「えんどうまめばあさんとそらまめじいさんのいそがしい毎日」 松岡享子 原案・文 , 降矢なな 文・絵
えんどうまめばあさんとそらまめじいさんは、畑やウサギ小屋のある家で、毎日「くるくると まめまめしく」働いて暮らしています。
とても仲の良い二人だけれど、一つだけ困ったことがありました。それは、何かをしていて、他にやりたいことが見つかると、すぐに始めないと気がすまないこと。
「えんどう豆に棒を立てて、蔓を巻き付けてやらなくちゃ」と思い付き、畑へいくと草はボウボウ、おばあさんは草取りを始めます。その草をウサギに食べさせてやろうと小屋へ行くと、金網が壊れている。修理してもらおうとおじいさんを呼びに行ったら、穴のあいた作業着につぎをあてようと思っていたことを思い出し、針と糸を出してちくちく…。おじいさんもおじいさんで、ウサギ小屋の修理をしている途中に、納屋の屋根を直し始めたり。最初の「棒立て仕事」は一体どこへいったやら。
そんな二人の姿に、こういうこと、よくある、よくある!と何だか嬉しくなってしまいます。
肝心の「棒立て仕事」は、ベッドに入ってから思い出し、懐中電灯を持って畑へ向かう二人。えんどう豆に棒を立てて蔓をしっかり巻き付けます。そして「今日もよく働いたね」と話しながら眠り、また新しい朝を迎えます。
生活の中にはやることが色々あります。仕事、家のこと、子供たちのこと。自分だけの時間ってほぼありません。でも、その一つずつを解決して、片付けて、粛々とやっていく。地道な積み重ねですが、それが暮らしそのものなんだなと感じます。