

例えば、昨年度は地方の貧困地帯に500軒の家を建てるプロジェクト。ぼくが訪れた際はそのプロジェクトのレポート時期にあたり、一年やった結果、どういう資金の使い方をしたのか出資先に報告するということでした。そしてその結果を出資先が良しとすれば、また来年度も500軒建てることになります、と担当者が説明してくれました。

他にも教育、医療、ラジオの普及(情報格差の解消)などなど活動は多岐に渡ります。

この本は、タラヤナ・ファウンデーションと同じビルにあるタラヤナ・ショップで販売されていたもの。

タラヤナ・ショップもタラヤナ・ファウンデーションの活動の一環で、ブータンならではの素材を使った雑貨などを販売しています。

その素材はすべて、ブータンの地方で農村の人々が作ったものだそうで、その収益が彼らの収入になるという仕組みです。

本の内容に話を戻すと、ダグ・パターソンはロンドン育ちの画家。世界の様々な場所を旅し、独特のタッチで風景や人物を描いています。

その生き方と絵のタッチが、単純に好きやなぁと思います。

 

土佐町のものさし

【番外編】ブータン・GNHレポート No.2

 土佐町の新しい指針を作る過程を追う「土佐町のものさし」、今回は【番外編】として、GNHの産みの親であるブータンのGNHの現状を、とさちょうものがたり編集長である石川がレポートします。

 

2.  ブータンの峠

 

幸福度やGNHの固い話を少し離れて、ブータンの旅の話をしたいと思います。

今回、ブータンの東西を縦断するような形で旅をしました。国際空港のある町・パロを始点に、首都ティンプーを通り東端のシュラブッチェ大学まで行く旅です。

 

 

 ブータンの面積は九州と同じくらい。でも‥‥

 

地図で見ると、ブータンってそんなに大きくない。面積を調べると九州と同じくらい。

でも‥でも‥ブータンって高低差がハンパない。西側から東側へたどり着くまでに、3000m級の峠をいくつも超えることになります。

そのうちのもっとも高いトゥムシンラ峠(Thrumshing La)は標高3,700m。ちょうど富士山と同じ高度を車で越えていくわけです。

トゥムシンラ 空気が薄い…

 

 

こういう峠をいくつも越えてブータン西部から東部へ行ったわけです。

例えれば石原から黒丸への山道を、高低差3倍ぐらいにしたような濃度で越えていきます。根曳峠がかわいく見えてきます。

当然、九州を横断するより時間もかかる。
西から東へ、だいたい2,3日かけて行くのが一般的なようです。

トンサという町のマンディチュ・ダム

高度の高い峠や山道を通っている時は、川や谷がはるか彼方の下方に見えます。

こうして峠と谷をいくつも越えて西の玄関であるパロから、東の目的地であるシュラブッチェ大学(Sherubtse College)のあるタシガン(Trashigang)まで、途中で宿泊しながらの往復をしました。

短時間での高度差と温度差、空気の薄さと乾燥、体にはなかなかこたえる旅程。

ただこうやって地べたを走ることで、地図で見ても決して感じることのできないブータンの壮大さを身をもって感じることができたと思います。

裏を返せば、それは人間という存在の小ささ、脆さ、たくましさ。

地球という惑星の表面にできた壮大な突起物の、ほんの一端にしがみついて綿々と暮らしを続けてきたという事実を身をもって感じた気がします。

 

もみの木の山。これを通称ブラック・マウンテンと呼ぶのだそう。

世界の車窓から

谷はこんな感じ

この橋は日本の協力のもと架けられたそう

橋の袂にはこんな碑が掲げてありました。

これは日本とブータンとの友好と協力の証。

ブータンの山奥の小さな川に小さな橋を架けることは、地球という単位から見ると本当に取るに足らないことかも知れません。

でもこうして両国の先人たちが小さな行動を積み重ねて、世界が少しずつ良くなってきたことを実感します。

自分とか自国のみが裕福になることを目指すのではなく、足りないところに足りないものを少しずつ補っていく。

そういう行動が積み重なった上に現在の世界が成り立っているのだと思います。

実際に、現在の地球上で極度の貧困にある人間の数は徐々に減少傾向にあるということです。(国連のデータによる)

例えば中央アフリカの諸国は、貧しいイメージがあり実際に貧しいところも多いのですが、それでも過去に比べて状況は飛躍的に改善している。(現時点で、良い状態であると言っているワケではなく、過去よりは良くなってきているという意味です。)

そしてそういった改善は、上の写真の碑に見られるような、大きなニュースになることもない小さな行動の積み重ねによるものだと思います。

自分自身がしてきた、もしくはこれからするであろう小さな仕事のひとつひとつも、そういう「少しだけでも世界を良くする」仕事でありたいと、でこぼこの山道に揺られながら、高地の薄い空気のぼーっとした頭で考えたのでした。

 

 

私の一冊

石川拓也

「ホモ・デウス」 ユヴァル・ノア・ハラリ 河出書房新社

 

イスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリが書いた「これから先、人類はどうなっていくのか?」という未来予想図。ある国の未来とか経済の未来、ということではなく、「種としての人類」の行く末を論じた本。

「ホモ・デウス」という語はホモ・サピエンスの次に位置するであろう神性を帯びた存在としての人類、という意味です。

キリスト教的な意味での神性ではなく、ヒンズー教の神のように生々しく人間臭い、それでいて「不死=神性」を手に入れた者。それが今後科学が発展していく中で、遅かれ早かれ人類が求めていくものであろうということです。

この本の巻頭には献辞として、「S・N・ゴエンカに捧げる」と記されています。
あ!なるほど!と思ったのですが、S・N・ゴエンカさんはヴィパッサナー瞑想の創始者の名で、「人間の感情や感覚の全ては電気信号である。」という考察を基にしています。
そしてこのことが、実は色濃くこの本の内容に影響を与えているということは、発見の喜びでもありました。

 

土佐町ポストカードプロジェクト

2019 Feb.

峯石原 | 田中愛莞、嵩人

 

田中愛莞ちゃんと嵩人くんの姉弟2人と「撮影に行こう!」と車を走らせたが、場所は決めていなかった。

なんとなく石原から黒丸へ上がる道に入り、峯石原に差し掛かったぐらいに、冬の雲と太陽がとても豊かな表情をしていることに、車窓から見て気がついた。

すぐ車を停めて、二人と撮影。

そういえばここは絵描きの下田さんとも車を停めしばし雲の動きに見入った、同じ場所。

雲はどんどん動き続けて、5分後にはこの光景。

山だからこそ見れるこの風景が、小さい二人の心の引き出しに仕舞われて、またいつか引き出しが開けられる時がくる。そうだといいな、と思う。

 

4001プロジェクト

桂月の作り手たち

 

土佐町が誇る銘酒・桂月。 今年の仕込みも佳境に入った2月下旬に、日本酒の製造現場にお邪魔して撮影しました。

約1日半、工程の様々な現場を、詳しい解説とともにじっくりと見せていただきました。(お仕事の邪魔になってないことを祈ります!)

とにかくみなさん並並ならぬ思いを持ってお酒造りに挑んでいること、そのために徹底してお米や気温や湿度などの様子を伺いながら毎日過ごしていること、その仕事に向き合う姿勢はカッコイイ!のひと言です。

日本酒、奥が深すぎて僕が迂闊に語ることはできませんが、「桂月」はこの作り手たちが真剣かつ楽しそうに作っています。
敬称略・左から 三谷潤平 橋本信与 佐竹正行 Brock Bennett  筒井浩史 中山淳 三瓶駿

 

私の一冊

石川拓也

「マイ仏教」 みうらじゅん 新潮新書

 

みうらじゅんさんは天才だと思っています。

なんというか、一貫してすっとぼけた(ように見える)言動ですが、そこに実はとても深い洞察がある。

現実のネガティブな面を、言い方や捉え方でポジティブなものに変えていく力がこの人の言葉には備わっている。

以前、いちど写真の撮影でお会いしたことがあるのですが、その時は

「人間誰もが年を取ってくると、尿漏れとか深刻に悩んだりするけども、それ例えば『スーパー尿漏れ』とか名付けたらちょっとポジティブじゃない?」

ってことを延々と力説されていました。単純におもしろかった。

みうらじゅんさんとか笑福亭鶴瓶師匠とか、そういった力を持った方はたまにいらっしゃいますよね。

昔はお坊さんとかがそういう役割を担っていたのかなと思います。

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