「江戸川乱歩傑作選」 江戸川乱歩 新潮文庫
江戸川乱歩との出会いは小学生の時。
近所のおじさんの家にあった『屋根裏の散歩者』のハードカバーの表紙が怖くて怖くてこの本は一体どんな本だろうとドキドキしたのを覚えています。
結局読んだのは中学生になってからだったのですが。
この短編集の物語はどれもこれも一体最後はどうなってしまうんだろう?と思わせるものばかり。
『鏡地獄』を読んで、ガラスの球体の中心とはいったいどんなものだろうと想像してみようとしては想像すらできません。
私が一番好きなのは『芋虫』なのですが、かつて伏字だらけで発表され、戦時中には発禁処分となったのだそう。
そうなるのも頷ける、そんな物語です。
和田亜美