毎朝しっかりと霜が降りる時期になった。
寒いのは苦手だけど、冷え込む日は快晴が多いので、日が昇るのを温まりはじめたストーブの前でじっと待つ。
そんな朝、車に乗るとき、ストーブの上にあるやかんを持っていく。フロントガラスに付いている霜を溶かすためだ。
湯気を出しながらガラスを滑っていくお湯はやがて水となり、さらに流れながら再び凍りはじめる。ガラスには、なんとも不思議な模様が描かれていく。
エンジンを掛け、ヒーターが車内を温めるあいだ、子どもたちとその様子を眺める。寒さを我慢したご褒美みたいだ。