鳥山百合子

メディアとお手紙

お便りの紹介

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「とさちょうものがたり」が始まってから、お手紙やはがき、メールなどで編集部へたくさんのお便りをいただいてきました。今まで届いたお便りはすべて大切に読ませていただいています。なかには文通のようにはがきでのやりとりが続いている方も。心を寄せてくださっている方がいるということは、私たち編集部にとって大きな励みとなっています。

この「メディアとお便り」のコーナーでは、今までいただいたお便りを少しずつ紹介していきたいと思います。

 

 

【京都府 和田浩之さん・美晴さんより】

いつも楽しくHP・ZINEを拝見させて頂いています。これからも土佐町の応援をさせて下さい。祖父母、父が存命であればもっと笑って拝見できるんですが、なつかしい思いが先行。でも本当に好きです。これからも頑張って下さい。

*和田さんのお祖父様とお父様は土佐町南川のご出身で、毎年7月に行われる南川百万遍祭りを含めてよく帰省されていたそうです。お祖父様もお父様も亡くなった今は帰省する回数も少なくなったとのことですが、先日お電話でお話した時には南川で作っている南川百万遍味噌の話で話が弾みました。故郷には、いつまでもその人にとっての大切な思い出が残されているのだと思います。

和田さんは以前からとさちょうものがたりを読んでくださっていて、2年前に「とさちょうものがたりZINE」が発行されるようになった時「定期購読をお願いすることは出来るでしょうか?心は土佐町に居続けたいので」とメールをくださいました。それがご縁で、毎号送らせて頂いています。
遠く京都から、土佐町やとさちょうものがたりに心を寄せてくださっている方がいる。そのことが本当に嬉しく、ありがたい気持ちでいっぱいです。

 

 

【東京都 公益財団法人 大宅壮一文庫 岡知幸さんより】

お世話になっております。大宅壮一文庫の岡です。
『とさちょうものがたりZINE』第4号、受領いたしました。お送り頂きありがとうございました。

今回もほんとうに素晴らしい内容で、ご提供頂けてたいへん嬉しいです。
窪内さんの文章も写真もとても味わい深く、手にされた方はきっと喜ばれると思います。大切に配布させて頂きます。
次号を作成なさる際は是非またよろしくお願い致します。

*ある日、東京にある「公益財団法人 大宅壮一文庫」の岡さんから「とさちょうものがたりZINEを送ってもらえるだろうか?」というお電話をいただきました。岡さんは「とさちょうものがたり」を読んでくださっていて、勤務先である大宅壮一文庫で「とさちょうものがたりZINE」を配布をしたいとのこと。それから毎号お送りさせていただき、文庫で配布してくださっています。ZINEをお送りすると、岡さんはいつも丁寧なお礼のメールを送ってくださいます。こういったひとつひとつのお返事や感想が、私たち編集部にとっての大きな原動力です。

 

私たちの手から旅立ったZINEが、また別の方の手によって、より多くの方の手元に届けてもらっていることに心から感謝しています。ありがとうございます!

 

 

 

 

 

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「かくしたのだあれ」 五味太郎 文化出版局

以前紹介した「たべたのだあれ」と同じように、何度も破れてはテープを貼り…を繰り返してきた本です。2枚目の写真にあるように「ぼうしかくしたのだあれ」という言葉のあとに「たくさんの鳥の中に明らかにぼうしをかぶっている鳥が一羽いる」という何ともわかりやすい仕組みになっています。

ワニの歯が歯ブラシに、たぬきの尻尾は靴下に…。五味さんのユーモアとアイディアには脱帽です。

本を受け取る人が笑顔になったり、ちょっと元気をもらったり、そんな本を作り続けている五味さんにいつかお会いできたらいいなあと思っています。もしお会いできたら、この本を手にした子どもたちがどんなに喜んでいたか、そして私自身が今も時々ページを開いては、懐かしい子どもたちの顔を思い出していることを伝えたいです。

鳥山百合子

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「とんとんとめてくださいな」 こいでたん文, こいでやすこ絵 福音館書店

お友達の赤ちゃんが初めての誕生日を迎えるという時、何度この本にお世話になったことでしょう。本屋さんでこの表紙を見つけたら、探していた人に会えたような気持ちで手にし、贈り物にしてくださいと包んでもらってきました。

三びきのうちの赤いスカーフを巻いたねずみが何とものんびりしたのんきな子で、他の二匹が不安そうにこれから開くドアを見つめているというのにずっとぐーぐー寝ていたり、家の主がごちそうしてくれる時にはちゃっかり膝に座ってシチューをいただき、みんなが安心して眠る時には自分だけ目が冴えて栗をコリコリかじっています。我が道をゆくその子に「ウンウン、そのままでいいぞ!」といつも思います。

こいでさんの描く絵には物語への愛情とそこで営まれてる丁寧な毎日が描かれていて、忙しくしていると忘れがちな大切なことを思い出させてくれます。鍋からあがる湯気や台所の野菜たち、棚に並べられた蜂蜜のびん…。一見何気ないものごとが、日々の暮らしに楽しみと体温を与えてくれているのだなとあらためて感じます。

私もできるところから。

今日もごはんを作りましょう。

鳥山百合子

 

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上田房子さん・上田覺さん

 

 

以下の文章は、2019年12月20日に発行したとさちょうものがたりZine05「土佐町のものさし」の巻末に、あとがきとして掲載したものです。

 

 

「上田のおじいちゃんのこと」 文:鳥山百合子

 

近所に住んでいた上田覺さんを私は「上田のおじいちゃん」と呼んでいた。

上田のおじいちゃんは昔、山師だっただけあって地下足袋を履き、いつも田畑や山の仕事をしていた。「これでしいたけの駒打ちをしなさいよ」としいたけの原木を軽トラでどっさり運び入れてくれたり、木にかけた梯子を軽やかに登っては高枝切り鋏で柿を落としてくれたものだった。山水が流れ込む庭の池にスイカを浮かべ、鯉に突つかれつつ冷えたスイカでスイカ割りをさせてくれた。小屋のストーブの上で作ったしし汁をお鍋いっぱい持たせてくれ、その隣ではアルミホイルに包まれたお芋が香ばしい湯気を立てながら黄金色に光っていた。

おじいちゃんはなめこをたくさん育てていた。収穫させてもらっていると「もっと取っていきなさい」と言う。「おじいちゃんのがなくなっちゃうから」と遠慮すると「なめこはぬめぬめしていて嫌いじゃ」と言う。「じゃあ何で作っているの?」と聞くと「ばあさんがなめこが好きだから」と話してくれた。

おじいちゃんの仕事の向こうには、いつも誰かの存在があった。

 

1年ほど前から「胸が苦しいんよ」と言うことが増え、体に酸素を入れるチューブを鼻から通し、玄関前の部屋に座ってテレビを見ていることが多くなっていた。それでも玄関の戸を開けるといつも笑って迎えてくれて、これまでと同じように私たちはおしゃべりをした。

 

私の息子とおじいちゃんはずいぶんと年の離れた仲の良い友達同士のようだった。学校から帰ってくるとランドセルを放り投げ、おじいちゃんの家に行って一緒にテレビの時代劇を見ることを息子は心底楽しみにしていた。そのまま夕ごはんをご馳走になって、おじいちゃんが軽トラックで家まで送ってきてくれたこともあった。

息子は筍を上手に掘ることができる。筍がどんな所に生えているか、筍にどんな角度で鍬を入れたらいいかを知っているのはおじいちゃんの背中をすぐ側で見ていたからだ。学校では学べない、生きるための術をおじいちゃんは教えてくれた。

ちょうど私の家から遠く正面におじいちゃんの家が見える。まだ幼かった息子がある夕暮れどきに「おじいちゃんちに灯りがついたねえ」とつぶやいた。そのことをおじいちゃんに伝えると「ああ、わしらも同じことを思ってる。鳥山さんちに灯りがついたなあ、って」。おじいちゃんはそう言ってくれたのだった。その言葉は長い間、私を支え続けてくれた。

 

 

2019年2月、おじいちゃんは亡くなった。おじいちゃんの家の玄関の戸に貼られた「忌中」という文字を見て私は泣き崩れた。棺に入ったおじいちゃんは話しかけたら笑ってくれそうだった。息子はおじいちゃんの枕元で「なんで、なんで」と肩を震わせて泣いた。子どもたちにとって身近な人の初めての死だった。

おじいちゃんはもういない。涙がこぼれて仕方なかった。

 

今年の夏、実家に帰省した時にマスカットを買った。それを手におばあちゃんを訪ねると、おばあちゃんは「まあまあ、ありがとう。いいものをいただいて。おじいさんに食べてもらおうねえ」と言っておじいちゃんの写真の横にそっと供えた。そして「おじいさん、鳥山さんが来てくれたよ。鳥山さん、鳥山さんっていつも言って、大好きだったでしょう。よかったねえ」と写真に向かってゆっくりと話しかけるのだった。

「こうやっておじいさんにいつも話しかけるの。きっと聞いてる、わかってると思うのよ」

おばあちゃんはそう言うのだった。

 

時々、おじいちゃんの気配を感じることがある。それはおじいちゃんが薪を割っていた田んぼの脇だったり、おじいちゃんの畑へ向かう道を歩く時だったりするのだが、おじいちゃんが確かに生きていたという証を私は確かに知っている。

自分のことが好きではなかった私が、もしかしたらこんな私でもいいのかもしれないと思えるようになったのはおじいちゃんの存在が大きい。

そのままでいい。比べなくていい。

いつもそのままの私を受け入れ、向き合ってくれた。おじいちゃんは私の根底を耕し直してくれた。縁もゆかりもないこの地に来た私にとって、おじいちゃんはこの地への扉であり、人生の荒波をいくつもくぐり抜けて来ただろう大先輩でもあった。

 

今年も干し柿を作る季節になった。おじいちゃんとおばあちゃんは毎年欠かさず干し柿を作っていた。おばあちゃんが渋柿の皮を剥き、干すための縄を綯うのだが、家の軒下に吊るすのはいつもおじいちゃんの役目だった。おじいちゃんがいない今年はどうするのだろう、と家の前を通るたびに思っていた。

つい先日、おじいちゃんの家に干し柿が吊るされていることに気づいた。それは今までと同じ風景のようでもあり、全く違うものにも見えた。そしてそれは自分でも驚くほど心が震えるような出来事だった。

「ああ、おばあちゃんは今年も干し柿を作ったのだ」

何度も繰り返し、そのことを思った。

 

 

人が亡くなっても季節は巡り、残されたものは一日一日を生きていく。代々繰り返されてきたこの営みはこれからも続き、私たちはいつもその大きな流れの中にいる。

おじいちゃんと時間を重ねることができたのはとても幸せなことだった。人によって何を幸せと感じるかはもちろん違うし言葉にするのも難しい。でも、そのおぼろげな輪郭はいつも自分のそばに、足元にあるのではないかという気がしている。

おじいちゃんはもういない。でもおじいちゃんはいつだって見てくれていると思っている。

 

とさちょうものがたり ZINE05 発行です!

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私の一冊

鳥山百合子

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「たべたのだあれ」 五味太郎 文化出版局

この本との付き合いはかれこれ約20年ほどになりますが(!!)、子どもたちが喜んでページをめくっていた姿をまるで昨日のことのように思い出します。

以前幼稚園で働いていた時に、本屋さんに行ってふと手に取ったこの本。子どもたちに読んであげたいなあと購入しました。

子どもたちがこの本をどんなに好きだったか、ページのしわくちゃ具合や幾つものテープのつぎはぎを見ていただけたらわかると思います。

「めだまやきたべたのだあれ」(2枚目の写真の通り!)
「ぶどうたべたのだあれ」(目がむらさき色のぶどうになっているネコ)
「ドーナツたべたのだあれ」(尾っぽが丸いドーナツになっている魚)

見たらすぐにわかってしまうのがうれしくて「これ!」と子どもたちは満面の笑みで指差していました。20年以上前のことなんて信じられないくらい、子どもたちの笑顔は鮮明です。

幼稚園の子どもたちが思う存分味わった後は、私の子どもたちがこの本を繰り返し開きました。同じように「これ!」と得意そうに教えてくれる顔が幼稚園の子どもたちの顔と重なって、たまらなく懐かしい気持ちになりました。

幼稚園で一緒に過ごした子どもたちは今、20代の若者になっています。この本を開いたら、どんな気持ちになるのかな?

鳥山百合子

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「とさの笑」 梅原デザイン事務所制作 高知県文化生活部・国際課

高知の人、食、笑、技…。高知ならではのそれぞれが詳しく書かれている「とさのかぜ」の本です。こちらはその中の一冊「とさの笑」。

高知の道ぞいにある良心市やよさこい祭の花メダル、桂浜の五色の石、沈下橋、ミレービスケット。高知ならではの文化を「勝手に重要文化財認定」して紹介しています。高知に来たら必ず耳にしたり、手にするものごとについて、それはそれは詳しく調べられているのでとても面白い。

中にはサバの姿寿司もあります。
「頭や尾の部分が残るが、それは翌日、焼いて食べるのが楽しみ。酢が戻り、サバの焼き汁がしゃりに染み込んで、これがまたすごくうまい!」。土佐町で40年以上さば寿司を作り続けて来た長野さんもそう言ってた!とうれしくなりました。

この本は高知に来てから手にしたのですが、私の本棚のいつも「いい場所」に並んでいます。無意識でしたがそれはなぜなのか?先ほどはっと気が付きました。
この本の作り手の愛情が伝わって来るからだ、と。高知という土地が培って来た文化、その文化をつくり引き継いで来た人たちへの尊敬の念。それを伝えたいと思った作り手の方たちの熱が伝わってくるのです。「熱」と「真摯な姿勢」がここにあります。そして作り手がこの本を作ることを楽しんでいるだろうことも伝わってきます。

背筋がピンと伸びるようなこの一冊。私はこれから何度もこの本のページを開くと思います。

鳥山百合子

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土佐町南川地区で作られている「南川百万遍味噌」。

土佐町をはじめ、高知県内の産直市やスーパーなどで販売されています。

南川地区のお母さんたちが麹を作り、大豆を蒸して作ったお味噌はとても美味しい。しかし近年、作り続けてきた方たちの高齢化や体調の変化などにより、作ることのできる人が減っています。

2年前に味噌作りのお手伝いに行き、休憩時にお弁当を広げていると、水野和佐美さんが「よかったら食べてみや」とおすそ分けしてくれたのは南川百万遍味噌と山で収穫した柚子で作ったという柚子味噌でした。それはごはんが何杯でも食べられるほどの美味しさでした。

お話しながら、和佐美さんに作り方を教えてもらいました。

 

 

和佐美さんは作った柚子味噌を「持って帰りや」とお土産に持たせてくれました。

身の回りにあるものを工夫して大切に使い、あらたな美味しいものを生み出す。お母さんの台所の知恵は深く、ゆたかです。

もうすぐ南川百万遍味噌を作る時期がやってきます。

今年もお手伝いに行くことができたらと思っています。

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私の一冊

鳥山百合子

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「エルマーと16ぴきのりゅう」 ルース・スタイルス・ガネット 著, ルース・クリスマン・ガネット絵 福音館書店

エルマーとりゅうの最後のお話。

自分のふるさとである「そらいろこうげん」に帰ったりゅうは、自分の両親や兄弟たちが洞窟に追い込まれ、人間たちに捕まりそうになっていることを知ります。

自分だけの力では助けられないと悟ったりゅうは、助けを求めにエルマーの元へと急ぎます。

りゅうの話を聞いたエルマーがリュックサックに詰めたのは、

・ふえ・ラッパ・運動会に使うピストルと弾・丈夫なひも・板チョコ6枚・ほしいちじく6箱・お金。

エルマーのこの持ち物!なんだかワクワクしませんか?

りゅうの家族に会えた時、エルマーがその時持っていた板チョコを全部、人数分に割ってみんなに食べさせてあげる場面がとても好きでした。

チョコレートを食べながらエルマーの考えた脱出計画を聞くりゅうたち。

「りゅうたちは、それをきいて、ふぐふぐと、りゅうわらいをしました。それでだいぶげんきがでてきました。」

うん、きっと、もう大丈夫、と思えたことを思い出します。

エルマーのお話は世界中で読まれていますが、国や言語、年齢を超えて共有できることがきっとある。

そう思えるお話は本当に素晴らしいなと思います。

鳥山百合子

鳥山百合子

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私の一冊

鳥山百合子

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「たたたん たたたん」 西村繁男 絵, 内田麟太郎 文 童心社

先日、絵本作家の西村繁男さんが、新しい本ができたからと送ってくださいました。「みつば保育園のみなさんへ」とサインが入った絵本です!先日、保育園の先生に渡しましたが、とても喜んでくれていました。

昨年、土佐町に来てくださった西村さん。みつば保育園にも足を運んでくださり、子どもたちに絵本を読んだり、音楽付きのスライドを見せてくださいました。繁男さんも奥さまのいまきみちさんも、子どもたちが目を輝かせて絵本の世界に入っていることをとても感激してくださっていました。

この本は、西村さんが20年前に出版した絵本「がたごとがたごと」の続編です。

「がたごとがたごと」は20年たっても色褪せず、子どもたちは大好きです。みつば保育園にも絵本「がたごとがたごと」があり、その佇まいから今まで本当にたくさんの子どもたちが読んだことがわかります。あちこちテープで継ぎ接ぎされ、それでもまた破れて、またテープを貼って…。その繰り返し。この本がとても愛されている証拠です。

きっとこの「たたたん たたたん」も同じようになっていくのでしょう。

西村さん、本当にありがとうございました。またいつでも土佐町にいらしてくださいね!

鳥山百合子

 

西村繁男さんが土佐町にやってきた!

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私の一冊

鳥山百合子

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「エルマーとりゅう」 ルース・スタイルス・ガネット 著, ルース・クリスマン・ガネット絵 福音館書店

以前紹介した「エルマーのぼうけん」の続編です。

動物島からりゅうを助け出したエルマーは、家に帰る途中に嵐にあい、カナリア島にたどり着きます。その島にはりゅうの大好物「スカンクキャベツ」と「ダチョウシダ」が生えているそうなのですが、「スカンクキャベツ」という文字面が面白く、そして「スカンクキャベツって何だか美味しそうだな」と子ども心に思っていました。

カナリア島は名前の通りカナリアが住んでいる島なのですが、カナリアの王様が代々知りたがっていることがあり(歴代の王様たちは皆「知りたがり病」で亡くなりました)、それが何なのかを知りたいと思っているカナリアたちみんなも「知りたがり病」にかかっているとのこと。

王様は何を知りたがっているのか?

王様はエルマーにその秘密を打ち明けます。

物語の後半にその秘密が明らかになりますが、白黒のイラストと手書き文字で書かれているそのページはとても魅力的です。白黒で印刷されているのに、まるでそこに色があるかのように見えてきます。

まさにお話の力。エルマーの世界はとてもゆたかです。

鳥山百合子

 

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