とさちょうものがたり

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

川村光代

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「さっちゃんのまほうのて」 たばた せいいち (著) 偕成社

 

土佐町みつば保育園の園長先生である川村光代さんが教えてくれたのは
「さっちゃんのまほうのて」。
今までたくさんの子どもたちにこの本を読んできたけれど、そのたびに涙ぐんでしまうのだそうです。

生まれつき右手に指がないさっちゃんが、幼稚園でままごとのお母さん役を争って「さっちゃんはお母さんになれないよ、手のないお母さんなんて変だもん!」と友達に言われるシーンがあります。
「この本の中の幼稚園の先生は、この時どんな風に子どもたちに話したのかなと考えてしまう」と園長先生は話していました。
実はこの本をちゃんと読んだことがありませんでしたが、この本のことを話す園長先生の姿を見ていたら読んでみたいと思いました

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私の一冊

川村光代

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「はじめてのおつかい」 筒井 頼子 (著),‎ 林 明子 (イラスト) 福音館書店

土佐町みつば保育園の園長先生、川村光代さんが教えてくれたのは「はじめてのおつかい」。

先生に「好きな本を持って来てほしい」とお願いしたらたくさんの本を用意して抱えて来てくれました。
その中から1番最初に選んだのがこの本。

赤ちゃんのお世話で忙しいお母さんにおつかいを頼まれて、みいちゃんが100円玉を2つ握りしめ、牛乳を買いに行くお話。
園長先生は、何度も何度もこの本を子どもたちと読んで来たのだそうです。

ここ数日、みつば保育園の先生方が教えてくれた本を『私の一冊』で紹介しています。
撮影時感じたのですが、先生は本を通して子どもたちとの思い出を本当に嬉しそうに語ってくれるのです。
土佐町の子どもたちの隣には「ものがたり」を一緒に感じて楽しんでくれる先生がいる。
それはとても幸せなことやなあと思います。

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私の一冊

西村満美

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「ふたりはともだち」 アーノルド・ローベル (著),‎ 三木 卓 (翻訳) 文化出版局

土佐町みつば保育園の西村満美先生が嬉しそうに教えてくれたのは「ふたりはともだち」。
好きなページはどこか尋ねると満美先生は迷わずこの本の中のお話「おてがみ」のページを開きました。
満美先生自身も子どもの頃、何度も読んだ本なのだそうです。
小学校の教科書にも出てくるので、知っている方も多いのではないでしょうか?

この本には「ふたり」である、がまくんとかえるくんのちいさなお話がいくつか入っています。
「がまくんのおとぼけと、かえるくんのツッコミ、そのかけあいがたまらない」と先生は話していました。

保育園の子どもたちのお昼寝前にも読んでいるとのこと。作者アーノルド・ローベルのお話の中にあるユーモアや、自分たちのすぐそばにあるちいさな幸せへの気づきが子どもたちにきっと届くのやろうなあと思うと、先生の気持ちと共にとてもうれしかったです。

私も、もう一度読み返してみたくなりました。

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私の一冊

山下志保

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「でた!かっぱおやじ」 安曇 幸子  (著),‎ 吉田 裕子  (著),‎ 伊野 緑  (著) サンパティックカフェ

志保先生が教えてくれたのは「でた!かっぱおやじ」。
以前担任をしていたそらぐみ(年長さん)の子が、毎日毎日この本をずっと借りていくので、そんなに面白いのかな?と読んでみたら志保先生もはまってしまった、という本。

夏にそらまつりという保護者も参加するお祭りがあり、その時に「でた!かっぱおやじ」の世界を作り上げ、子どもたちは大喜びやったそうです。

「一人の子の好きだった本が、みんなのお気に入りになった」
と志保先生はその時の思い出を教えてくれました。
きっとその時のそらぐみの子どもたちも、この本をみたら保育園時代のことを思い出したりするのでしょうね。

写真にある「ほいくえん7ふしぎ」は、「子どもたちがそらで言えるくらい好きやった」とのこと。
先生はその時のことをいつまでも大事に覚えているんやなあとなんだか胸がいっぱいになりました。

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私の一冊

石川拓也

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「歴史と小説」 司馬遼太郎 集英社

司馬遼太郎のエッセイ集。
数々の優れた歴史小説を書きながら、そこからこぼれた話や考えが短編で収録されています。話が飛びますが、司馬遼太郎が亡くなった当時、宮崎駿が追悼文を書いています。

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「司馬さんは職人が好きでした。

司馬さんが日本という国が好きな理由として、物を作っている人間に対する尊敬を失わない国だという話をされました。

これで事足りるとしながらも、頭を使い、体を使って一生懸命、自分で先頭切ってやっていく人間たちというのを、実は日本の一番いい部分だというふうに思っていた。

司馬さんってそういう人だった。潔いんですね、司馬さんの書き続けた人物たちというのは。

その潔さが好きです。」(宮崎駿「司馬遼太郎さんのこと」一部略)

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潔い職人さん、頭を使い、体を使って一生懸命、自分で先頭切ってやっていく人間たち。

土佐町にもたくさんいますよね。

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私の一冊

仙田聡美

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「子うさぎましろのお話」 佐々木 たづ (著),‎ 三好 碩也 (絵)  ポプラ社

土佐町の仙田聡美さんが教えてくれた一冊、「子うさぎましろのお話」。
子どもたちが何度も何度もこのお話を読んだのだろうな、ということが伝わってくるような本の佇まいをしていました。

『子うさぎのましろは、サンタさんにもらったお菓子をぺろりと食べてしまって、もう一度贈り物をもらおうかな、と考えました。でも、サンタさんからのおくりものは、どの子どもも一かいきりだということを、うさぎの子はしっていましたから、「このかんがえは、だめだな。」とおもいました。』

「このかんがえは、だめだな」と思うところがいいな、と思います。

クリスマスはもうすぐ。
また子どもたちと一緒にこの本を開きたくなりました。

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私の一冊

石川拓也

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「古事記」 梅原猛 学研パブリッシング

 

いわゆるこの日本という国がどのように生まれたかを描く壮大なストーリー。

政治的な読み方や皇室の家系図として読むとやたらと言葉に気をつけないといけない気がしてくるのですが、そうではなくギリシャやアメリカインディアン、アボリジニなどそれぞれの民族が持つ神話と横並びの「日本神話」として読むと単純明快です。

太古のこの地に生きていた人々が、この世界の仕組みをどのように理解していたか。科学的か非科学的かというものさしで測るのではなく、そこに日本人の生き方考え方の原型があるような気がします。

それにしても登場人物の名前が長い!長すぎる!漢字多すぎ!
これが挫折する大きな原因なんですよね。

天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸

神様一人の個人名です。読めない言えない覚えられない。
「アメニギシクニニギシアマツヒダカヒコホノニニギ」という人らしいです。
歯医者の受付で「アメニギシクニニギシアマツヒダカヒコホノニニギさんどうぞ〜」って呼ばれるんでしょうか。受付の人も困りますよね。

倭建命(ヤマトタケルノミコト)ぐらいにしてほしいです。

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私の一冊

鳥山百合子

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「モモ」 ミヒャエル エンデ (著),‎ 大島 かおり (翻訳) 岩波書店

私、鳥山の一冊はミヒャエル・エンデ作「モモ」。
小学生の時に買ってもらってから、度重なる引越しに必ずくっついて来た本。

『時間をはかるにはカレンダーや時計がありますが、はかってみたところであまり意味はありません。
〜その時間にどんなことがあったかによって、わずか1時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、ぎゃくにほんの一瞬に思えることもあるからです。
なぜなら、時間とはすなわち生活だからです。そして人間の生きる生活は、その人の心の中にあるからです。』

読むたびに、はっとする言葉があります。
こどもたちにも読んでほしいなと思っています。

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土佐町ストーリーズ

厳島神社と龍神(伊勢川)

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伊勢川から溜井へ通じる林道を登りつめたあたりに谷川があって、その少し上の小高く深い茂みの中に、厳島神社がありその前に田が広がっています。

そこは、昔はずっと池じゃったと言います。

いつのころか知らんが松の木を伐って投げ込んでは土を入れて田にしたそうです。

その昔の池にゃ龍神さんが棲んでおいでると言われていました。

そこの近くに杉囲いの家があったそうです。いつのころか、その家の囲いの杉に蛇がやってきて巣をこしらえたそうな。

子をかえしたら困ったことじゃと言いながら、何日かたって、いよいよ明日は除けようと言うことになった晩のこと、もう一日だけ待ってくれえ言うて、夢の中に蛇が出てきて頼んだそうな。

それを聞かずに、明くる日に囲いの木に火をつけて焼き殺してしもうたと言います。

それから、その家は他所に移っていってしもうたが、その人はあついきに水をかけてくれ、水をかけてくれ言うて死んでいったそうな。

えらい熱病じゃったもんじゃが、あの焼き殺した蛇が、厳島の龍神さんじゃって、そんでその人は焼き殺されるように死んでしもうたと言います。

町史(「土佐町の民話」より)

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私の一冊

仙田聡美

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「今日のおかず」 高山なおみ   アノニマ・スタジオ

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