「 tupera」 毎日新聞大阪本社発行
先日、高知県立美術館で開催中の「ぼくとわたしとみんなのtupera tupera 絵本の世界展」に行ってきました。tupera tuperaさんの色とりどりの仕事の細やかさ、繊細さ、ユーモアに圧倒されました。
絵本「魚がすいすい」の一場面、雷雲から逃れるためにボートを必死に漕いでいる人たちの腕、水着姿のかわいい女の子に群がる色とりどりの魚たちのうろこ…。細かいひとつひとつが紙でできている。シルクスクリーンで印刷した紙も使っているそう。目の前の作品に向き合うtupera tuperaさんおふたりの背中が見えるようで、このひとつひとつの仕事をよくぞ積み重ねたなあ…と敬服する思いで眺めたのでした。
作品の前に立つと新しい発見がありとても面白くてずっと見ていたいほど。早く行こうよ、と子どもに腕を引っ張られ「もうちょっと!」と粘る。何度も響く「早くー」の声…。後ろ髪引かれる思いでその場所を離れるのでした。
会場にある「パンダ銭湯」の入り口に一歩足を踏み入れ、手ぬぐいを頭に乗せてお風呂に入ればもうパンダ銭湯の一員に。「おならしりとり」の歌は、会場を出たあと何度も「おならしりとりおならしりとり…」と頭の中で繰り返され、口ずさんでしまうのでした。
この本はこの展覧会の作品を掲載したカタログです。何度眺めても楽しい。ですが、本物は最高です!展覧会は3月8日まで開催です。ぜひ!
鳥山百合子