猟師さんから猪肉をいただいた。
昨日猟に行ったそうで、大きな肉の塊を届けてくれた。一塊が入れられたスーパーの袋の内側にも外側にも血がついている。
銃で撃った猪は、共に猟をした仲間と平等に分けるそうだ。持ち帰った分をさらに知り合いに分ける。私はその内のひとつをいただいたという訳だ。
厚い脂身、薄紅色の肉。ところどころゴワゴワした白や黒色の硬い毛もついている。これは昨日まで山で生きていた体だ。
今晩、この肉は私の胃袋に入る。
一番美味しいと思う食べ方は薄く切り、塩胡椒して焼く。たったそれだけなのだが、食べれば身体内に注ぎ込まれるようなエネルギーを感じる。猪の肉は私の細胞をつくり、身体を支える一部となるのだ。
猟の期間は三月末まで。その間、捕らえられた猪はこの地で生きる人間の糧となる。