「ガザ 戦争しか知らないこどもたち」清田明宏著 ポプラ社
旧高知医科大の出身で、パレスチナ難民の支援活動にあたっている清田明宏さんの著書『ガザ 戦争しか知らないこどもたち』を読んだ時、生まれてからずっと戦争しか知らない子どもがいることに、やりきれない気持ちになりました。
1年前から住み始めた土佐町で、紛争地に生きる子どもたちに思いをはせる日が増えました。長閑な町の空を不意に横切る戦闘機。その非日常の爆音を初めて耳にしたときの怖さは、今でも忘れられません。1年たった今でも、爆音には慣れることはできませんし、これからだって到底平気になれるとは思えません。月に何度か、一瞬耳にするだけで身が竦み動悸が激しくなってしまう戦闘機の音。 紛争地域で生きる子どもたちは、それを日常とすることがどんなに異常なことかも知らないまま、日々を生き抜いているのです。
彼らが戦いの音の聞こえない、静かな世界でくらせる日が一日でも早く来るように、と願わずにはいられません。