シコクバイカオウレンは2004年にバイカオウレンの変種(※へんしゅ)として発表されています。その際には四国に分布するものをすべて本種としていたようですが、その後四国山地の標高1000m以上の主に針葉樹林の林下に生えるもののみが本種であることが明らかにされました。
バイカオウレンとシコクバイカオウレンは花弁と花柱に微妙な形の違いがあるのですが、見分けが難しく私などではよく分かりません。
高知県にとっては期待感も格別な連続テレビ小説「らんまん」が、この4月からいよいよスタートしました。
第1週のサブタイトルは「バイカオウレン(梅花黄連)」
牧野富太郎博士がこよなく愛した花の一つであり、生家の裏山に咲いていたことから「博士の原風景」といわれています。
特徴のある葉っぱは牧野植物園のロゴマークにもなっています。
今回紹介するのは、標高1000m付近の山地に自生しているシコクバイカオウレンです。
「高知県レッドデータブック2022」では絶滅危惧種に指定されています。
高さ5~10㎝の花茎の先に1~1.5㎝径ほどの清楚な雰囲気の白い花を咲かせていましたが、個体数はそう多くありません。生息範囲もあまり広くはなさそうで、正に絶滅危惧種といった感じの生育状況でした。
それに引き替え牧野博士の故郷(佐川町)に咲くバイカオウレンの自生地には数十万株が群生するそうです。ここでは1~2月頃に咲き始め3月上旬には満開の時期を迎えるそうで、山の中に咲くシコクバイカオウレンより一ヶ月ほど早い花の展開になっています。
バイカオウレンは日本固有種。本州の福島県以南と四国に分布するそうです。
因みに花の形が梅に似ていることから梅花(バイカ)という名前がついたそうです。
※変種(へんしゅ):植物分類における階級の一つ。基本的には同類であるが、どこかがわずかに違っているようなもの。