石川拓也

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

石川拓也

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「三体」 劉 慈欣 (著), 立原 透耶 (監修), 大森望 光吉さくら ワンチャイ (翻訳) 早川書房

三体。この風変わりなタイトルは、古典力学用語の「三体問題」から来ています。

三体問題ってなんですか? この本を読んだ直後はわかった気になったのですが、今となってはよくわからなくなりました。生粋文系には難しい単語です。

これは中国で発表された中国人の作家によるSF小説。中国では2,000万部売れたそうです。桁が違う。

中国産SF小説、テーマは地球外生命体(作中では三体人)との交流です。

話の本筋とはずれますが、中国産SF小説の場合、舞台は中国。主役は中国人。

これは考えてみれば当たり前のことですが、ウルトラマンの怪獣がいつでも日本に現れるような、世界征服を目論むショッカーがなぜか北関東の小さな町で活動していたりする事実とか、そんな設定を当然のものとして受け止めて育ってきた自分にとっては新鮮な発見でした。

どこの国の人でも、やはり自国を中心に物語を作る。

中国産SF小説を読んで初めて自分が持つその虚構に気づいた僕は、ハリウッド映画などに影響されすぎているのかもしれません。

 

 

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土佐町ポストカードプロジェクト

2020 Feb. 立割

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冬の夕陽。

土佐町から16号を通って工石山にさしかかる少し手前、立割集落のあたりから西の山々を望んだ風景です。この辺りは標高も高く、冬の空気は冷たく澄みきっています。

陽が沈む直前から撮り始め、定点観測的にシャッターを押し続け、陽が暮れて暗くなるまで撮影しました。あとで取れたものを確認し、夕陽は山陰の向こうに落ちたけれど空はまだ明るいという「黄昏」の瞬間を選びました。

 

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4001プロジェクト

山下一弘 (田井)

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僕(石川)の自宅から徒歩15秒のところに住んでいる山下一弘さん。

ある日歩いてスエヒロに向かっている時に、お庭でなにやらしている一弘さんと出会いました。

その時は手ぶらだったのですが、すぐさま自宅に戻り(なにしろ徒歩15秒の距離なので)、カメラを持ってきて撮影させていただきました。

お庭で火を焚いて煮ていた鍋の中身は里芋だそうです。

 

 

 

 

 

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4001プロジェクト

高橋通世・輝さん

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とさちょうものがたりが長年に渡りお世話になっている上津川の高橋通世さん。

これまで「撮影協力」として多くの記事にお名前を記載させていただきました。

通世さんは山の人。猟に連れて行ってもらったり、ハチミツの収穫を体験させてもらったり、本当に多くのことを教えていただきました。

絵描きの下田さんが土佐町を訪れた際に、愛犬のビーグル輝さんと一緒に撮影しました。犬小屋付近に見える後ろ姿は夏さんです。

 

 

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4001プロジェクト

高石清賢・美和・和佳・昌悟 (上ノ土居)

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上ノ土居の高石清賢さんとご家族です。

撮影したこの日は記念日。2月23日に、上ノ土居の集会所で清賢さんの還暦のお祝いをしました。町の内外からすごい人数が集まってワイワイと盛り上がっていました。会の合間にご家族に出てきていただいて撮影した一枚です。

清賢さんがこれまで歩んできた道が垣間見えた会でもありました。

 

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私の一冊

石川拓也

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「ネパール・インドの聖なる植物」 著者:T.C マジュプリア 訳者 西岡直樹 八坂書房

 

土佐町に移ってくる少し前の数年間、インドに頻繁に行っていた時期がありました。

グジャラート州というインド北西部の、友人となったあるインド人家族を訪れるため、年に2、3回は飛行機を乗り継ぎ訪問していました。

ラオさんというその友人の家に寝泊まりさせてもらい、長い時には1ヶ月や2ヶ月インドで過ごしていたので、これは旅というよりかはホームステイに近いものだったかもしれません。

お父さんのバーラット、お母さんのプラティマ、姉のクルッティ、弟のダムルー。

とても仲の良い家族の中で、僕も家族の一員として暖かく遇してもらい、クルッティの結婚式があった際には弟のダムルーと共に「新婦の兄弟」として出席しました。

そんな訪問を繰り返していた最中、別れ際にお母さんのプラティマが手渡してくれたのがルドラークシャという木の実をつなげた数珠。

「これはあなたを守ってくれるから」と言いながらぼくの手首に巻いてくれたのです。

帰国後、ルドラークシャが一体なんなのか知りたくて読んだのがこの本。

ヒンドゥー文化が数千年の間、大切に紡いできた植物への考え方がとても詳しく解説されています。

ルドラークシャの項によると、ルドラークシャ(ジュズボダイジュ)はヒンドゥ文化の中で非常に重要な植物であるとのこと。

古伝説を紐解くと、ルドラークシャは主神シヴァ自身である。シヴァ神は別名ルドラという。数珠に使われる種子は神聖で、縁起がよく、それを見ただけでもたいへんなご利益があるという。

お母さんのプラティマは「これを身につけていたら健康になる。高血圧も治る!」と力説していましたが、ヒンドゥの伝説の熱量からするとそれもどうやら真実であり、なによりもプラティマのその気持ちをうれしく感じたのでした。

 

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私の一冊

石川拓也

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「SLEEPING BY THE MISSISSIPPI」 著者:Alec Soth   発行:Steidl

アメリカ人写真家アレック・ソス(Alec Soth)の写真集です。

アメリカのミシシッピ川流域の、そこに住む人々や風景を大判カメラで撮影した一冊です。

異論もあるかもしれませんが、僕はアレック・ソスの肩の力が抜けたやる気のなさが好きです。やる気のなさと言うと語弊があるかもしれませんが、強い感情や緊張感や超絶技法とか計算され尽くした構図とか、そういうのナシで、「そのまま撮りました〜」みたいな感じ。

これを自分に置き換えると、できそうな気がしてできないので好きなのです。

ゆるいリズムと低いトーンで心地よい音楽が流れているような写真集です。

 

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土佐町ポストカードプロジェクト

2020 Jan. さめうら湖

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さめうら湖 | Lajos Gyokos, Zorka Gyokos

 

さめうら湖にできたカヌーのコース。

とても良い光が差すある昼下がり、レンズを向けて「ここでカヌーが来てくれたら最高なんだけど」と思っていた矢先に、大川村方面から登場したカヌーの2人。

そのふたりはハンガリーから土佐町に来てカヌーを教えているラヨシュと娘のゾルカちゃんでした。

橋の上から挨拶し、撮影したのがこの一枚です。

 

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4001プロジェクト

川村豊子・水野和佐美(南川)

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先日お伝えした「かじ蒸し」の現場での一枚。

中央に鎮座するのが楮を蒸すための「甑(こしき)」。内部では楮の束が、このときも蒸され中です。

こうして蒸している間に、すでに蒸し終わった楮を皮剥します。和紙になるのはこの皮の方で、黄色の芯の部分は燃えやすいので焚付けなどに使われます。

 

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私の一冊

石川拓也

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「死んだかいぞく」 下田昌克 ポプラ社

とさちょうものがたりがスタート時からとてもお世話になっている絵描きの下田昌克さん。

とさちょうものがたりzineも、どんぐりやファーストなど障がい者支援施設と協働で行なっているシルクスクリーン事業も、下田さんの力なしでは実現しなかったことでしょう。

その下田さんが、新しい絵本を作りました。

その名も「死んだかいぞく」。

絵本だけど「死」。絵本だけど表紙が真っ黒でガイコツ。最初のページから、かいぞくが刺されて死ぬところから話は始まります。

帯にもあるように、この本のテーマは「死ぬとは?」。

死生観とは?命とは?肉体とは?生きるってどういうこと?

本当に大事なことは簡単な言葉で語られる。誰かが言っていたそんなことを思い出しました。

深海の青がとにかく妖しくきれいです。

 

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