この写真に写っている人は、前回ご紹介した写真「ボンネットバス」の車掌さんとして働いていた窪内花美さん。当時のバスには車掌さんが乗っていて、花美さんは土佐町や大豊町、大川村の路線に乗車していたそうです。車掌さんの制服と帽子、とてもよく似合ってますね!胸には「車掌」のバッチもつけています。
首から下げているのは、車掌さんのカバンと笛です。黒色のガマ口カバンには、バスの切符や切符を切るハサミを入れていたそう。乗ってきたお客さんに行き先を聞き、切符に書かれている行き先にハサミで穴を開ける。そしてお金を受け取る。切符を切る「パチン!」という音が聞こえてきそうです。
「笛は何に使うんですか?」と聞いたら「バックする時、吹くがよ。ピピーッ!ピピーッ!オーライ、オーライ!って」。
この写真は、土佐町西石原地区の旅館「くらや」の前で撮影した一枚です。「くらや」の建物は今も残っていて、当時の街の面影を伝えてくれます。「このくらやに、歌手の村田英雄が泊まった」のだと花美さんは教えてくれました。
この後、花美さんはご結婚され、車掌さんのお仕事は退職されました。「車掌の仕事は楽しかった!」とにっこり、懐かしそうに話してくれました。