「エルマーのぼうけん」 ルース・スタイルス・ガネット作,絵 渡辺茂男訳
みかん・棒付きキャンディー・輪ゴム・虫めがね・くし・磁石…などなど。この物語の主人公エルマーがりゅうを助ける旅に出るとき、リュックサックに詰め込んだものの数々です。私もエルマーと同じように、エルマーが詰め込んだものをあった分だけリュックサックに詰め込んで、近所を「冒険」していたものでした。多分、毛がボサボサのライオンや、こそこそ話が大好きなイノシシも道々の先に見えていたのでしょう。
エルマーは船に乗り込み、まず「みかん島」に上陸します。エルマーが知らず知らずのうちに「人間が島に入り込んだ証拠」を自ら島に残してしまうのですが、動物たちはそれに気づいて大騒ぎ。
「エルマー!なんでみかんの皮をむいたのをそのまま置いていっちゃうの!」と大人になった今は思うのですが、当時は、次はどうなるのだろうとハラハラしながらエルマーの一挙一動足を見守っていたことを思い出します。
それは子どもたちも一緒のようです。
自分が子どもの頃に楽しんだ世界を、今再び子どもたちと楽しめることはなんて嬉しいことだろうと感じています。
鳥山百合子