「アンジュール―ある犬の物語」 ガブリエル バンサン ブックローン出版
土佐町の山崎幸子さんが紹介してくれた一冊は、ガブリエル・バンサン作「アンジュール」。
この本は鉛筆の線のみで描かれ文字はありません。
飼い主に捨てられた一匹の犬の悲しみや戸惑いを鉛筆の線だけでここまで表せるのかと驚きました。
最後にひとりの少年に出会い、お互いに少しずつ近づいて行く姿にいつもぐっときます。
著者名
記事タイトル
掲載開始日
山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。
人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。
土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?
みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!
(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)
「大往生」 永六輔 岩波新社
土佐町の田岡三代さんが紹介してくれた一冊は、永六輔著「大往生」。
三代さんは土佐町にある青木幹勇記念館にお勤めです。
記念館に行くといつもにこにこと迎えてくれて、美味しいコーヒーを入れてくれます。
10月に記念館で開催された下田昌克さんの展覧会では、本当にお世話になりました。
三代さんが記念館にいてくれたからこそ、展覧会がより温かいものになりました。
三代さんは言っていました。
「私は本当に友達に助けられてきた。
みんながいてくれる。だから大丈夫よ。」
三代さんがあの場所にいてくれるんやなあ、と思うだけでそっと背中をぽんぽんとたたいてもらっているような気持ちがします。
「Michio Hoshino」 星野道夫 スイッチ・パブリッシング
1996年、取材中クマに襲われて急逝した星野道夫さん。
アラスカを撮り続けた彼の死を追悼する一冊です。
この本が出版されたのは1998年。
当時私は学生で、自分がどうしたいのか模索していた時でした。
「人は誰も、それぞれの光を捜し求める、長い旅の途上なのだ」
「人と人が出会うことは、限りない不思議さを秘めている。あの時あの人に出合わなかったら、と人生をさかのぼってゆけば、合わせ鏡に映った自分の姿を見るように、限りなく無数の偶然が続いてゆくだけである。が、その偶然を一笑に付するか、何か意味を見出すかで、世界は大きく違って見えてくる」
もし今も星野さんが生きていたら、会って話をしてみたかった。