「太陽の棘」 原田マハ 文藝春秋
原田マハさんの小説は、いつも一気に読んでしまいます。
いつの間にか本に引き込まれ、そこにいる登場人物の気持ちになり、景色を想像し、最後はいつも心地良い。
膨大な資料を元に、まるでノンフィクションように書かれた本が多いですが、とてもおもしろくて読みやすく、その筆力に感激します。この本は、第二次世界大戦後、まもなく、沖縄のアメリカ軍基地の軍病院に派遣された若い精神科医が、貧しくても輝いている芸術家達との交流を通して人生の意義を見出していく。
本の最後にありました、著者の謝辞の言葉を書いておきます。
本作は、サンフランシスコの精神科医、スタンレー・スタインバーグ博士との出会いなくして、生れ得なかった。
本作執筆にあたり、数々の貴重な資料の提供と、また博士が精神科医として、1945年から50年まで、沖縄アメリカ陸軍基地に勤務し、ニシムイ美術村の芸術家達との交流した記憶をすべて語っていただいたことに深く感謝申し上げる。以下略。