石川拓也

“4,001”

土佐町の現在の人口です。(2017年6月末時点・土佐町公式サイトによる)

注:土佐町の総人口が3,997人(2017年4月末時点)から4,001人(6月末時点)に増加したことに伴い、当プロジェクト名も「4,001プロジェクト」に変更になりました。

“4,001プロジェクト”は土佐町に住む人々を、全員もれなく、写真家の石川拓也が撮影する計画。

念のため書いておくと、「全員もれなく」…あくまで目標です。

土佐町の人口の増減によって、タイトルもたまに変わります。  (敬称略・撮れたときに不定期更新)

4001プロジェクト

宮元千郷 (宮古野)

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

 

先月「土佐町ポストカードプロジェクト」で撮影させていただいた宮司の宮元千郷さんです。12月初旬の高峯神社の神祭の際に、神事を終え一旦下まで降りてきていた宮元さんにお願いして撮影させていただきました。

登山道のように険しく長い参道を一緒に登ってこの場所まで戻っていただきました。感謝です。

宮元さんは土佐町の宮古野にご在住。代々、この近辺の神社を司る宮司の家系の方です。以前、高峯神社の記事を作る際にも大変お世話になりました。

ぜひ、以下の記事も併せてお読みください。

 

2018 Nov.

土佐町の大神様 髙峯神社 前編

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

石川拓也

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「美しい川」 高橋宣之 小学館

「水が透明であるという喜びを知っていますか」

尊敬すべき先輩写真家・高橋宣之さんの写真集です。

ご存知の方は特に高知には多いと思いますが、高橋さんは仁淀川を撮り続けている写真家。「仁淀ブルー」という言葉はこの人の仕事から生まれました。

この本も川の美しさを冷凍保存のように切り取った写真で構成されています。一枚一枚の写真の美しさもさることながら、「川を撮る」という場合の、視点のバリエーションの豊かさに驚かされます。

言ってみれば、あるときは虫の眼になり、あるときは魚の眼に、鳥の眼で撮られたものもあります。そう考えると、この本自体がひとつの生態系を成しているようにも感じます。

「川」とひと言で言った時に、これほど豊かな撮り方がひとりの写真家の内部で息づいている。そのこと自体が真似のできることじゃないよなぁ、とため息の出る思いです。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
4001プロジェクト

西村卓士 伊藤愛浬 式地惟織 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

 

先の記事と同じ日に撮影した、地蔵寺の河内神社の神祭からのひとコマです。この地蔵寺の河内神社(土佐町には河内神社がたくさんあります)は、上地蔵寺、中地蔵寺、下地蔵寺、平石の4つの地区が集まって神祭を執り行っています。

写真は前町長であり宮司の西村卓士さんと、巫女で舞踊を披露した地元の女の子3人。毎年、地元の小学生女子が巫女となり「浦安の舞」を披露するのだそうです。

 

神野龍樹 筒井悠太 式地悟志  

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
4001プロジェクト

神野龍樹 筒井悠太 式地悟志  

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

 

土佐町の住民全員を撮影しようというこの「4001プロジェクト」。
可能な限り、土佐町の方々の暮らしに寄り添う形で撮影したいと思っています。今回は、地蔵寺の河内神社で12月9日に開催された神祭のときの一枚。神祭りで活躍した地元の若衆4人です。

12月初旬のこの時期、土佐町の神社やお宮のあちこちで神祭が行われています。地蔵寺の河内神社でも執り行われ、男衆が神輿を担いで境内を一周、女の子が「浦安の舞」を披露し、最後に餅まきを盛大に行って終わります。

高峯神社の項でも書きましたが、昔から綿々と続くこの神祭は、農作業をひと段落した時期の地域の人々が、神社やお宮を通じてもう一度、土や水や樹木と関係を結び直す日。

五穀豊穣・家内安全・商売繁盛など、祈る対象は人それぞれなのでしょうが、無事に稲を収穫し終えた人々のホッと一息というような気持ちは、昔も今も変わらないのだろうなと思います。

 

西村卓士 伊藤愛浬 式地惟織 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

石川拓也

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone


「峠」 司馬遼太郎 新潮社

友人から勧められた一冊。 友人曰く、生前の司馬遼太郎さんが「もっとも思い入れの強い作品は?」と聞かれ答えたのが、「燃えよ剣」とこの「峠」だったのだそうです。

司馬さんの著作は結構読んでいたつもりでいたのですが、これはアンテナから漏れていました。ただ読んでみると非常に面白い。派手さはあまりないので、司馬さんの著作の中でも渋い方の作品ですね。

主人公は河井継之助(かわいつぎのすけ)。幕末期の越後長岡藩家老になった人物です。

家老になる以前に江戸に学び、長岡藩で唯一と言っていいほどに鋭敏に時流を嗅ぎ取っていた人物だそうです。

幕末の動乱の最中、その継之助が思い描いたものは、自身が率いる長岡藩を、まるでスイスのように「武装中立国」とすること。これは横浜で出会ったスイス人商人との交流の中で生まれたアイデアでしたが、継之助は実際に当時最新鋭であったガットリング砲を購入し、「武力による中立」を目指します。

歴史の結果を言ってしまうと、薩長軍でも幕軍でもないという存在は、当時の時流に飲み込まれ、継之助が思い描いた「中立」は叶わず、長岡藩は幕軍の一員として戦わざるをえなくなります。継之助のアイデアは結果的に上手くいかなかったわけですが、それでもその先見性と、理想を実現化する行動力には、「こんな人が日本にいたのか」と驚かされます。

2枚目の写真は、継之助が考えていた「知識」と「行動」についての一部。「行動」しなければ「知識」など何の役にも立たん、というようなセリフはこの「峠」の中でなんども繰り返し出てくる言葉です。

継之助の書簡などから司馬遼太郎が導き出した言葉であるのでしょうが、なんとなく司馬さん自身の言葉を継之助にアテ書きしているようにも感じられます。

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
4001プロジェクト

藤田英輔・純子 (森)

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

 

森、役場のすぐ近くにお住まいの英輔さんと純子さんご夫婦。とさちょうものがたりはオープン当時からたいへんお世話になっているご夫婦です。
お二人とも大変な読書家で、「私の一冊」という土佐町の方々がオススメの本を紹介するコーナーでは、面白そうな本をたくさん教えていただいています。「私の一冊」のお二人の記事の、お名前の部分をクリックすると、お二人がこれまで紹介した記事が並びます。ずらっと並べてみると、英輔さんと純子さんの人柄も滲み出てくるような気がしませんか?

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
土佐町ポストカードプロジェクト

2018 Nov.

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

高峯神社 | 宮元千郷

 

以前もポストカードに登場した高峯神社。峯石原をさらに登った安吉という集落にあります。登山道のような参道、山頂に突然現れる本殿。山全体が清浄な神域であるという、中世から続く信仰心の強さを感じる場所です。

高峯神社、毎年12月の第一日曜日には神祭を行います。今年は12月3日に行われました。宮司さん、総代の方々、地区長さんたち、高峯神社の一年で最も賑やかな1日なのでしょう。

宮司の宮元千郷さんにお願いして撮影させていただきました。宮元さんがそこにいることで初めて完成した風景です。

 

2018 Feb.

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
土佐町のものさし

③ ブータンの質問

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
この連載「土佐町のものさし」は、現在進行形の旅の記録。
時代とともに変化していく世界の価値観(=ものさし)の大きな流れの中で、土佐町の人々が、土佐町のためにこれから作っていく「土佐町のものさし」を探し求めて歩く旅の記録です。

 

「←いまココ!」の土佐町では、住民幸福度調査アンケートの作成の真っ最中です。

 

 

そもそも「幸福度をものさしにする」とはどういうことか?

これは経済至上主義があまりにも強くなりすぎた世の中に対する反省から生まれたものでした。

経済は結局のところ数字での競争でしかなく、人間が生きていく中で、「経済」というものさしに頼りすぎてはいないでしょうか?という問いがその根本にあります。

ブータンのGNHの考え方は、人間が生きていく上では経済だけでなく、以下の3つの要素に依っていると考えています。

3つ合わせて「人間社会」が作られているという考え方

そんなの当たり前じゃないか!と「渡る世間は鬼ばかり」のえなりかずき並みに口を尖らせて言う人もいるかもしれません。

えなり

 

 

ただ、この3つの要素がバランスよく大切にされてきたか?という問いには、「経済が重要視されすぎている」「経済が成長することばかり目指したせいで、他の二つを犠牲にしている」と感じる人が世界中に数多くいる、ということなのです。

私たちも自分たちの未来や環境を考える際に、「経済のため」に余りにも重点を置きすぎていないですか?

●「学ぶ・勉強する」目的が「経済のため=より稼げる仕事に就くため」になっていないですか?

●より多くのお金を稼ぐために、環境や人間関係や地域コミュニティを犠牲にしていないですか?

●大きなビジネスが良いとされる世の中で、人間が経済の歯車のように扱われていないですか?

もちろん今のご時世、お金を全く稼がずに生きていくのはとんでもなく難しいことでしょう。GNHは経済発展そのものを否定するものではなく、要は、自然環境や地域コミュニティや伝統文化を破壊してまでも経済発展すべきですか?という問いかけであるのです。

そんな経済発展は、人間を幸せにしていないんじゃないですか?と。

そう考える人がどんどん増えていることで、様々なコミュニティが、または企業や国が、経済一辺倒ではなく「幸福度」というものさしへ方向転換してきている、というのが現在の状況です。ちなみに、ブータン国王は1970年代から同様のことを言い続けています。

 

 

さて、土佐町。

現在はアンケート内容の作成の真っ最中です。

前回の記事で書いたように、「他と比較するためではない」という方向が定まり、可能な範囲で「土佐町ならでは」な質問をしたいと考えています。

 

参考にしているのはブータン

 

ではブータンは実際にどのようなアンケートを行っているのでしょう?「ブータンらしい」と私たちが感じた質問をいくつかピックアップしてみましょう。※引用は全て2015年度ブータンGNHアンケートによります。翻訳/石川拓也

 

●歴史の知識

Q63:以下の事柄について、あなたの知識と理解度を自己採点してください。

とても詳しい 詳しい 平均的 あまり知らない 全く知らない
1 地域の伝説や民話 5 4 3 2 1
2 王様の歴史的な行事 5 4 3 2 1
3 国民の日 5 4 3 2 1
4 ブータンの王様5人の名前 5 4 3 2  1

端的に言えば、ブータンのアンケートは「こういったことを多くの国民がよりよく理解している状態が望ましい=幸福度が高い」というひとつの価値観を示すものでもあるでしょう。

単純にさまざまな国民の状態をより詳しく知るための質問も多いのですが、上のようにブータンの価値観を現すような質問がとても多いこともブータンのアンケートの特徴です。

 

続けてもう一つ。

●伝統的なものへの知識

Q72:以下に挙げた技能をあなたは持っていますか?

とてもよくできる まあまあできる できない
1 織物 3 2 1
2 刺繍 3  2 1
3 絵画  3  2  1
4 大工仕事  3  2  1
5 木彫り 3 2 1
6 彫刻 3 2 1
7 鋳造 3 2 1
8 鍛冶 3 2 1
9 竹細工 3 2 1
10 金細工・銀細工 3 2 1
11 石工 3 2 1
12 革細工 3 2 1
13 紙細工 3 2  1

これも質問の意図はとても分かりやすいと思います。

つまりブータンは、「こういった伝統的な技能が失われずに、人々の生活の中で生かされている方がより幸福度が高い」という価値観を持っているということです。

これ以上は言い過ぎかもしれませんが、このような技能が社会できちんと活躍できているかどうかが、すなわちコミュニティの活力を測るものさしとして機能していると考えているようにも思います。

今後の行動のためのアンケート

こういった価値観の表明のような質問の元、5年ごとに行われているアンケートの結果が、例えば「技能が少しずつ失われている」ということを示したとするならば、政府や行政はそれを食い止め、逆に活性化する手立てを講じていく。そういった行動の指針のためにあるアンケートが幸福度調査なのです。

これからも少しずつブータンのアンケートは紹介していこうと思います。

「ブータンならでは」が色濃く出たこのアンケート、外国人の僕からすると、とても微笑ましい。そしておもしろい。ブータンの暮らしに根ざしたものであるが故に、アンケート制作者のブータンへの愛情や深い洞察を感じます。それは「ブータンってこういう生活なんだ!」とか「こういう考え方をするんだ!」という驚きに繋がります。

完成させるのは土佐町に暮らすあなた

こういった「ブータンならでは」なアンケートをモデルに「土佐町ならでは」なアンケート内容を、現在絶賛作成中です。もっと正確に言えば、アンケートの叩き台を土佐町役場が作っている真っ最中。

この叩き台、今後は住民検討会にかけて、土佐町のみなさんにその内容を叩いていただきます。目指すところは「土佐町の価値観を表すアンケート」。

叩くのは土佐町のみなさんです。完成させるのは、土佐町に暮らすあなたです。

上に挙げた二つの質問、土佐町の暮らしに根ざしたものにするとしたら、どういった質問になるとあなたは思いますか?

 

最後にもう一つ、ブータンらしい!と個人的にもっとも感じた質問です。

 

●自然とのつながり

Q105:以下の文章に同意しますか?

自然は魂と神性の領域である。

 

 とても強く同意する 同意する 同意も反対もしない 反対する 強く反対する わからない
5 4 3 2 1 8

ブータンの精神性が如実に現れた質問だと思うのですが、これを土佐町に置き換えるとしたら‥‥‥?

ぜひ皆さんも一度考えてみてください!

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

石川拓也

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「エンゲージド・ブディズム入門 しあわせの開発学」 スラック・シワラック  ゆっくり堂

エンゲージド・ブディズム(Engaged Buddhism)は日本語で「社会参画仏教」と訳されています。語感としては「行動する仏教」「闘う仏教」という意味。

「お坊さんは閉じこもって座禅や瞑想ばっかりしないで、社会の問題と真正面から立ち向かうべき」という姿勢を基にしています。

そういえば、とさちょうものがたりオープン直後に土佐町で講演をしていただいたインド仏教の指導者・佐々井秀嶺さんも「行動する仏教」を体現した人のひとり。「思想や知識は行動のためにある」ともはっきり仰ってました。

この本はエンゲージド・ブディズムの指導者スラック・シワラックの視点から、社会がなかなか解決できないでいる様々な問題について、また問題に対する考え方や解決法について語られます。「行動の人」が語る言葉には一種の重さと説得力がありますね。

GNH(国民総幸福度)の話も出てきます。印象的だったのは、「小さいビジネスをしよう」という文章。ビジネスを大きくすること、際限なく成長させることに目標を置くこと自体がそもそも間違っているし不可能なことなのではないか、という考え方。

現在、土佐町役場が準備中のGNH(国民総幸福度)による「土佐町のものさし作り」にもとても参考になる話です。

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
土佐町のものさし

② ブータン先輩

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
この連載「土佐町のものさし」は、現在進行形の旅の記録。
時代とともに変化していく世界の価値観(=ものさし)の大きな流れの中で、土佐町の人々が、土佐町のためにこれから作っていく「土佐町のものさし」を探し求めて歩く旅の記録です。

 

前回、ブータンのGNH(国民総幸福度)について触れました。

繰り返しになりますが、GNHはGNP(国民総生産)では計れない、本当の「豊かさ」を計り、国民がより幸せを感じる国にしていきましょうという指標です。

では、GNPって一体なんなんでしょう?

と、このあとGNPの問題点などを書こうと思ったのですが‥‥

ぜ〜〜んぶやめました!

なぜなら、本に書いてあるようなことをくどくどと解説するのはこの連載の目的ではない、と気づいたから。当初の予定は、GNHについての理解を深めた上で、では土佐町のやりたいことは?という話の進め方をしようとぼんやり思っていたのですが、ぜんぶやめます!

土佐町では今このときにも、現実が刻一刻と動いています。本を読めばわかることをここで書いているヒマはない。現在、土佐町役場が取り組んでいるGNHに基づいた「土佐町のものさし」作りはもうすでにスタートしています。この連載は、その「現実の取り組み」を中心に追いかけていきます。2話目で突然すみません^^;

 

さて、土佐町。

大まかに取り組みの流れをざっと書くと、

住民幸福度調査アンケート➡︎アンケート結果に基づいた土佐町のものさし(GNH)作り➡︎さらに「土佐町のものさし」に基づいた行動・施策へ➡︎「土佐町のものさし」に基づいた「10カ年総合計画」へ

 

 

 

この一連の流れの目的は、「土佐町の考え方の軸」を作ること。シャレた言い方をすれば「土佐町のグランド・デザイン」を作ることと言っても良いでしょう。ここではシャレた言い方をする必要はないので、「土佐町のものさし」がしっくりきますね。

 

2018年11月現在は、住民幸福度調査アンケート。実施へ向けてのアンケート作りが行われている真っ最中。これが実は一筋縄ではいかない、でも今後の流れの大元になる大切なものなのです。

 

比べるべきや?比べざるべきや?

まず、アンケートの目的です。「幸福度を測る」とひと言で言っても考え方は一通りではありません。なんのためのアンケート?誰のためのアンケート?そういったスタート地点を常に確認しながら一歩一歩進んでいく作業になります。

ここで大きな分岐点となった疑問。それが、「他の自治体や国と土佐町を比べるべきか?」というものです。

「他の自治体と比べること」を目的としているならば、他の自治体も広く実施したことがあるアンケート内容にすべきです。でないと比べることができなくなります。おのずと質問内容は土佐町の風土に特化したものではなくなります。

「比べる必要がない」のなら、土佐町は土佐町独自の価値観に基づいたアンケート内容、土佐町の生活に根付いたアンケート内容にすべきです。こっちの道を行くのなら、質問内容は土佐町の風土に特化したものになる。もっと言えば、質問内容そのものが土佐町の「幸せ」を体現したメッセージになる可能性もあります。「こういうことを土佐町では幸せと考えます」そういう意思がアンケート内容に反映されるでしょう。

土佐町の出した小さな結論。それは「他とは比べない」。

例えば土佐町が他県の自治体より上の順位だったとして、それが「土佐町の人々の幸福」にとって一体どんな意味があるのでしょう?もしくは下位だったとして、上位の町や市を「追い抜け追い越せ」レースが始まるんでしょうか?それってなんかおかしくないですか?

実は「他と比べること」というのは幸福度という視点から見ると、幸せ度合いを下げる考え方だそうです。「隣の芝生は青い」と言いますが、それで勝手に悔しくなるのは「幸福度」と離れていく可能性の高い考え方だそうです。なんとなくわかりますね。そういえば、FacebookなどのSNSも「他と比べるツール」として幸福度を下げるものとされています。

 

ではなんのためのアンケートなのか?

スタート地点に戻りましょう。この一連の取り組みは「土佐町の人々がより幸福を感じる町になるためのもの」。アンケートもそのためにあるべきです。

となると、現時点での結論は「土佐町の幸福の現在地」を知るためのアンケート。町の人はどんなことに幸福を感じ、どのような町になりたいと思っているのか?

そのことを知った上で、やっと次にやるべきステップが見えてくる。そのためのアンケート。

他と比べない。でも土佐町の未来と比べる。

この幸福度調査アンケートは一度きりのものではありません。今回の結果をもとに、さらに深く土佐町の幸せについて考えていく。そうやって考えたことを現実の行動や施策に反映していく。(←この現実の行動にしていくところが最も大切です)

2018年度の調査結果を踏まえて行動し、次のアンケートの時には幸福度が上がっているように努める。つまり、過去のアンケート結果と比べるということです。その「ものさし」を作る最初のとっかかりが、この幸福度調査アンケートなのです。

 

やっぱりブータンが先達としてそこにいる。

ここで参考になったのは、GNHの大元であり先輩でもある、幸せの国ブータン。ブータン先輩と呼んでかまわないでしょう。あ、それで思い出したのですが僕の高校の先輩で「ぶーちゃん先輩」と呼ばれている人がいました。ご想像の通り、体重100キロオーバーの巨漢です。

‥‥話が逸れました。ブータン先輩、2010年と2015年、5年づつ大きなアンケート調査をやっています。そしてその都度詳細な報告書をあげています。さて、ここで問題です。ブータンは他の国と比較するためにアンケート調査をやっているのでしょうか?

答えはノーです。否です。ニェットです。ブータンの国民幸福度調査アンケートの目的は、ネパールやインドやフランスなどの他国の幸福度と比較するためではありません。

ブータンのGNH調査報告書の冒頭近辺に明記している言葉、それは

幸福度を前進させる行動の指標を作るため

とあります。目的はこれ一点。「行動のためのもの」というのがいいですね。今回書いた土佐町の小さな結論には、ブータン先輩のこの文章が小さくない影響を与えてくれました。

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone