「つきのぼうや」 イブ・スパング・オルセン 福音館書店
お月さまが夜空にのぼり、ふと下を見ると、池の中にももうひとりのお月さまがいました。
お月さまは月のぼうやを呼び「ちょいと ひとっぱしり したへ おりていって、あの つきを つれてきてくれないか」と頼みます。
月のぼうやは下へ下へと降りる途中、流れ星や飛行機、渡り鳥やこどもたち、魚たちに出会います。
さて、月のぼうやはもうひとりのお月さまを連れて帰ることができたでしょうか?
まあるいお月さまが美しく見える夜、空を見上げながら、すえ娘が「かあさん、つきのぼうや、どうしてるかな?」と言いました。
あっちにいるかな? それともこっちかな?
つきのぼうやを探して、月明かりに照らされた道を歩きました。
幼い人たちの目に映る月のある風景のなかにはいつも、つきのぼうやがいるのかもしれません。
鳥山百合子