
お世話になっている方からシシ肉をいただいた。その方は米農家であり山師であり猟師でもある。数年前まであか牛も飼っていた。
「猟に行っちょった。今回のはこまかったけんど、4頭ばあ獲れた」と満足げに話しながら、白いスーパーのビニール袋を差し出した。その時、また一年が巡ったのかと思った。外には雪虫(*)が舞っている。そういえば、なんとなんと、もう12月じゃあないか。
差し出された袋は想像以上に重くて、ややよろめいてしまうのも毎年のこと。肉には猪の毛が何本もへばりついている。短い毛、長く太い毛、白い毛、1本の毛が白と茶と黒色に分かれている毛。これも毎年のことだ。
毎年、この季節になるといただくシシ肉。「毎年同じもんでわるいけんども」と猟師さんは言っていたが、そんなことは今の今まで一度も思ったことがない。毎年繰り返される営みは、いつも尊い。
いただいたシシ肉は、スライスして塩コショウでいただくことに決めた。これも毎年のこと。
山の恵みを、今年もありがとうございます。
*アブラムシの一種。初雪の訪れを告げる冬の風物詩。



