「黄昏の絵画たち−近代絵画に描かれた夕日・夕景」
一日で一番ほっとするかもしれないひととき…。それが「黄昏時」「トワイライトタイム」「マジックアワー」そう呼ばれる時間帯かもしれない。 毎日20分くらいしかないその瞬間に、外に居れたら。散歩に出かけられたら。 この上なく満ち足りた気分になるのはどうしてだろう。。。
太陽がその日最後の持てるかがやきをふんだんに放ち、すべてが黄金色に照らし出される美しさのなかで静かに月は自分の出番を待っている。 この絵画展の図録に収められている絵を眺めていても、朝でも昼でもましてや夜でもないその一瞬の色彩のなかで、人々の情景をとらえた作品には安堵や優しさ、はたまた孤独や物悲しさがうかがえる。
今後、世界がどんどんめまぐるしく変化していっても、毎日黄昏時はおとずれる。 その心動かされる時間帯こそ、一番人間らしい刻かもしれない。