石川拓也

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

石川拓也

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「TRANSIT  THE  LANDSCAPES」 euphoria factory(ユーフォリアファクトリー)/TRANSIT編集部 講談社

「やっぱり地球は美しい」

TRANSITという旅の雑誌(発行:euphoria factory)があります。毎回、息をのむほど美しい写真で構成された、僕も昔からとても好きな雑誌です。

そのTRANSITが、これまで発行してきたものの中から写真を厳選し、今秋2冊の写真集として発行しました。

それが『TRANSIT THE PORTRAITS』(人物編)、『TRANSIT THE LANDSCAPES』(風景編)の2冊。

今回ここで紹介するのは風景編である『TRANSIT THE LANDSCAPES』です。

本当に多岐に渡る国と地域の美しい写真が、毎ページこれでもかと登場します。これは言葉を尽くして説明するよりも、実際に見るべし、の本です。

なのでこれ以上は野暮な説明は控えますが、ひとつだけ。

僕自身、「TRANSIT」の撮影で、レッドセンター(Red Center)と呼ばれるオーストラリア中央部に行きました。オーストラリア先住民(アボリジニ)の人々の精神的な支柱でもあるウルル(昔はエアーズロックと呼びました)の上空をヘリで周り撮影したものが2枚目の写真です。

当時住んでいた東京では感じようもない大地の巨大さと、人類史の中で本当にややこしく歪められてしまった先住民の存在と文化、それからそれを少しでも立て直そう、立ち直ろうとするオーストラリア社会と先住民社会のとてつもない努力の足跡を体験した、個人的にはとても大きな経験となった旅でした。

この写真集の発行とともに献本として贈っていただき、当時の乾いた空気を思い出しました。今更ながら、関係者のみなさまに感謝です。

見たい方が近所にいらっしゃったら、とさちょうものがたりの作業場に置いてありますので見にきてくださいね。

 

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4001プロジェクト

古谷展久・淳・愛子 

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中島にお住いの古谷さん。お父さんは土佐町の老人ホーム「トキワ苑」にお勤めです。

展久くん、淳くん、愛子ちゃんの3人と一緒に高須の棚田へ行きました。

ポストカードに載せる写真を撮りながら、記念写真も!と言って撮ったのがこの一枚です。

 

 

 

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4001プロジェクト

平石 生活改善グループ

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平石 | 西村裕子さん・筒井利子さん・筒井緑さん

 

平石のお母さん方がチームを組んでお惣菜などを作る「平石生活改善グループ」、通称「生改さん」。

来月開催する「とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店」に出店するにあたって、実際お仕事中にお邪魔して撮影させていただきました。

この日はタケノコ寿司の調理をしている最中で、それはもう美味しそうな匂いが立ち込めていました。

西村裕子さん・筒井利子さん・筒井緑さんの3人は長年一緒にこの仕事をされてきて、チームワークもバッチリで楽しそうにお仕事されている姿が印象的でした。

こうして土佐町の食文化が日々紡がれている、そのことを目の当たりにしたように思います。

 

生活改善グループ @高知蔦屋書店

 

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土佐町ポストカードプロジェクト

2019 Sept.

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高須 | 古谷展久・淳・愛子

 

美しい棚田が広がる高須地区。この季節になると稲穂が見ての通りのこの色づき。日本人のDNAに訴えかける風景が広がっています。

以前、田んぼの写真を撮った時にも同様のことを書きましたが、この風景は土佐町の農家の方々が作っているし守り続けている。地域の農家さんたちがみんなで作っている風景を、農家でない僕なんかはこうして楽しませていただいているわけで、頭が下がる思いがします。

走っている3人は古谷さんちの3兄妹。展久くん、淳くん、愛子ちゃん。3人仲良く棚田の風景の中で遊んでもらいました。

 

 

 

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4001プロジェクト

筒井博太郎・苗子 (立割)

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立割地区の筒井博太郎さんと苗子さんご夫妻。

お二人ともとても明るく、いつお会いしてもどことなく楽しそう。

この写真を撮影した場所は、お二人のお家の裏手にある山の斜面。ご夫婦はここで長年あか牛を放牧しています。

実はシャッターを押す少し前までは一頭のあか牛が近くにいて、写真に一緒に写ってほしかったのですが、僕の声に驚いて牛とは思えないスピードで走り去ってしまったという、あまりいばれない逸話を残してしまいました。

 

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私の一冊

石川拓也

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 「ほどよい量をつくる」 甲斐かおり インプレス

「大きいことはいいことか? 売り上げは無理をしてあげるべきものだろうか? 国内の技術を捨てて安いほうを選び続けていいのか? そうした問いに、彼らは仕事を通して答えようとしている。」

大量生産・大量消費が良いものとされていた時代が、本当にものすごい勢いで変わろうとしているのを肌で感じる今日この頃。

この本はフリーライターの甲斐かおりさんが出会った、「既存のしくみから外れた場所でやりたいことを小さくスタートさせ、創意工夫でほどよい量の仕事を成立させている人や企業」のお話。

興味深い例が、現在進行形で次から次へと登場します。

売り上げを右肩上がりで維持するために無駄にされるモノ、捨てることを前提に作られる大量生産品、などなど従来のビジネスのやり方に疑問を持ち、本質的な問いを繰り返しながら仕事をする人々が、簡潔で飾らない文章で紹介されていきます。

作りすぎないこと。売り上げよりも周りの人を少し幸せにすることを目的にすること。

お客さんとつながり直す、物語とつながり直す。

この本の登場人物の方々には個人的にもとても大きな共感を感じますし、とさちょうものがたりの基本的な考え方、シルクスクリーン事業の成立の仕方なども同じ地平線上にあると思いつつ、心躍らせながら読みました。

 

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私の一冊

石川拓也

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「仮想通貨3.0」  マルク・カルプレス 講談社

 

記憶にも新しい2011年に起きたマウントゴックス事件。

マウントゴックスは、著者であるマルク・カルプレスが当時社長を勤め、世界最大級のビットコイン取引所としてその世界では名を馳せていました。(ただ他に取引所がなかったということもあったみたいです)

そのマウントゴックスのシステムが何者かにハッキングされ、仮想通貨の一種であるビットコインが一瞬にして消滅・行方をくらましたことで大騒ぎになりました。

記者会見で頭を下げるマルク・カルプレスの姿をご記憶の方も多いのではないでしょうか。

この本は、その後8年かかりやっと事実的な無罪を勝ち得たカルプレス元社長が、その視点から描いた事件の全貌とビットコイン・ブロックチェーンの話です。

ビットコイン?ブロックチェーン?なにそれおいしいの?という人(僕がそうでしたが‥)にもわかるように、ビットコインとはなんぞや?というところからスタートしますので、非常にサクサクと面白く読めちゃいます。

特にビットコインを支える「ブロックチェーン」に関して、本にも書かれていることですが、これは劇的に今後の人類の未来に影響を与えていくような技術であること、ビットコインとはブロックチェーンを使用して流通している仮想通貨であって、ブロックチェーン自体は仮想通貨のためだけの技術ではないこと等々、よく耳にする単語の意味がやっとわかったというすっきり感と、その後予想される未来の来るべき変化にちょっとした高揚感を覚えながら読みました。

中央集権型ではない(つまり国家が管理しない)新たなお金の出現は、有史以来もしかしたら初めて人類がお金に縛られなくなる世の中が出現する可能性をはらんでいます。もし本当にそんな世の中が出現したら、それは人類が月面を踏んだ一歩と同等かそれ以上に大きい一歩だと思いませんか?

その世の中を見たいな〜でも寿命間に合わなそうだな〜なんて思いながら、その変化には楽しみしかありません。

本を読んだあとにはやはりブロックチェーンという単語自体がよく目につくようになって、自宅に導入を検討している「みんな電力」(誰が作ってるか顔が見える電力を販売している会社)なんかも、そのベースになる技術はブロックチェーンなのだそうです。

 

 

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とさちょうものづくり

こうほう とさちょう 9月号

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土佐町の住民の方々にはもうお手元に届いている頃と思います。

土佐町の広報誌、その名も「こうほう とさちょう」2019年9月号の表紙です。

写真は先日ポストカードでご紹介したものと同様、下瀬戸の山中、コナラの森で撮影した一枚。

後ろ姿の2人は北田凛花ちゃんと朔くんの姉弟です。

この場所、周囲が杉林の中でとても珍しい風景なのですが、実際に行こうと思うと少し難しいところにあります。もし訪れてみたい方がいらっしゃったら事前に編集部までご一報ください。

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私の一冊

石川拓也

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「悲しき熱帯 Ⅱ」  レヴィ=ストロース   中央公論新社

「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」

近現代の文化人類学の礎を築いたと言われているレヴィ=ストロースの名著。

本筋は1930年代にレヴィ=ストロースが行ったブラジルの少数民族を訪れる旅の紀行文。

ただ話はあっちへいったりこっちへいったり。原初の人類や森の中の民族、世界についての思索のあれこれは、のちに構造人類学と呼ばれ、人文科学へ大きな影響を与えます。

個人的には、フランス人っぽいレヴィ=ストロースのドライで静かな語り口がとても好きですが、やはりフランス人っぽい独特な回りくどい言い方もあって面白いところです。

  

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土佐町ポストカードプロジェクト

2019 Aug.

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下瀬戸 | 北田凛花・朔

 

高知の山のほとんどは杉の植林のイメージがあります。

下瀬戸も同様で、山道の左右はまっすぐ垂直に伸びた杉の林。それが、山頂近くになると突然この光景が広がります。

これはコナラの森。数十年前の山主さんは、あえて植林しないでとっておいたのでしょうね。

土佐町の花屋さんのお子さんたち北田凛花ちゃんと朔くんに森を走ってもらいました。

 

 

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