話題が前後して申し訳ないのだが、7月8月に開催した「笹の夏休み」全三回が無事終了したと言うご報告。
県外から、遠くは関東や九州からの参加があった。初めてのひとり旅で初飛行機に乗ってやってきた子、去年参加して「また行きたい!」という願いを叶えたリピータ、兄弟や友達と一緒に応募してくれたグループ。計13名の参加者たちは、笹での暮らしを通して、夏休みの思い出を持って帰ってくれたようだった。
数日間、笹のいえに寝泊まりするこのイベント、日中は、とにかく遊ぶ。川遊びや釣り、アートワークなど、自然に恵まれたフィールドで思い切り体を動かす。料理や掃除洗濯などの家事も子どもたちが中心となって行う。いつ何をして遊ぶのか、食べるのか、子どもたちが決めるので、スケジュールや献立は毎回違う。僕や奥さんを含めたスタッフたちは、天候や個々の体調などから、全体のスケジュール調整や最低限のアドバイスとお手伝いをする。
「今年は、見守りを大切にしよう」と、スタッフとの事前ミーティングで話をした。これまで、初日に決めた日程を予定通り進めようとすると、子どもを急かせてしまう場面が多かった。マッチで火を熾したり、クッキーを成形したり。僕たち大人が待てずに、ついつい手を出して、子どもたちの経験の機会を奪ってしまうことがあった。その反省から、内容を詰め込みすぎず、多少予定時間をオーバーしても子どもたちのペースで体験できるように努めた。変更も状況に応じて、柔軟に対応することにした。
10名前後の子どもたちが集まれば、僕らスタッフが考えている予定や想定を飛び越えて、思わぬ事態が起こることもある。遊びの中で怪我をしたり、連日の興奮からか体調を崩したり、夜中にホームシックになってしまったり。毎回予定外のことがあったが、最終日は皆笑顔で送り出すことができ、ホッとした。
ほんの数日とは言え、僕と奥さんだけで人様の子どもの命を預かるなんて、とてもできないし、企画する気持ちも湧かなかっただろう。しかし幸いにも、想いを共有できる仲間達と、ここで出会うことができた。イベントの主旨を理解し、サポートしてくれる彼らのお陰で、このイベントが運営できている。本当にありがたいことだ。
振り返ってみると大変だったこと、反省すべきところも多い。けれど、その経験からの学びを生かし、きっと来年も企画するだろう。それは収入を得るという経済的な理由だけでなく、ここで子どもたちに何かを感じてもらえるのではないかという気持ちも大きい。
写真:「何か作りたい」という子どもたちに、「竹ならいくらでもあるよ」と答えると、どこからか葉っぱも取ってきて、こんな素敵なティピが完成した。作成に特別な技術や知識は必要ないが、「竹と葉っぱでテントを建てちゃおう」なんて発想は、そのとき僕にはなかった。「コロンブスの卵」的、彼らの想像力にはいつも脱帽する。完成後、子どもたちは役を決め、このテントを舞台とする寸劇がはじまっていた。その後の予定があったけれど、しばらく自由時間にした。
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