「幸福な生活」 百田尚樹 祥伝社
久しぶりにこの作者の本を読みました。
発売されると待ちかねるように読んでいましたが、メディアに顔を出すようになってちょっと敬遠。でもやっぱりおもしろい。
表面上は幸福な生活に見えても、それにはほど遠いドキッとするおちでちょっと怖い。
18の短編からできています。
「おとなしい妻」では、早苗はものすごく気の弱い女で、美人ではないけれど童顔で笑うと愛嬌のある、そんな妻を愛していた。頬をはらした男がどなりこんできたが、妻はしらないとうつむいて首を横にふるが、モニターをみると歴然。精神科での診察を受けた後、夫は医師と話していると、待合室から男の怒鳴り声。
看護師がなだめても「やかましい、ぶっ殺すぞ」
「やっかいな患者さんですね」夫が言うと、医師は少し困った顔で言った。
「貴方の奥さんですよ」
ないようであるような怖い話の連続です。