真冬の早朝、近所を歩いた。頬もまぶたも耳も手も凍え、起きたばかりの頭が一気に冴える。 耕された田んぼには、真っ白い霜が一面に広がっていた。しゃがんでよくよく見れば、氷の小さな柱が土とすき込んだ藁を静かに持ち上げている。 「冬は水田が凍りつくから、虫もよく死ぬる」と、お米作りをしている人が以前話してくれたことがあった。 山の稜線の向こう、朝焼けがまぶしい。今日はきっといい天気になるだろう。 この記事を書いた人 鳥山百合子 とさちょうものがたり編集者。2011年神奈川県から土佐町へ移り住む。土佐町の姿、この地で暮らす人たちのことを伝えられたらと思っています。 とさちょうものがたり編集者。2011年神奈川県から土佐町へ移り住む。土佐町の姿、この地で暮らす人たちのことを伝えられたらと思っています。 読んでほしい一覧へ