「はるがきた!」 ジーン・ジオン文, マーガレット・ブロイ・グレアム絵, こみやゆう訳 主婦の友社
春から夏、夏から春、と季節の移ろいを感じる時間は楽しいものです。その中でも特に冬から春になる時間は格別に思われます。でも、例年なら春の気配を感じるころなのに、どこもかしこもどんよりとした灰色だとしたら、どうしますか?
「どうして春を待たなくっちゃいけないの? ぼくたちで春をつくっちゃおうよ!」と町の人たちに呼び掛ける小さな男の子。その言葉に鼓舞されて、人々は町を春の色に塗り替えていきます。町中すっかり春の装いになった夜、嵐がやってきて…。
自然災害や戦争や感染症など、自分の力だけでは好転させられないものはたくさんあります。でも、あきらめずに願い、行動し、希望を失わずに生きていればきっと待ちわびる「春」がやってくることを伝えてくれる絵本です。