安吉にある高峯神社の、本殿の手前にある参道です。
高峯神社は以前は琴平神社と双璧をなす様な神社で、入り口前にも旅館や商店などが立ち並んでいた時代があったそうです。
いつ来ても清浄な気持ちの良い空気が流れ、ここが特別な場所だということを教えてくれます。
ひとしきり走り回って遊んだ後に、木の幹の一点を見つめているのは村上一平くん。
何が見えているのでしょうか。
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図らずもTPP。あっちのTPPではありません。
土佐町在住の写真家、石川拓也がひと月に1枚のポストカードを作るプロジェクト。
2016年11月から始まり、たまに遅れたりもしながら、いちおう、今のところ、毎月1枚発表しています。
各ポストカードは土佐町役場の玄関と道の駅さめうらにて無料で配布しています。
「山ちゃんルーレット」 山門修平 新風舎
この本は若かりし頃、出会うずっと前の20代はじめの夫が書いた本です。若気の至り、若さゆえのノリと勢いで20万円だけ持って世界一周しようとした海外旅行記。
この本のことはもう彼にとってはとっくに過去の葬られた記録として見向きもしませんが、今改めて読み直すと彼が一人で自由に生きてきたこと、一所懸命毎日を過ごしていた様子が伝わってきます。内容は息子や娘がいつか大きくなったときに読んだら、ゲッてなる(親ゆえに余計に)内容も多々含まれてますが、きっともっと大きくなったとき読めば、おもろい親父やったんやなぁ〜って思ってくれるんじゃなかろうか?どうだろか。汗。
大阪から船に乗って上海へ、歩いてベトナムの国境をまたぎ、バスに乗ってタイ入り。インド〜トルコからの飛んでアイスランド、イギリス&スペイン、スイス…新潟。途中、もちろん資金は底をつきレストランで働いてお金をつくったかと思えば、ボラれてお金を失ったりさまざまなトラブルに遭いながらもその倍以上に現地でたくさんの人に助けられ、素直な気持ちでその時その時を綴ってます。(文章めちゃくちゃだけど)
私も一人海外旅行が好きだった人間ですが、彼のようなハードな旅は出来ませんでした。でも、旅をしている時間は、人生を凝縮したような濃い時間が流れる気がします。見知らぬ土地で独り、いろんなことを考え、いつもいる日本での生活を離れてみることによってわかること大切なひと、そして自分自身が見えてくることがたくさんありました。
ちなみにこの本を出版するにあたり借金した彼はその返済のため北海道で漁師のバイトをし、滋賀で銅を精製?するバイトに打ち込んだそう。 昨年は、家族みんなで北海道でお世話になった船頭に会いに行く旅に出かけました。どうやら山さんルーレット、まだまだ旅の途中のようです。
『欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」』 奥田昌子 講談社
日本人の体質に合った健康法が説得力のある化学的な根拠をもって紹介されている。
カルシウムの摂取量が多い国ほど(アメリカ・ニュージーランド・スウェーデンなど)大腿骨頸部骨折を起こす人の割合が高いという報告もあるそうです。
カルシウム摂取と骨折しやすさの関連についても、食事からのカルシウムの摂取量と骨折の発生率には関連がないという論文も2015年に発表されている。
知らず知らず摂取しているカフェインも要注意、日本人の4人に1人はカフェインを150㎎摂取するだけで不安定な気持ちになるという報告がある。カフェイン150㎎というとコーヒー1杯に含まれる量らしいです。
他国の長寿の方たちの食生活を参考にしても、必ずしも日本人に有効とは限らない。日本人が古来よりなじんできた食生活が日本人の遺伝子には適応する。
健康のためと称して偏った食生活を送る事は、逆効果の場合もあるそうなので、体調に留意しながら自分に合った食生活を送る事が重要であると再認識させられた。
「全国駄菓子屋探訪」 土橋真 トゥー・ヴァージンズ
土佐町のおとなりのまちに駄菓子屋さんができて一年が経つ。
一周年とは思えない味のあるお店で、息子も娘もそのお店が大好きです。 ……… 自分も子供の頃、近所の小さな駄菓子屋のおばあちゃんとおじいちゃんが大好きで、今でもはっきりその二人のやさしい眼差しと笑顔が思い出せます。
子どもの頃に出逢った大人達は大きくなってから出逢った人以上に心に残るような気がします。子どもは自分に優しいか否かの大人を瞬時に見抜く力があるような。その能力はきっと自分を守る力につながってるような。 駄菓子はカラフルでウキウキするユニークなデザインで心をつかみ、所狭しとびっしり並ぶ様は夢のよう。
セルフレジとは対極にあるおばちゃんやおじちゃんが一個ずつ一円単位の細かい計算をしてくれ、子ども達と何気ない会話を交わす。そんな駄菓子屋さんで過ごすひとときは子供時代の宝物だと思います。
実は、土佐町には駄菓子屋さんではないけれど、お菓子があっていつもニコニコ笑顔のやさしいマダムが迎えてくれる場所があります。その空間は老若男女にとってオアシスで、そこを訪れた誰もが生きる活力をもらえます。
そんな場所に出入りする子どもたちをみて、駄菓子屋さんが町になくてもそれ以上に幸せな子供時代を過ごしてるなぁ~とほほえましく思うのでした。
「ピアノ」 いせひでこ 偕成社
月に1度くらいの頻度で、絵本の紹介をラジオでしています。土佐町に移り住む前からですので、紹介した絵本の数もずいぶん増えました。その時々に気になった本、心を動かされた作品を取り上げていますから、一人の作家に偏ることはないはずなのですが、あらら~? 複数回取り上げている作家もいるにはいて、いせひでこさんもそんなお一人です。
確かなデッサン力に裏付けされたいせさんの絵は目に見えないもの~匂い、風、心など~を形にして届けてくれます。記憶や過ぎ去った時間を描いてくれます。目に見えないものがいせさんの筆によって目に見えるものとなって、絵本に収められているのを見るたびに感嘆してしまいます。
『ピアノ』では女の子がたどたどしく弾くカノンとそれを支えるピアノの音。燕尾服に盛装した老人が奏でるモーツァルトの音が、透明感もあふれた色遣いと選びぬかれた言葉によって形になり、聴こえないはずの音色が耳の奥に響いてきます。
『「ただの空気」が吸えなくなりました~化学物質過敏症で無職になった話~』金子ユリ原案, 武濤洋原作,吉野あすも漫画 ぶんか社
「香害」「化学物質過敏症」という言葉を見たり、聞いたりする機会が増えてきました。発症し、毎日を何とか生き延びていらっしゃる方が町内にもいらっしゃいますから、関心を持たれている方も多いことと思います。どうして発症するのか、どのような症状が現れるのか。発症した方が少しでも楽に暮らすためには何をすればよいのか、何ができるのか。
答えは一つではありませんが、原案者の金子さんと原作者の武濤のお二人はどちらも「化学物質過敏症」を発症されており、ご自身の体験を落としこんでできた本書は、理解の一助になると思います。
今後、発症者が増えると予想されている「化学物質過敏症」。まずは知ることから始めてみませんか。土佐町立図書館、土佐町小中学校図書館どちらの館も所蔵しています。ぜひご利用ください。
とさちょうものがたり編集部の鳥山が、2023年春より、高知新聞の「閑人調」というコラムに寄稿させていただいています。
このコラムには数人の執筆者がおり、月曜日から土曜日まで毎日掲載。月初めにその月の執筆者の氏名が掲載され、コラム自体には執筆者のペンネームが文章の最後に記されます。
鳥山のペンネームは「風」。月に2回ほど掲載されます。
ご縁があって、今ブータンにいる。長年、土佐町と交流のある京都大学が実施する国際協力機構(JICA)草の根技術協力事業に同伴し、東部のタシガン県などの町や村を訪れた。
ブータンはヒマラヤ山脈の東に位置し、7千メートル級の山々が連なる。標高差が大きく、南は標高100メートルから、北は7500メートルにわたる。飛行機からブータンの最高峰ガンカー・プンスムが見えた。人類未登頂のその山は雲の上に浮かび、雪をまとう姿は荘厳だった、
降り立ったブータンの地は急峻な山の斜面に家々があり、一本の道がどこまでも続いている。男性は「ゴ」、女性は「キラ」と呼ばれる民族衣装を着ている人をよく見かける。
日本人とよく似た顔で、目が合うとはにかみながらほほ笑んでくれる。土佐町にも同じようなお顔をした人がいるなあと、とても親しみを感じた。
公用語はゾンカ語だが、日常的に使われる言語は地域によって異なり、文字を持たない地域もあるそう。小学校から授業は英語で行われ、子どもも大人も英語を話せる人が多い。
よく使うゾンカ語の単語は「カディンチェ」(ありがとう)「グズサンポーラ」(こんにちは)。
表記文字は難解で頭に全く入ってこない。
(風)
2024年3月11日、高知新聞に掲載されたコラム「閑人調」です。3月1日〜12日まで滞在したブータンについて。
「土佐町からブータンへ行きたい人はいませんか?」
そう声をかけてくれたのは、京都大学東南アジア地域研究研究所の坂本龍太さん。坂本さんは土佐町で行われている高齢者フィールド医学(高齢者健診)に約10年前から携わっている医師で、ブータンの方が土佐町を訪れた際にはとさちょうものがたり編集部へ立ち寄ってくれ、シルクスクリーン印刷でTシャツを一緒に作ったりしていました。それがご縁でお声がけいただき、「行きたいです!」と手を挙げました。
ブータン農村部では過疎化や高齢化などの問題が深刻化しており、京都大学はブータン東部にある王立大学シェラブツェ校と連携し、地域づくりに関する人材育成を支援しています。
「農業」、「地域保健」、「文化(地域資源活用)」。この3つの分野から大学と地域、関係機関の活動や連携を支援し、ブータンと日本の学生や現場で働く人の交流や学び合いをしようという内容です。
日本各地で仕事をしている日本人がブータンを訪れ、交流することは今回が初めてとのこと。京都の宮津市から2名、岐阜県白川町から1名、土佐町から私(鳥山)ともう1名が参加しました。
滞在中、土佐町へフィールド医学の視察に来たことがあるという方や、一緒にTシャツを作った方と再会しました。ブータンと土佐町のご縁がつながっていることを感じました。