ミツバチたちの住処となっている巣箱には、いろいろな形状があるが、僕は重箱式と呼ばれるタイプにした。中の巣が大きくなるにつれて、重箱を追加していく。採蜜時には蜂へのストレスが少ないとも言われる。
図にすると、こんな感じ↓
/屋根\
―スノコ―
|重箱|
|重箱|
|巣門|
―床板―
[土台]
蜂が出入りするところが巣門。その下にある床板は引き出して外せるようになっていて、掃除がしやすい構造になっている。土台にはコンクリート升を使用。
巣箱の設置に際して、どこに据えるかが大切だ。朝日が当たりやすく、西日どきには日影になる場所。夏暑すぎず、冬寒すぎない。ミツバチたちにとってちょうどよい塩梅というのはどこだろう。群れを分けてくれた方は「ミツバチの気持ちになってみる」とおっしゃっていた。彼らの立場になって、少しでも暮らしやすいようにと工夫を試みる。床板のゴミを払ったり、周囲の草を刈ってみたり。ふと、僕がミツバチを飼っているのか、ミツバチが僕を働かせているのか分からなくなってくる。
蜂と言葉が交わせたら良いのにな、と子どもみたいに考える場面もしばしばだ。
まだ続く
写真:巣門の前に落ちていた花粉団子。ミツバチたちはお団子状の花粉を両後ろ足に付けて巣に持ち帰ることがあるが、なにかの拍子で落ちてしまったものだろう。よく見ると、団子によって微妙に色が異なる。訪れた花の種類が違うのだと思う。このお団子を奥さんがひょいと口に放り込んで、「全然味が無い!」って驚いてた。それを隣で見てた僕は、彼女の食いしん坊ぶりに驚いた。