「すかたん」 浅井まかて 講談社
先輩に「浅井まかてがおもしろいよ」と教えてもらっても、歴史小説は別にしても「いやー時代小説はちょっと…」と手にとろうとしなかったけれど、図書館で借りてみた。これがおもしろくてはまってしまう。
藩士だった夫について江戸より大阪の地を踏んだ智里。その夫が急な病で亡くなり自活するしかすべがない。手習い所で雇われ師匠をはじめたが上手くいかず、その上、空き巣に有り金全部とられ、途方にくれていたところ、大阪でも指折りの青物問屋の若旦那清太郎に助けられ、住み込み奉公。
おっちょこちょいで遊び人だけれど、青物にかけては情熱を燃やし奮闘する清太郎に引き込まれ恋におちてゆく。
義理人情や、ユーモア、関西弁でのテンポのよさもいい。
川村房子