天平装束で創作舞踊のイベントを行うべく、現在準備を進めている。
そもそも天平装束って何?という方も多いかもしれないので、いったん写真を貼っておく。

奈良時代の装束である。こんな美しい服を日々着られるなんて、奈良時代の皇族はうらやましい。
奈良時代と言えば、奈良の大仏である。
余談だが、あのでかい奈良の大仏は毘盧遮那仏という仏さまで、
わが愛犬・遮那王の名前はその毘盧遮那仏から来ている。太陽の王様という意味だ。
何が何でも天平装束で舞いたいと思っていろいろ調べていたら、
天平装束を復元されている憧れの服飾作家さん・山口千代子さんに衣装を売っていただけることになった。
思い切ってメールしてみたら、電話をくれて6月下旬に会いに行くことになった。
山口さんは飛鳥時代・奈良時代の装束にご興味があり、自分で制作・研究をはじめられ、正倉院の服飾関係の宝物や資料をもとにして衣装の復元をなさったそう。
プロフィールを見て、しびれた!
さて、わたしが普段活動している白拍子が登場したのは、奈良時代の次の時代、平安時代の末期。
なぜまた奈良時代なのか、と思われるだろう。
大した理由はない。
とにかく装束がかわいいのである!!!
(元はと言えば、白拍子も、白拍子姿の石原さとみかわいい、からはじめた笑)
奈良時代は遣唐使をたくさん送っていた時代で、当時文明の進んでいた中国からたくさん文化や学問などを取り入れていた。朝鮮との交流もさかんだった。
そして、当時のユーラシア大陸は、なんと!西はヨーロッパ、東は日本まで、交易網(シルクロード)があり様々な文化がまじりあい交流していた。
この時代に輸入されてきた宝物が、正倉院にたくさんおさめられている。
この壮大な交易の関係もあって、装束はたいへんカラフルで華やか。
原色の組み合わせの美しさたるや!!
しかも、平安時代の十二単とかよりも動きやすそうだ。
長い袖も天平装束の特徴だ。
わたしが習っている韓国伝統舞踊に長い袖を投げたり降ったりして舞う踊りがあるので、先生に頼んでそれを教えてもらえることになった。
また、中国古典舞踊も見てみたのだが、身体の雰囲気というか使い方というか、が太極拳などに似ている。
ということで、冬に体育館が寒すぎてお休みしていた、石原で習っている八極拳も再開することにした。
とりあえず目下は、
奈良時代に建てられた高知のお寺・国分寺で舞うのと、
奈良で毎年開催される、平城京天平祭で舞うのが夢だ。
創作の題材である奈良時代のことを知るために、最近『万葉集』の歌をパラパラ見ているが、
自然豊かな土佐町には当時の和歌の情景がけっこう残っている。
例えば、こないだ夜中に鳥の鳴き声で起こされた。いったいどこのマヌケな鳥が時間帯を間違えて人の睡眠を妨害してくるんだと思ったら、ホトトギスだった。
ホトトギスは夜も鳴くんだそうだ。
万葉集には、ホトトギスの歌が155首もあって、万葉集・鳥の歌ランキングダントツTOPである。
実は、万葉集の編纂者の大伴家持は大のホトトギス好きで、彼女に和歌でホトトギス好きをいじられている(笑)
“ほととぎす 鳴きしすなはち 君が家に 行けと追いしは 至るらむかも “
【訳】ほととぎすが鳴いてたから、(ほととぎすのことが大好きな)家持の家に行きなさいと追っ払ったんだけど、来た?(笑)
私はこの大伴家持とホトトギスの話がすごく好きなのだが、
それはおいておいて、
実家の四日市でも東京でもホトトギスが夜鳴いていたのを聞いたことがなかった。
土佐町にくるまでは、万葉集/古今和歌集の和歌でよまれている自然風景は、いにしえの別世界の話と思っていた。
しかし今、ホトトギスに限らず、和歌に詠まれる自然をこうして身近に感じられる。
これはすごくありがたいと思う。
季節と自然をしっかり感じられるのが、土佐町の好きなところだ。
こうした自然に囲まれながら育った人たちは、さぞ感性豊かであろうと思う。
白拍子の先生が、
「本当の勉強は大人になってから」
とおっしゃっていた。
こうして天平装束のために歴史をいろいろ学んでみて、ほんとうにそうだなと思う。
学校で学んだことも無駄だったとは言えないが、ただ事象をテストのために無理やり暗記する側面が大きかったのも否めない。
結局それってなんのことだったのか、さっぱりな内容がいっぱいある(笑)
また、学校の教科書に書ける内容というのも制限があるらしい。
教科書の編纂にかかわっている教授が教鞭をとる、国際関係論という授業を、
東大にいたときに受けていたが、
その時に教授が、研究のとおりの内容を書くとボツになったり削除されたりすることがある、とこぼしていたのが衝撃だった。
白拍子や天平装束を通して学んだ歴史の話を、中高生にわかりやすく紹介するイベントもやってみたい。
学生時代は、学校の勉強だけが「勉強」と思ってしまいがちだけれど、実は気になったものをつっこんで自分で学んでみたらおもしろい世界がある、というのを、
伝えられたらいいな、と思うのだ。
というのも、高校時代に衝撃的な経験があったからである。
高校時代に模試の成績がよかったので、何回か東進ハイスクールの東大特進講座というのを無料で受講していたのだが、
そこで「今でしょ!」でいまや有名人になった林修先生の現代文のライブ授業を受けられた。(ちなみに林先生、今はインテリタレントと思われがちだが、東大の法学部出身で、首席なみの学力をお持ちである。)
授業そのもののお勉強の内容はほとんど忘れたのだが(笑)、
先生が話していた雑談がものすごい刺激になった。
世の中にはこんなおもしろい頭のいい人がいて、勉強をこういうとらえ方をしているのか!!!!と感銘を受けた。
特に、先生がアツく語っていた、麻雀界の雀鬼・桜井章一さんの話をずっと覚えていて、大学時代に桜井さんの本を読み漁り、達人オタクになり、古武道や舞に関心を持ち始めたのである。
わたしが林先生ほどの衝撃を与えうるのか、というのはおいておいて、
やはり勉強、あるいは何かの分野を熱心に学んだ人が持っている視点やポロっとこぼす話というのは、人の刺激になると思うので、
一度わたしも子供たちに自分の勉強話を、受験勉強や学校勉強の枠にとらわれずぶつけてみたいのだ。
天平装束のおかげで、とても夢が膨らむし、土佐町の魅力にもまた一つ気づくことができた。
衣装を見に行くのが楽しみだ。




