「人生で大切なたったひとつのこと」 ジョージ・ソーンダーズ著,外山滋比古・佐藤由紀訳 海竜社
ニューヨークの名門シラキュース大学の教授ジョージ・ソーンダーズが同大学教養学部の卒業式で行ったスピーチです。
著者が本当に悔やんでいる事について述べられています。
「やさしさがたりなかった」
この言葉は私の心にグサッと突き刺さりました。
ページ数の少ない本なので何度でも読めます。何度でも読みたくなる本です。
西野内小代
著者名
記事タイトル
掲載開始日
山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。
人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。
土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?
みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!
(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)
今ほど冷暖房が充実していなかった子供時代の防寒対策の一部です。
強力な味方は、何と言っても太陽です。日差しを求め、大して広くもない家の中をウロウロ…。まるで大きな猫です。
光が淡い色となり、やがて消滅し、夕食の準備時刻になると、当時は薪で沸かす五右衛門風呂だったので、勝手口の中にあるお風呂の焚口近辺。七輪に炭がいこっていれば(炭に火がうつって盛んに燃えている様)、そこは最高の居場所。
中学生となり、中間・期末という毎日テストばかりの理不尽な事態に直面し、いやでも教科書とにらめっこをしなくてはならなくなった時、夕方の暖の空白はかなり厳しい…。
ある日、教科書と向き合い外を眺めていると、とっておきの居場所が視界に飛び込んできた。
大工仕事が趣味で、一日中いそしく(まめまめしく)動いている祖父が、一斗缶を利用して盛大な焚火をしているのです。少しくらい暗くなろうがそのメラメラと燃え盛る炎の誘惑には屈しがたい!その日から試験期間中の私の居場所は「おじいちゃんの焚き火」の側。
果たしてその立ち上る炎が成績に貢献したかどうかは不明ですが、あのオレンジ色の炎の記憶は鮮明です。
「極夜行 」 角幡唯介 文藝春秋
「空白の5マイル」の著者のまたまた壮絶極まりない冒険ノンフィクションです。
極夜というのは太陽が地平線の下に沈んで姿を見せない、長い、長い、漆黒の夜、そしてその漆黒の夜は緯度により3か月も4か月も、極端な場所では半年間もつづく所もあるそうです。
何故そこまでする!?と身内の気分で諭したくなります。
土佐町(特に私の住居の辺り)も夜は真っ暗になりますが、桁違いの闇の中、愛犬1匹をお供に連れて漆黒のベールを切り開いて行くのです。
これでもか、これでもか、と苦難が待ち受けています。死を覚悟して踏破して行く後ろ姿に「もう止めて!」と何度も心の中で叫びました。
西野内小代