石川拓也

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

石川拓也

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「佐々井秀嶺、インドに笑う」 白石あづさ 文藝春秋

日本人でありながら、インド仏教最高指導者として1億5千万人の信徒を率いる立場にいる佐々井秀嶺さん。2017年6月に土佐町でも講演していただいたのでご記憶の方も多いと思います。

過去、佐々井さんの生涯を描いた伝記は数冊刊行されていますが、この本は白石あづささんというライターさんが書いた、これまでの佐々井さんの本の中でおそらくもっともくだけた、等身大の本だと思います。

佐々井秀嶺さんは、約44年間日本に帰ってきていなかったのですが、最近はだいたい年に一度6月あたりに一時帰国されます。

今年も1ヶ月ほど帰国されていて、その間にたくさんの講演や法要などをされていました。沖縄での講演もあったと聞きます。

とさちょうものがたり編集部も、岡山での講演を赴き、2年ぶりの佐々井さんとの再会を果たしました。

 

佐々井秀嶺さんのこと

 

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私の一冊

石川拓也

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「しょぼい喫茶店の本」 池田達也 百万年書房

就職活動につまずいたある若者。「ほんとは自分は働きたくない。就職したくない。」と気づく。

そんな自分がどう生きていったらいいのか?と模索していく中で発見した「しょぼい喫茶店を開く」という生き方。

食べていけるだけの稼ぎが作れたらいい。背伸びしない、カッコつけない、開業資金も極力使わない。

この本はその経緯を克明に描いているものですが、なんといってもすごいのは本当にカッコつけていない等身大のこの若者の言葉。

自分の歩んできた人生を説明するのも、とても素直で肩に力が入っていない語り口で、こうして自分のことを淡々と客観的に語れたら、そこに惹かれてお客さんや協力者たちが集まる場になるのも不思議ではないと感じました。

生き方は人それぞれ、を地で行っている一冊です。

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土佐町ポストカードプロジェクト

2019 July

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高須 相川川 | 伊藤陽音・穂美

 

相川小学校の裏の川、その名も相川川。

先日「4001プロジェクト」に登場いただいた「うどん処 繁じ」の伊藤陽音ちゃんと穂美ちゃんの姉妹に一緒に来てもらいました。

川辺に着くなり、ハイテンションで服のまま飛び込む小さな二人。案の定、帰り際には「まだ遊ぶ!」と言ってきかない一面もありましたが、この遊び場を二人がめいっぱい楽しんでくれたことがうれしいことでした。

 

伊藤勝也・秀美・陽音・穂美 (田井 うどん処 繁じ)

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4001プロジェクト

伊藤勝也・秀美・陽音・穂美 (田井 うどん処 繁じ)

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土佐町や近隣の、たくさんの方々がお世話になっているであろう「うどん処 繁じ」の伊藤さんご一家を撮影させていただきました。伊藤勝也さん、秀美さん、陽音ちゃんと穂美ちゃんの4人家族。

「繁じ」のうどんは、月並みな言い方になりますがとにかくおいしい。ご主人の勝也さんは安芸の「国虎屋」やその他様々なお店で修行した後、ご自身が育った土佐町に帰ってきてお店を開きました。

お昼時にお店の前を通ると長い行列ができていて「今日はあきらめよう‥」と思ったことも多々あります。遠方や他県の方もよくご存知で、「繁じ」のうどんが目当てで遠くから来ました、という話もよくお聞きします。

なんかご家族のお話よりもうどんの話ばかりになってしまいましたが、僕自身が「繁じ」のうどんのいちファンなのでご理解いただければと思います‥。

 

 

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私の一冊

石川拓也

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「日本の文脈」 内田樹, 中沢新一 角川書店

内田樹と中沢新一。二人とも1950年生まれの同学年という思想家が、さまざまな機会に対談をしたものを綴った対談集。

内田樹は、古武道や能を通して「中世の日本人の体の動かし方を知りたい」と考える。その先には日本人の精神性の大元はどういうものだろう?という疑問がある。

中沢新一は、「アースダイバー」の著者。元々はチベット密教を体験体得し、それを科学的に、なお且つ平易な言葉で表現できる人。その地点から「日本とは?」という問いを発する人。

だいぶ乱暴な説明になってしまいましたが、この二人、アプローチは全然違うのに考えていることは大きく共鳴しあっているようで、それが対談を通して伝わってきます。

特に日本文化に対する眼差しは厳しくて温かい。「日本文化の中心は実は空っぽで空洞です。本質はその周縁部にある。」といったような指摘は思わず「なるほど」と手を叩いてしまいました。

 

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4001プロジェクト

西村まゆみ (南泉)

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とさちょうものがたりの連載のひとつ「ほのぼのと」は、だいたい1950年代・土佐町生まれ土佐町育ちの同級生がリレー形式で書いているお話です。

先日、西村まゆみさんが初参加。「ハイヒール」と題した幼き日の思い出を文章にしてくれました。

この写真はその時にまゆみさんのプロフィール写真として撮らせていただいた一枚。

南泉のお家に伺うと、とても丁寧に手の入ったお庭の前で笑顔で迎えてくれました。

 

 

ハイヒール

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4001プロジェクト

石田清一郎・川田雅敏・レオ (南川)

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南川の、とある山の奥に大木を撮影しに行った帰り道。

車で山を下っていると、そんな山奥で前から白い軽トラが現れた。車の中には石田清一郎さんと川田雅敏さん。荷台にはレオ。

車を止めて少し立ち話。お二人(と一頭)、山を上がったところで山仕事をするために来たらしい。

そういえば道脇に丸太を積んであったところがありました。ふと思えば舗装されていないこの山道も、砂利がひかれて草も刈られている。

そう多くの人が上がってくる場所ではないこういう山の中も、人の気持ちが入った仕事があるのです。

 

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私の一冊

石川拓也

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「末広がりのいい会社をつくる」 塚越寛 サンクチュアリ出版

著者の塚越寛さんは、伊那食品工業という会社の社長さん。「かんてんぱぱ」の会社と言ったらピンとくる方も多いかもしれません。塚越さん、今年5月高知のかるぽーとで講演されていました。

題して「みんなが幸せになる会社のあり方」。

企業のトップとしてどのように経営を考えていくか。どうやって従業員を幸せにしていくか。売り上げとは企業にとってなんなのか。

印象に残ったのが、幹部で集まって経営について会議する際に、「売り上げ目標について話すことが全くない」ということ。

じゃあ何を話ししているか?「世の中の価値観がどう変化しているか。そればかり話ししています。」

会社は従業員や地域住民を幸せにするためにある。そして売り上げはその幸せを実現するための手段。あくまで手段であって目的ではない。

そういった言葉のひとつひとつに、気負いやはったりを全く感じず、逆に深みと説得力を大きく感じるのは、塚越さんが長年この言葉を実践してきたという「過去形」で話しているからなんだと思います。

「こうなったらいいよね」「こうなるのが理想だよね」もちろん理想を持つこともとても大切なことですが、言いっ放しは誰でも簡単にできる。

大事なのは、少しずつでも現実を理想に近づける小さな一歩。そんなことを考えさせてくれる一冊です。

 

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4001プロジェクト

土佐町消防団田井分団(操法選手)

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左から 古谷雅之 島崎祐企 池添篤 三木智史 岡村哲治 町田健太

 

土佐町消防団田井分団・操法の選手たちです。

大変不勉強ですみませんが、「操法」という競技の存在を、土佐町に来るまで知りませんでした。

2年前の操法大会で、わけもわからず選手をやり、町の平和と安全がこのように守られていることを初めて知った次第です。競技の結果は散々で個人的に全選手中の最低点(!)を叩き出しました。その節のことは関係各位に改めてお詫びいたします。。

話が逸れましたが、操法のこと。

各地区の消防団が、補助員含めて6人のチームを作り、消防車の操作から火点に見立てた的をホースの水で倒すまで、動作の正確さとスピードで競います。

僕自身(石川)が(あまり役には立っていないのですが)田井分団に所属しているため、記録係としての出動となりました。

田井分団が本番を終え、ホッと一息ついたところでの一枚。背景には見えてないのですが、さめうらダムが霧の中に佇んでいます。

 

 

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私の一冊

石川拓也

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「武器になる哲学」 山口周 KADOKAWA

著者の山口周さんは、最近とても面白いと思っている方。

前作の「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 」が世界規模で起こる(起きつつある)価値観の変化を捉えていて大変面白い内容でしたが、この一冊も一気に読んでしまうほど面白いものでした。

「哲学」と言った時に自分の中でも湧き上がる拒否反応。これはいくつか理由はあるのですが、古代ギリシアから時系列的に「勉強する」ことだったり、ただでさえ抽象的でわかりにくい書き方に加え、その思想の時代的背景がわかっていないのに言葉の字面だけを理解しようとすることが原因だったり。

この本は、そういった哲学本の書き方を避け、タイトル通り「武器になる」哲学の考え方にフォーカスを当てています。今、この時代に「武器として使う哲学」。

この意味で言えば、哲学とは「根本から問うこと」。現代社会において、自分の人生や仕事の質をより良いものにするために「根本から問う」ために必要なヒントが散りばめられています。

 

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