土佐町の市街地である田井で久々に撮影をしました。この季節、田んぼはきれいに実り、畔には彼岸花の鮮やかな赤。
彼岸花は、地元の方は「彼岸桜」と呼ぶ人も多いみたいです。彼岸に咲く桜、というのも体を表す良い名前ですね。
この撮影をした1週間後には、彼岸桜は一斉に白っぽく枯れ始めていました。このタイミングだからできた撮影だったということを後から知りました。
こちらに向かって畔を歩いているのは尾﨑由依ちゃんです。
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図らずもTPP。あっちのTPPではありません。
土佐町在住の写真家、石川拓也がひと月に1枚のポストカードを作るプロジェクト。
2016年11月から始まり、たまに遅れたりもしながら、いちおう、今のところ、毎月1枚発表しています。
各ポストカードは土佐町役場の玄関と道の駅さめうらにて無料で配布しています。
田植えの季節になりました。聞くところによると土佐町での田植えのピークは5月の後半。この時期の田んぼには水が入り、人が作業している姿をよく見かけます。
稲が育つ前の、鏡のような水面が山の斜面を段々に続いていく風景は、個人的に一年で最も好きな季節のものです。
斜面に作られた棚田でありながら、こうして雄大な風景でもある。溜井の農家さんたちが作ってきた風景は遠くからも人を呼ぶようで、この撮影中にも棚田を観に来られたという方々がちらほらいらっしゃいました。
この風景は地元の農家さんたちが様々に手を入れて完成しているもの。幾世代にも渡ってこの田圃を維持してきたそのお仕事には頭が下がる思いがします。
溜井の畦道を元気よく歩くのは、溜井にお住まいの稲垣日菜美ちゃんと日悠真くんの姉弟です。
森地区の青木幹勇記念館(旧森小学校)の裏手には、第2次大戦の頃の戦没者の忠霊塔が建っています。戦後間も無く建てられ、遺族会や地区の方々が草刈りなどの整備を務めてこられたそうです。
僕自身は勉強不足で知らなかったのですが、土佐町だけでもこういった忠霊塔はいくつもあって、戦時中に命を落とした方々の霊を祀っています。
大戦が終わって77年が経つ現在では、戦争を知る世代は年々少なくなっていくばかりですが、ウクライナでのことからもわかるように、戦争そのものが遠い過去のことになったわけではないと感じています。
その世代の経験を、どこまで正確に追体験できるのかはわかりませんが、想像力を働かせながら自分たちの経験として吸収していくことが大切なことなのでしょう。
少し重い話になりましたが、今回はここで春らしい写真を撮りたくて、式地さん4兄妹に菜の花の束を運んでもらいました。