「わにわにのおでかけ」 小風さち文, 山口マオ絵 福音館書店
ことしの夏もまたお祭りなく過ぎ去ってしまった…。仕方のないことかもしれないけれど、こどもたちにとっては大人が想像するよりもはるかに寂しい夏だったとおもう。 なにかをやり残したような、夏。 大人の私は、そのお祭りにテンションがアガってるわが子を眺めるたのしみも奪われたという事実を今こうして書いていて気づいてしまった、秋。 嗚呼、ほんとに残念〜んんん 。
そんな残念な気分をすこしでも慰めてくれる「わにわにのおでかけ」。 蚊取り線香して、布団にはいって…さぁ寝よう、、として眠れないわにわに。
ずり ずり づづづ と歩を進めるわにわに。 夜店に集まる人びとのにぎやかさ、おめんを欲しがるわにわに、怪しい目つきで金魚すくいをするわにわに、花火の大きさ鮮やかさに歓喜するわにわに。。。 帰ってきたら小さくなってた蚊取り線香が、わにわにのおでかけの満足感を静かに物語る。 どのシーンを切り取っても、夏が溢れてる。