稲刈りと彼岸花の季節。9月後半の東境の田んぼも、写真のように豊かな稲穂が実っていました。
この季節、陽光が差すと田んぼは金色に光ります。
この地で、おそらく何十年何百年と繰り返されてきた風景です。はるか前の世代から引き継ぎ、綿々と毎年一度米を作り、そしていつか次の世代へ渡す。
田圃や畑を持たない僕にはその感覚はわからないのですが、自分の人生がその大きな流れの一翼を担うことは、想像では計り知れない喜びも重さもあるような気がしています。
畦道を歩いているのは、澤田蒼佑くんです。
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図らずもTPP。あっちのTPPではありません。
土佐町在住の写真家、石川拓也がひと月に1枚のポストカードを作るプロジェクト。
2016年11月から始まり、たまに遅れたりもしながら、いちおう、今のところ、毎月1枚発表しています。
各ポストカードは土佐町役場の玄関と道の駅さめうらにて無料で配布しています。
こんなところがまだあったのか、という嬉しい驚きでした。
上野を車で走っていて、西側にチラチラと見え隠れする川。その一箇所に、このような堰堤がありました。
石垣で作られているところを見ると、だいぶ古い時代のものなのかなと想像します。
まだコンクリや重機が存在しなかった時代に、地元の方々がみんなで作ったものなのでしょうか。
この地に生きた先祖にあたる世代の方々が汗をかいて作ったことは間違いないでしょう。少しでも水の流れを緩やかにしたい、人々の暮らしにとって利のあるものにしたいという情熱のようなものをそこに感じます。
現代の私たちの暮らしはそういった前の世代の仕事の上に築かれているという当たり前の事実を実感させてくれます。
ちなみにこの水の透明度、写真的な加工は一切入れていません。
堰堤の上を行ったり来たり、たまに尻もちついてお尻が水浸しになったり。4人は三瓶家の素生ちゃん・偲生ちゃん、澤田家の時生くんと旅生くんです。
キンキンに冷えた12月のある夜、土佐町で最も標高の高い稲叢山のその麓に位置する一の谷。
一の谷は谷種子さんの桜(「木を植える人」)が植えられている場所でもあります。
気温はマイナス5℃、地面には凍りついて硬くなった雪、生物の気配をまったく感じることのない無音の世界。
そんな夜中にその場所を訪れる人間はほとんどいなかったし、これからもそうはいないのでしょうが、人間がいるいないに関わらず、その場所は毎日太陽が昇り、沈み、雪は降って、積もってから溶ける。
大自然の中、自分がちっぽけな存在に感じられる瞬間です。
帰り道には走るウサギを見かけました。年が変わるのももうすぐです。