これは、土佐町田井地区にある西森理髪店の西森五明さんが見せてくれた写真です。
ときは昭和40年代後半から昭和50年代初めの頃。
曲がり角の左側
写真左側のお店の店先をよーく見てください。並んでいるのは…、三輪車やボール、多分ビニール製の人形(鹿?)や浮き輪。そう、ここはおもちゃ屋さんです。
お店の名は「岡本菓子店」。お菓子屋さんですがおもちゃも売っていて、毎日子供たちがおこづかいを握りしめ、群がるように来ていたそうです。現在40代の人たちには懐かしい、任天堂のゲーム機「ファミリーコンピューター」も売っていたとのこと。
「窓際のガラスのケースにはプラモデルとか、めっちゃ並んでた。よく行ったわ〜」
当時、岡本菓子店に通ったという人が懐かしそうに話していました。
右側は…
右側は、高知県交通の営業所。現在は嶺北観光の営業所になっています。当時、県交通のバスには車掌さんが乗っていて、営業所の二階に寝泊まりしていたそう。かなりの人数の従業員がいて、賑わっていたそうです。
当時は大川村や本川村への路線が走っていて、その路線が廃止されることに。公共交通路線がなくなるのは困るということで、現在の嶺北観光ができたそうです。時代と共に、自家用車を持つ人が増えていった頃だったのでしょう。
現在の曲がり角
現在の様子はこちらです。
写真左側、かつてあった岡本菓子店はもうありません。右側の県交通のあった場所は、嶺北観光の営業所があります。
この曲がり角で多くの人たちが行き交い、話し、遊び…。時には旅に出たり、帰ってきた人を迎えたりしていたのでしょう。この場所は、人の思いや人生の交わる交差点でもあったのです。