「死に支度」 瀬戸内寂聴 講談社
そろそろ断シャリしようか?自分の思いを書き留めておこうかと思うことはあっても、現実的でないような、その時はその時かと呑気さとルーズさが顔を出す。
寂聴さんはたくさんの人の心を法話で救っている。時々テレビに出ていることがあって、その話しに聞き入ってしまう。
「呆けることだけは避けたい。だから、今のままで死にたい。今夜死んでも悔やむことは一切ないという」
誰でも呆けたくないと思う。
死にたいと言葉では言っても、クスリを呑み、悪いところは手術をしあがき続けるものだとおもう。
足腰が弱り、髪の毛が少なくなり、歯がぬけてしわがより、気力はあっても体力がついていかなくなり、自分の中のすべてが老い支度はいやでもはじまっている。
寂聴さんにだって、つらいせつない苦しい思いをしたことたくさんあって、眠れぬ夜も何度もあったろう。
何事も達観したお歳になって、自分の思うままに生きてきたからこその言葉かもしれない。