「おはよ〜」
早朝、玄関先から不意に朝の挨拶が聞こえてきた。その時、私は台所で朝ごはんとお弁当の準備をしていた。パジャマだったけれど「おはようございます〜!」と出ていくと、そこには大きなカボチャを抱えた人が立っていた。
「まだちょっと早いかもしれんけんど」
ずっしりツヤツヤのカボチャを受け取る。
「はい、これも」と手渡された袋の中にもカボチャ、きゅうり。
「わあ〜!ありがとうございます!」
お礼をまだ言い終わらないうちに、その人は「あ〜!今日もぬくいぬくい!」と言いながら玄関から出ていった。
軽トラの荷台にはチェーンソーやロープ、私には分からない山仕事の道具が積んである。これから山へ仕事に行くのだろう。
「熱中症に気をつけて!」という声に手を上げて、軽トラはあっという間に去っていった。
連日の猛暑、朝から仕事へ向かう途中に立ち寄ってくれたことのありがたさを噛みしめた。
今日も頑張ろう。そんな気持ちにさせてくれた出来事だった。