2017年5月

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

藤田英輔

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『ドレの絵で読むドン・キホーテ』 ヴィルジリ・妙子 (著), ヴィルジリ・クリスティーナ・幸子 (著) 新人物往来社

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インド。

ヒンズー教徒が人口の8割を占めるこの国で、近年、仏教徒に改宗する人々が爆発的に増えているそうです。

ヒンズー教(バラモン教)が数千年の間に作り上げたカースト制の中で差別され続けてきた人々が、こぞって差別のない仏教への改宗を行っているというのです。

その数、2017年現在では一説によると2億人とも言われています。

社会上、職業上、仏教への改宗を公にできない”隠れ仏教徒” が多く存在するために、正確な人数は誰も把握できていないようです。

ここから本題。

その2億人のインド仏教徒を導く最高指導者が、ひとりの日本人のお坊さんってこと、知っていましたか?

その人の名は、

佐々井秀嶺さん。

驚くほど多くのインド人から尊敬され慕われているこの佐々井上人が、来る6月21日、高知県土佐町に来訪されます。

 佐々井秀嶺(ささいしゅうれい)

 1935年、岡山県生まれ。インド仏教指導者。1988年インド国籍取得。ラジブ・ガンディー(当時の首相)からインド名、アーリア・ナーガルジュナを授与される。1960年、高尾山薬王院(真言宗智山派)にて得度。タイ留学を経て1967年渡印。1968年、カースト差別に苦しむ人々を救う人権運動でもある、インド仏教復興運動に身を投じる。2003年にはインド政府少数者委員会仏教徒代表にも選出された。                                   (「必生 闘う仏教」 集英社新書より)

”インド政府少数者委員会 National Commission for Minorities (NCM)” は、様々な宗教や言語がひしめく合うインドで、軽視されがちなマイノリティの声をすくい上げることを目的とするインド政府の機関。

当日は「現代日本人が見失ったもの」というテーマで、佐々井上人の目から見た日本について講演していただきます。

日時は6月21日(水)19時〜(18時半開場)、会場は土佐町農村集落改善センター(住所:高知県土佐郡土佐町田井1450)です。

煩悩なくして生命なし。必ず生きる……必生。この大欲こそが、大楽金剛です。すなわち、煩悩は生きる力なのです。ー佐々井秀嶺

 

文:石川拓也

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4001プロジェクト

澤田千恵野 (高須)

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私の一冊

石川拓也

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『わたしを離さないで』 カズオ・イシグロ(著)土屋政雄(訳)早川書房

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私の一冊

石川拓也

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『映像(イメージ)の論理』 ヴィム・ヴェンダース 河出書房新社

 

 

 

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キネマ土佐町

キネマ土佐町 秋

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キネマ土佐町の1作目、「秋編」

土佐町の秋を映像にしました。

山の暮らし、町の暮らし、手しごと、星空、雲の動き。

音楽はスペインのバイオリニスト、パコ・モンタルヴォ(Paco Motalvo)の”Oriental”。

 

撮影・監督・編集: 石川拓也  音楽:Paco Montalvo  製作:土佐町役場

 

 

秋 渡貫家Ver.

「秋編」には、本編とは別に「渡貫家Ver.」が存在します。

渡貫家は土佐町の平石という地区で自然生活を営む家族。「むかし暮らしの宿 笹のいえ」という宿もやっています。

「秋編」には渡貫家の長女「ほの波」と次男「耕丸」が登場しますが、渡貫家Ver.は加えて長男「玄人(げんと)」も出演(しかもセリフ付き!)します。

ラスト5分過ぎまでは本編と一緒ですので、映像の最後までご覧ください。

 

撮影・監督・編集: 石川拓也  音楽:Paco Montalvo  製作:土佐町役場

 

以下は曲を提供してくれたPaco Montalvoのyoutubeチャンネル。(内容は一緒です)

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土佐町ストーリーズ

ぽん太

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夜、電話がかかってきた。
電話は土佐町黒丸に住む仁井田さんからで「金曜日にパンを焼くけど今回はどうする?」
パンの注文の確認だった。
前回と同じくるみレーズンパンと、楽しみにしていたアップルパイがあると言うからそれもお願いした。

 

その時、私は外のベランダで電話をしていた。
電話口の向こうで仁井田さんが言った。

「犬の声がするね。犬がいるの?」
うちで飼っている犬のぽん太が、何か獣の気配を感じたのだろう、暗闇に向かってわんわん!と吠えていて、その声が電話の向こうまで聞こえたのだ。

「何年くらい前から飼ってるの?」と聞かれ、「4年前かな・・。土佐町に住んでいた氏次さんというお友達の犬に赤ちゃんが生まれた時、分けてもらったんです」と言うと、「え!じゃあ、ぽん太はうちの犬と親戚や!」とびっくりした声が聞こえてきた。

「氏次くんの犬、ゆらは、うちの犬のこどもなんよ。ゆらのお母さんの『じり』は今、僕の足元にいてあっためてくれてるよ。お父さんの『ムッチー』は、去年死んじゃった。じりとムッチーには2匹こどもがいて、そのうちの1匹がゆら、もう1匹がそら」。

 

ゆらは、ぽん太のお母さん。
つまり、仁井田さんのところの「じり」は、ぽん太のおばあちゃんなのだった。

「そらは今、どこにいるんですか?」と聞くと、「そらも、今、僕の足元に寝そべっているよ」と教えてくれた。

「そら」はぽん太のおばさん。
ぽん太のおばあちゃんとおばさんは、同じ土佐町にいたのだ!

仁井田さんと私はある意味、4年前から「親戚関係」だったのだ。
ぽん太の鳴き声が、今まで知ることのなかった家族を見つけた。

 

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