香炉峰の雪は簾を撥げて看る

田舎と都会と暮らし

9月末まで、東京へ研修に行っていた。

東京から帰ってくると、町の様相のギャップに驚いた。

全く別世界で、どちらの世界も楽しくて素晴らしく、各々の特徴がよりはっきりと感じられた。

まず、帰ってきたのが夜だったのだが、
布団に入ると秋の虫の音が部屋にもれて聴こえてきた。

東京滞在でしばらく聴いていなかった癒しサウンドに、ハッとした。
自分の布団ということも相まって、癒されながらぐっすり眠れた。

土佐町に来て2年目の秋の夜に、
犬の遮那王と田んぼのあぜ道を散歩したことがあったが、虫の音がオーケストラのように田んぼと草むら一面に響いていて感動したのを思い出した。

とっても贅沢なコンサートで、今でも心に残っている。

翌日はすがすがしい秋晴れで、カラッとした空気が気持ちよく、
出張で出た洗濯物を干すのにぴったりの日差しだった。

東京は、30日以上連続で雨らしい。こんなに雨が降るのは異例なんだそうだ。
といっても一日中降っているわけではなく、降ったりやんだりしている感じだった。

干上がっているさめうらダムに、水を少し分けてもらったらちょうど良さそうだ。

翌日、遮那王の散歩のために外に出てみると、季節と自然を存分に感じることができた。
といいながら、散歩して一番はじめに目についたのはカマキリの多さ!笑

道の真ん中で固まっているカマキリ、
遮那王に踏まれそうになって飛行して非難するカマキリ、
車に踏みつぶされてぺしゃんこになっているカマキリ….

秋になって涼しくなって獲物が増えたのか?カマキリをたくさん見た。

そして、田んぼのほうへ行くと、草むらにイナゴとバッタが最盛期を迎え、大量発生していた….(笑)

遮那王が草むらを歩くたび、
イナゴがビビビビ、と羽ばたいていく。

バッタってあんなに飛ぶんや、と感心しつつも、
身体にくっついたら嫌なので急いで遮那王を引っ張って回避した。

あぜ道を抜けてふと後ろをむくと、稲がすっかり黄色くなってきれいだった。

ところどころ赤色の彼岸花がぽつぽつ咲いていて、
写真やポストカードになっていそうなくらい絵になる風景だった。

まあ、実際その中に行ってみるとバッタだらけなんだが(笑)

土佐町に来てから、良くも悪くも虫に慣れた。

はじめてこっちに引っ越してきたのは11月だったが、今住んでいる家が空き家だったので、掃除に苦労した。
家中にあった虫の死骸を半泣きになりながら掃除したのを覚えている。

その年はカメムシが大量発生した年で、カメムシの死体をどれだけ処理したかわからない。

しかも、土佐町のカメムシは私の地元である四日市に発生する小さな豆粒サイズのカメムシと全く種類のちがうカメムシで、でかくて硬そうでかわいくない!

このイカつくてかわいくない虫のことを、カメムシと呼ぶのか、、とカルチャーショックだった。

こっちに来るまで、カメムシが寒くなると暖かさを求めて家に入ってくることも知らなかった!!

死んでいたらまだいいが、
家に入ってきた生きているカメムシは、夜に電球の光にさそわれてブンブン部屋を飛びまわる。

当時は母親に半泣きで
「部屋にカメムシが飛び回っとるんやけど、どうしよう~~~」
と電話していたが、今となってはあまり動じなくなった。

さて、あぜ道を抜けて歩いていると、
次はふんわり大好きな香りが香ってきた!キンモクセイの香り!!

「秋だぁー!」としみじみ感じた。

道端に栗も落ちていたりする。

「秋だぁー!」としみじみ感じた。(2回目)

こういう、日常に季節を感じるとなんだかうれしい。

ほんの前日まで、高層ビルが並ぶ都会にいたのに、
一転して、山々に囲まれた町にいる。

時間が急にゆっくりになったような感覚になって、散歩するだけでのんびりできた。


都会は都会で楽しかった。
おしゃれなお店がたくさんあって、情報量も多い。
電車で天気予報を教えてくれたりするし、街頭広告をみると今流行っているものがすぐわかる。

特に、デパートの新宿ルミネ2と丸善ジュンク堂書店が大好きだ!
おしゃれな服屋さん、大きな本屋さんが最高にテンションを上げてくれる。

都会は電車やバスを使うのが主な交通手段なので、移動の時にたくさん歩いて疲れてしまうこともよくあるが、
デパートか大きな本屋に入ったとたん疲れが吹っ飛ぶから不思議だ。

でも私の場合、毎日デパートに行って誘惑をうけると、破産してしまう可能性があるので(笑)
たまに都会にいって刺激を受けるくらいのペースが自分には合っているのかもしれない。

東京にいる友達にも会った。バリバリ働いているようで、かっこよかった。
お家で晩ご飯をごちそうになったが、とてもきれいなホテルのようなオートロックのマンションの高層階に住んでいた。

1LDKの間取りだったが、土佐町の一軒家で暮らしている私にはすこし狭く感じた。これで家賃が10万以上かかるのだそうだ!!
それだけ稼いでいるのもすごいな、と思ったと同時に、
稼いだお金が家賃に消えていくと思うと、
都会暮らしも田舎暮らしも、実質そこまで差というか優劣はないのだな、と思った。

どちらが自分に合っているか、なのだと感じた。

それにしても、
今回都会へ行ったことで、改めて土佐町の自然の豊かさと季節感をはっきり感じられて、
普段自分の住んでいる環境のおもしろさに目を向けられて良かった。

3年暮らしていたら、だんだん当たり前になっていた。

しかし、こうして色んな場所を体験することで、
それぞれの良さがより際立って感じられるようになって嬉しい。

これからもどんどん色んな土佐町を発見して、日々の暮らしを楽しめたらいいな、と思う。

この記事を書いた人

  • 三重県四日市市出身。東京大学教育学部卒業。在学中上海へ留学。ネット広告代理店のクリエイティブディレクターを経て、土佐町に地域おこし協力隊として移住し、大屋敷の管理人を務める。白拍子舞の舞手として各地で公演や奉納も行う。そろばん/ダンス教室も立ち上げ、台湾茶の販売もスタートさせ、踊りを主軸に多方面に活動を広げている。
三重県四日市市出身。東京大学教育学部卒業。在学中上海へ留学。ネット広告代理店のクリエイティブディレクターを経て、土佐町に地域おこし協力隊として移住し、大屋敷の管理人を務める。白拍子舞の舞手として各地で公演や奉納も行う。そろばん/ダンス教室も立ち上げ、台湾茶の販売もスタートさせ、踊りを主軸に多方面に活動を広げている。

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