朝5時。
まだ太陽が昇る前に起きて、釜戸で湯を沸かし、珈琲を淹れるこの時間は、僕の好きなひととき。
静かといっても無音ではなく、自然に囲まれた笹の環境では、いろんな生き物たちの音が心地よいBGMのように流れる。
田んぼに水が入ってるときは、蛙たちの大合唱だったけど、中干しして水がなくなると、彼らはどこへいってしまったのか、
すっかり声が聞こえなくなった。
蛙に代わる最近のBGMは、ヒグラシ。
その名前から夕方に鳴くものだと思っていたけれど、早朝や曇天の日中、薄暗い林の中でも聞こえるのに気付いたときは、
ちょっとした発見だった。
お天道様が顔を出しはじめ、徐々に明るくなると、この時間はおしまい。
他のセミや鳥のさえずりが加わって、今日も賑やかな一日がはじまる。