先日、お世話になっている人に土佐町の色々を詰め込んで宅急便で送った。
まず、乾燥させたゼンマイとワラビ、塩漬けしたイタドリ。
「本物はこれなんです」と知ってほしいから、山から採ったばかりのゼンマイとわらび、イタドリも少しずつ新聞紙で包む。
近所のおじいちゃんからいただいた茹でたけのこも入れた。
他にも里芋、生姜、干し椎茸、お米。
それからお花農家さんのアネモネの花束。
(土佐町高須地区の沢田みどりさんはハウスでアネモネを育てています。アネモネの時期が終わり、次の花を植える時、いつも「アネモネを取りにおいで」と毎年声をかけてくれるのです。みどりさん、いつもありがとう。)
箱いっぱいに詰め込んで、ハガキも入れて封をする。
これは「春風便」。
宅急便を送る時、いつも思い浮かぶのはその人の顔。
その人が喜んでくれるといいなと思いながら、自分が一番喜んでいるのかもしれない。
こんなことをしている頃、新緑の山に藤の花の色が重なり、5月の風が吹く。
木々の若葉を揺らす爽やかな風。
川の水面をきらきらと揺らしながら吹きぬけてゆく風。
うーーーん!と背伸びして深呼吸して、思わず走り出したくなるような風。
本当にその人に届けたいのは、実はこの5月の風だったりする。