「発酵道」 寺田啓佐 河出書房新社
「ベタベタと甘く、二日酔いするだけの酒」という僕の日本酒の印象を全く変えてしまった寺田本家。
筆者は他界しているが、その意志は次世代に伝わり、いまもプクプクと発酵している。
目に見えない微生物たちに、僕たち人間が学ぶことはまだまだ多い。
渡貫洋介
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掲載開始日
山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。
人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。
土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?
みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!
(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)
設立以来、破綻と復活を繰り返していたパクチー銀行土佐町支店がこの度、初の種の返済を受けることができました!
以下、6月22日(金)の土佐町新聞朝刊です。
土佐町在住・矢野信子さん
パクチー銀行土佐町支店 ついに健全経営への一歩か
パクチーの世界的普及活動で知られるパクチー銀行(以下パ銀)の土佐町支店が昨年から立て続けに起こした破綻騒動は記憶に新しい。しかし今回、パ銀は融資した種の回収に初めて成功したことを発表した。 (土佐町支社)
パ銀関係者の話では、パ銀土佐町支店は高知県土佐町でのパクチー普及を目的とし2017年9月に開設。支店は土佐町役場玄関を住居にしているペッパーくん横に設置され、誰もがパクチーの種を持ち帰り栽培できる仕組みになっていた。
パ銀は種を希望者に融資し、栽培した人が収穫の一部を種で返済することで成立する。しかし種を持って行く人はいても種を返済する人が現れず、二度の破綻騒動の直接的な原因となっていた。
一時は存続自体が危ぶまれた土佐町支店だが、この度当紙が入手した情報によると、ついに収穫された種が一部返済された模様だ。
記念すべき初の返済者は、土佐町役場勤務の矢野信子さん。矢野さんは自身のプランターで栽培したパクチーの一部を種にすることに成功し、6月14日パ銀に初の返済がもたらされた。
矢野さんは「栽培自体は難しいことはなかった。パクチー銀行がまた破綻しそうなので見ていられないので栽培した」とコメント。ちなみに返済した種は「発芽するかどうか植えてみないとわからない」という。
初の返済を受け、土佐町支店長の石川氏は「これは土佐町パクチー王国化の始まりの一歩に過ぎない」と記者に低い声で語った。同日、支店長の机に「デーモン閣下」という題名の書籍があったのを記者は目撃している。インタビュー中に複数回「我輩は‥」と言いかけて恥ずかしそうな表情をしたので、影響を受けている割には馴染んでいない、またはモノマネの質が低過ぎて恥ずかしい、そのどちらかもしくは両方の可能性があると専門家は見ている。
現在土佐町支店は青木幹勇記念館に移動しているが、開催中の「石川拓也とさちょう写真展」の終了(6月30日)と共に土佐町役場玄関に戻る予定。
パ銀土佐町支店は、引き続きみなさまからの返済をお待ちしています!
返済された種は、支店が新たな希望者へ融資いたします。支店長が私服を肥やすようなことは決してありませんので安心してご利用ください!
以下、過去の記事です。
まずパクチー銀行開設
そして一度目の破綻
破綻を乗り越え再開
そして二度目の破綻!
前回の復活!
「太陽と月」 青木恵都訳 タムラ堂
南インドのターラー・ブックスが2016年に出版した「Sun and Moon」の日本語版。
この本の紙は布でできている。木綿の端切れと水を一緒に細かく砕いて撹拌、それを漉いて紙にしている。
そして職人さんが「シルクスクリーン」で一枚一枚手で刷り、製本も全て手作業。
ターラー・ブックスの人たちのやってきたこと、この一冊の本から伝わってくることは、なんだか言葉にできなくて、ちょっと溢れそうになっている。
本の裏表紙にはエディションナンバーが書かれている。
私の本は「1964 of 2000」。世界で一冊の手作りの本。
先日長女が「この本、とてもきれい。なんだかずっと見ちゃうね。」と言った。
「なんだか、いい匂いがするね。」
「それはインドの匂いなんやって。」
インドに何度も行っている人からそう聞いたことがあったから伝えると、へえーという顔をして何度もページをめくっては戻り、めくっては戻りしていた。
インド。行ってみたい。行きたい。
『太陽は 生命をもたらし 月は 時をきざむ。』
鳥山百合子
2018年6月13日、ただいま開催中の「石川拓也とさちょう写真展」の様子が高知新聞に掲載されました。
高知新聞嶺北支局 森本敦士さんが書いてくださいました。ありがとうございます!
この記事をきっかけに、高知市などからお客様が会場に足を運んでくださり、あらたなテレビの取材も受けました。
この新聞の写真は、6月2日の写真展オープニングイベントの様子です。布に印刷された写真が風に揺れ、来てくださった人たちが作り出していたあの日の「空気」が確かに写っています。
土佐町の人、空気切り取る
【嶺北】
土佐郡土佐町土居の青木幹勇記念館で、写真家で町地域おこし協力隊の石川拓也さん(43)による「土佐町写真展」が行われている。町民や景色、その場の雰囲気まで切り取ったような写真を布に印刷。つるされた48作品が風に揺れている。30日まで。
石川さんは世界各地を旅し、雑誌や広告で著名人らの撮影もしてきたが2016年に同町に移住。昨年6月からは町の魅力を発信すするプロジェクト「とさちょうものがたり」を立ち上げ、写真や記事を掲載している。
写真展には、全町民の肖像を撮る「4001プロジェクト」や、町広報誌の表紙に使われた景色などの写真を縦120センチ、横80センチの布に印刷。洗濯物のように上からつり下げ、外からの風で揺れるように展示した。
撮影された筒井政利さん(91)と重子さん(89)夫妻=地蔵寺=は「普段着のままの素顔が写っている」と笑顔。訪れた町民は「当たり前と思っていた町がこんなにすてきだと驚いた」と話していた。
ほかには四季の動画「キネマ土佐町」を上映。町内の障害者就労支援事業所と共に作るロゴ入りポロシャツなども販売している。
(森本敦士)
写真展は6月30日まで。多くの人に、土佐町の空気を感じていただけたらうれしいです。
先日、みつば保育園で子どもたちにこの絵本を読みました。
こすずめが飛ぶ練習をしていて疲れてしまい休む場所を探すのですが、行く先々で出会うカラスやふくろう、かもたちに「お前は俺の仲間じゃないから」と断られてしまいます。
断わり続けられるこすずめに「あ〜、また?かわいそう…。」とか「すずめさん、ぼくんちにおいで!」と声をかけるこどもたち。
最後はお母さんに会えて無事に自分の巣に帰ります。こすずめがお母さんの背中におぶってもらっているのを見て、安心したようにこどもたちはふわっと笑うのでした。
こどもたちにとって物語は、きっといつも隣で、そっと、時にはぎゅっと手をつないでくれるような存在なんやないかなと思います。
鳥山百合子