「おつかれ、今日の私。」 ジェーン・ス― マガジンハウス
男が敷居をまたげば七人の敵あり、ということわざがあるけれど、勿論女にだって、ひとたび外に出れば七人の敵はいる。
精根こめて仕事しても報われるとは限らないし、家事をどんなに頑張っても褒められることはまずない。だれも自分を慰撫してくれないなら仕方ない、自分で自分に「お疲れ。今日もよく頑張ったね!」と声掛けしてみる。するとちょっと肩の力が抜け、気持ちがすこし浮上する気がする。
それでも、まだ落ち込んで、暗いトンネルをさまよっているようだったら、この本を開いて何篇か拾い読みしてみるのもよいかも。 いつもは皮肉の利いた辛口エッセイが多い筆者が、読んでくれる人の隣に座って、中の良い友だちの背中をさするように書こう、と決めて書いたという文章は、すっと体に馴染むのでした。