2019年11月

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

西野内小代

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「入門 万葉集」 上野誠 筑摩書房

大学受験までは文法と作者を覚える事が万葉集におけるお勉強の主だったように思います。

この「入門万葉集」では、現代のSNSでの発信方法を古代人は歌で発信していた、そして「万葉集」はその歌を収録したアルバムのような存在であると位置付け分かり易く導いてくれます。

「天(あめ)の海に 雲の波立ち 月の舟星の林に 漕ぎ隠る見ゆ」

このような分かり易い歌も高い評価を与えられているという事も紹介されていて、万葉集がより身近に感じられます。

そういえばフォークソングといわれた歌には万葉集っぽい歌詞がちょいちょい挟まれていますよね。

西野内小代

 

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土佐町ポストカードプロジェクト

2019 Oct.

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平石 毘沙門堂 | 鳥山紬

 

平石の入り口に鎮座して集落を守る毘沙門堂。このお堂に建つ樹齢400年の4本杉のうちの一本を撮影させてもらいました。

撮影しながらとても不思議な気分になりますが、400年前からこの杉は平石の集落の人々を見続けている。400年の間にはこうして子どもが会いに来ることも数えきれないほどあったことでしょう。

こうした古木の木肌には、個人的になにかとても惹きつけられるものがあって、古木を見つけるたびについ撮影してしまいます。

こうして表に出すことは少ないですが、意外と木肌の写真はたくさん持っていたりするのです。

 

 

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私の一冊

川村房子

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「空中ブランコ」 奥田 英朗 文藝春秋

 

精神科医伊良部の元に診察を受けにくる悩める者たち。

5つの短編構成になっている。

大学の講師で附属病院勤務の池山達郎は同級生である伊良部を訪ねて「脅迫神経症」だと告白。

伊良部の治療は、自分の意思が希薄でどこか操られているようなところがあり、診察室は観覧車で乗ったら一周する間合わせるしかないと達郎は思う。

その治療はハチャメチャで、驚きあきれながらも、いつのまにか心の病を克服していく。

痛快な一冊です。

川村房子

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とさちょうものづくり

土佐町の生産者さんへ

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ステッカーは赤と紫の2種類です。

切手サイズの土佐町ステッカーを作りました!

 

以前作ったものがしばらく品切れ状態でしたが、大幅に増刷しました。

土佐町役場・企画推進課の窓口にて無料で配布しています。

 

野菜、お弁当、果物などなど、土佐町で製造している商品にどんどん貼ってください。貼っていたほうが売り上げが伸びるよという嬉しいお言葉もいただいています。

商品の業種に関わらず、土佐町の生産者の方々が無料で使用できます。食品以外でも大丈夫ですよ。

土佐町役場1F・企画推進課の窓口にて配布しております。みなさまにどんどん使っていただいて、「土佐町ブランド」を浸透させていってください!

赤や黄色の野菜などは紫がいいですね

緑の葉物は赤いステッカーが映えます

 

 

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私の一冊

鈴木愛音

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Harry Potter and the Sorcerer’s Stone」 J. K. Rowling    Bloomsbury Publishing

私は小さい時から本を読むのが好きで、先生がこの本をすすめてくれたのがきっかけでこの本が好きになりました。

私は特に第一巻が好きです。なぜなら、いつもいとこにからかわれていたハリーがとつ然、自分がま法使いだということを知らされた所からとてもひきこまれ、ホグワーツ城での生活まで、全部面白かったからです。その中でも特に心に残っている場面は、ホグワーツの食事です。ありとあらゆる食べ物がいっぱいあって、デザートもとてもおいしそうでした。私もホグワーツで食事をしたいと思いました。

また、ハリーの勇かんさ、ロンやハーマイオニー達仲間の大切さがとても伝わってくるのが好きです。

この一冊は何度でも読み返したくなります。ぜひ、読んでみてください。

鈴木愛音

 

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メディアとお手紙

お便りの紹介 

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「とさちょうものがたり」が始まってから、お手紙やはがき、メールなどで編集部へたくさんのお便りをいただいてきました。今まで届いたお便りはすべて大切に読ませていただいています。なかには文通のようにはがきでのやりとりが続いている方も。心を寄せてくださっている方がいるということは、私たち編集部にとって大きな励みとなっています。

この「メディアとお便り」のコーナーでは、今までいただいたお便りを少しずつ紹介していきたいと思っています。

【大阪府 吉田美紗子さんより】

早速、とさちょうものがたりのバックナンバーをご恵贈いただき、何とお礼を申してよいか、大変嬉しくまことに有難うございました。お時間のある時どころか、すぐにこれまた楽しいイラストの茶封筒を丁寧に開封し、一気に3冊とも驚きと感動をもって読みました。
そしてどの号も、読んで終わりというものでなく、いつでも折にふれて手にとって読み、かつ眺めて、心やすらぎ心あたたまるものだとの感を深くしました。
(中略)
先日は04号をたくさんいただき、心ばかりのお礼のしるし、エールを込めて、おやつ少々お届けします。

 

*「とさちょうものがたりZINE04」を発行してから数日たったある日、土佐町役場へ電話がありました。「友人たちへも配りたいのでとさちょうものがたりZINE04号を送ってほしい」とのこと。それが吉田さんとの初めてのやりとりでした。

「(04号の筆者である)窪内隆起さんから私のところへ04号が送られてきたんです。夫が生きていたらこの本の存在を本当に喜んで周りの大切な友人たちに配っただろうと思い、何冊か送ってくれるようお願いしました。夫のお仏壇にも供えました」
と話してくださいました。
窪内さんにこのことをお伝えすると、吉田さんも吉田さんのご主人も産経新聞の記者だったとのこと、お二人は窪内さんが産経新聞記者だった時代の大先輩だったのです。吉田さんは司馬遼太郎さんの奥様であり同じく産経新聞の記者であったみどりさんとも親しい友人であったそう。この世界の風景を一本のペンで記し続けてきた大先輩たちの存在をあらためて感じ、背筋が伸びるような気持ちがしました。

 

 

【千葉県 さやさんより】

はじめてお便りをさしあげます。東京上野の国際こども図書館で「とさちょうものがたり」を見つけました。「とさちょう」ってどこ?「ものがたり」とは?
一枚刷のチラシの中で、ちゃんとした冊子はものすごく目立っていました。中身は…、おもしろかったですね。
私は信州の農村で育ちましたが、昔の思い出につながるような場面が多く、大きな共感と親しみとなつかしさを感じました。窪内さんのたくましさ、創意工夫の冴え。もっと著書を読んでみたくなりました。

 

*とさちょうものがたりZINEは、全国各地のさまざまな場所へ送らせていただいていますが、東京の上野にある「国際こども図書館」もその一つです。ある日届いたこのハガキは、国際こども図書館で確かにとさちょうものがたりZINE04号を受け取ってくれた人がいたことを私たち編集部に教えてくれました。このハガキの返事とともに、信州の農村と重なるものがあるかもしれないとZINE02号を同封しました。次のおたよりは、さやさんよりいただいたそのお返事です。

 

 

今頃、土佐町の秋はどんなにかきれいでしょうね。彼岸花は咲いていますか。稲刈りはもう済んだのでしょうか…。雲海や夕焼け、清流…。本当に懐かしく、思い出深く、故郷との縁がうすくなったとはいえ、胸がしめつけられるような感じでした。
町内の皆さんの笑顔がいいですね。大がかりなプロジェクトでしょうが、是非完成させてください。亡くなった方のお宅が紹介されていましたが、添えられた言葉とともにあったかい写真でした。

 

*その後、さやさんとは、何度かハガキでやりとりさせていただいていますが、直筆の手紙というものはいいものだなあと感じています。いただいたお手紙を時々読み返しては、初心を思い出しています。本当にありがとうございます。

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私の一冊

田岡三代

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「日日是好日」 森下典子 新潮文庫

雨の日のお稽古日、お茶室にかかってある掛け軸に、「聴雨」(…雨を聴く)という文字が書かれてあった。

雨の日は、雨を聴く。

雪の日は、雪を見る。

夏には、暑さを。

冬には、身の切れるような寒さを味わう。

・・・どんな日も、その日を思う存分味わう。

お茶とは、そういう「生き方」なのだ。

「日日是好日」(毎日がよい日)

お茶を習い始めて二十五年の著者が、「お茶」を通じて会得した「心」が書かれています。

田岡三代

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私の一冊

鳥山百合子

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「夜廻り猫」 深谷かほる KADOKAWA

街のどこかから流れてくる涙の匂いを嗅ぎつけて、夜廻り猫はその人の元へと駆けつけます。「む!涙の匂い!」

話を聞き、その人が自分の答えを出す姿を見届けるお話が描かれているのですがいつもホロリとさせられます。人の死や介護、貧困や孤独、失恋や離婚、いじめや仕事のトラブル…。世の中にある色々な出来事、自分だけではどうしようもないこと…。それぞれの人の人生には本当に色々なことが詰まっていて、いい時もしんどい時も、泣きたい時も何もかも放り出したくなる時もある。でも、そんな中でも、きっと希望はあるのではないかとこの漫画は思わせてくれます。

土佐町図書館でふと手にして借りた「夜廻り猫」。机に何気なく置いておいたら子どもたちも読み始めました。「む!涙の匂い!」というセリフから始まって「あの場面、いいよね〜」と話せるのがうれしい。

早く次の号を借りに行こう!

鳥山百合子

 

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くだらな土佐弁辞典

ざんじ

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ざんじ

【副】すぐ、暫時

例:「ざんじやる」(すぐやる)

「ざんじ帰る」(すぐ帰る)

「サンジはざんじ蹴る」 (サンジはすぐに蹴る)

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私の一冊

石川拓也

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「江江 台南 x 高雄」 翁平

8月に台湾に行きました。台北には僕の母方の親戚がいます。今までちゃんと会ったことがなかったのですが、今回初対面するために行きました。

親戚のうち、僕より年下のいとこである翁平は小学校の美術の先生。「これ持って帰って」と言って手渡されたのがこれ(2冊いただいたうちの一冊)。

この本は彼が台南と高雄を旅した際に撮影したもの。ユニークなのは主人公を江江という写真にある不思議なキャラに設定し、江江が旅をした記録という体裁になっているところ。

これは彼が自由に発想し、印刷製本まで自分で作った本で、この軽さこの自由さがいいなぁと思います。

あと、やはり親戚というか血は争えないというか、台湾の親戚には絵描きさんやアニメーターなどが多く、なんかお互い似てることしてるねえと言って笑ったのでした。

 

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