前回記事にした五右衛門風呂について、興味がある方や泊りにいらした方に説明する機会があるので、この場でも「笹のいえ流」お風呂の入りかたをお伝えしようと思います。また、いつか笹のいえに泊まってみたいという方への参考になれば幸いです。
・お風呂が沸いたらすぐ入る。
ガスや電気のお風呂ならボタンひとつでオンオフできるけど、薪風呂は温度の調整が難しい。熱いからといって一度火が消えてしまうと再度焚きつけるのに時間がかかってしまう。入浴時間中は基本的に常に火がついていて、湯温は徐々に上がっていくので、少しぬるめから入るのがオススメです。入浴準備に時間が掛かり過ぎると、今度は熱すぎて入れないということも。
・服を脱ぐ前に、水温を確認する。
適温だろうと早合点して服を脱ぎ、お湯に手を入れてみたらまだ冷たかった(または熱すぎた)ため、寒い浴室に裸で何分も震える羽目になった経験が何度かある。お客さんに入ってもらう場合、僕たちが事前にお湯の温度を確かめますが、ちょうど良い湯加減には個人差があるので、必ず確認をお願いしています。
・蛇口からは水しか出ないので、湯船のお湯を上手に使う。
浴室にあるたらいに上がり湯を貯めたり、入る前にかけ湯したり身体を洗うと、浴槽のお湯を綺麗にキープできます。ちなみに、シャワーはないので、頭からお湯を浴びるときは手桶をどうぞ。
・蓋を沈める。
先日の記事でもお伝えしたが、これがないと足の裏を火傷してしまうので、忘れずに使う。沈めるには少しコツがいるけれど難しくはありません。特に小さなお子さんと一緒のときは、大人が先に入って蓋を沈めてあげると安心です。湯が子どもに熱すぎる場合は、たらいに温(ぬる)くしたお湯を用意して、身体を慣らしてから浴槽に入るのも良いかもしれません。
・熱いと感じたら遠慮なしに水で埋める。
釜の下では薪が燃えているので、湯温はゆっくりと上がっていく。「温くしちゃうと次の人に迷惑になるのでは」と、熱いのを我慢して入り、すぐ出てきてしまう心優しい方がいるけれど、心配ご無用。温度が下がっても、薪を足せば湯が沸きます。
・石鹸などは備え付けのものを使う。
上下水道のない笹のいえでは環境負荷を考えて、シャンプーリンスの類は使いません。備え付けの生分解する手作り石鹸や自家製柿酢シャンプーをご利用ください。また同じ理由で洗剤や歯磨き粉も使っていません。ご協力をお願いします。
・身体が温かいうちに布団に潜り込む
じっくり入れば、入浴後もしばらく身体がポカポカします。とは言え、時間とともに冷えてくるので、その前に服を着込むか、布団に入って、その温もりを楽しみましょう。寒い時期には湯たんぽや豆炭あんかをお渡ししますので、布団の足元に忍ばせておくと、朝まで温かいです。
なんだか面倒そうでしょうか?確かに一般的なお風呂と比べると、気を付けなくてはいけないことが多いかもしれません。それでも、五右衛門風呂の気持ち良さ、一日の疲れから解放される温かさには敵いません。
より快適にお風呂を利用できるよう、今後さらなる改修や使い方の変更があるかもしれません。初めてお使いの方にはその都度ご説明しています。
写真:改修したばかりのころ。いまでは使い込まれて、赴きを感じる雰囲気です(ボロくなった、とも言う)。
五右衛門風呂